ファクタリングFactoring

2024.05.22

ファクタリングとサービサー法の関係を簡単に解説

「ファクタリング会社ってサービサーなの?」
「サービサー法で考えるとファクタリングって合法といえるの?」

サービサー法とは弁護士法の特例として制定された法律であり、債権の譲渡に関して定めた法律となります。この法律に注目すると、ファクタリング会社はサービサーであり、サービサー法に規定された取引しかできないと考える方もいらっしゃるようです。

そこで、ファクタリングとサービサー法の関係や、ファクタリングが合法であるという点に関して詳しく解説していきましょう。

サービサー法とは?

まずは「サービサー法」という法律の内容から分かりやすく解説していきましょう。サービサー法は、正式名称を「債権管理回収業に関する特別措置法」といい、1999年(平成11年)に施行された法律です。

弁護士法の特例として誕生したこの法律は、サービサーが特定金銭債権の管理及び回収を行うことができるようにした法律となります。

この法律施行前までは、債権回収の代行は弁護士の業とされていました。しかし1990年代にバブル景気が崩壊すると、未回収の債権が多数発生し、弁護士だけでは対応が難しくなります。そこで法務大臣から認可を受けたサービサーが、こうした債権の回収を行えるようにした法律です。

サービサー(債権回収業者)とは?

サービサー法で定められた「サービサー」とは、「債権回収会社」を指します。債権回収会社は、法務大臣の認可を受ける必要があり、認可を受けるためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。

・資本金が5億円以上であること
・常務に従事する取締役に1名以上の弁護士がいること
・暴力団等反社会的組織と関わりがないこと

サービサーは顧客から不良債権化した債権を買い取り、その回収を行うことを業とします。そのため十分な資本金が必要です。また、債権の回収や管理に関しては、十分な法律知識も求められるため、取締役以上の地位に、法律の専門家である弁護士を配置することが求められます。

最後にこうした債権回収で得られた資金が、反社会的組織にわたらないことが確認できれば、サービサーとして認められるということになります。

特定金銭債権とは?

では、サービサー法で取り扱える「特定金銭債権」に関しても説明していきましょう。特定金銭債権とされるのは、以下の6つ種類の債権となります。

・銀行等の金融機関・貸金業者が有する(有していた)貸付債権等
・リース・クレジット債権等
・特定目的会社(SPC)が流動化対象資産として有する金銭債権等
・法的倒産手続中の者が有する金銭債権等
・保証会社・金融機関等が有する求償債権等
・その他、政令指定で定める特定金銭債権

そもそもサービサー法は、不良債権の回収と管理に関して定めた法律であり、取り扱える債権に関しても上記のような債権に限定されています。

こうした債権に関して、サービサーが管理と回収ができるように定めたのがサービサー法となります。

ファクタリングとサービサー法の関係

サービサー法の原則を考えると、債権を買い取り、その回収を行えるのは、弁護士かサービサーに限られるということになります。つまり、ファクタリング会社もサービサーとしての認可を受けないと、債権の回収が行えないと考えている方もいるようです。

しかし、ファクタリング会社はサービサーである必要はありませんし、サービサー法の対象でもありません。そのあたりを解説していきましょう。

ファクタリングで取り扱う債権はサービサー法対象外

まずはファクタリングの仕組みを確認しておきましょう。ファクタリングは利用企業が持つ売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、売掛金を早期現金化するサービスです。つまり、債権譲渡契約という形となり、この場合に譲渡される債権は不良債権ではなく、まだ支払期日前の債権です。

サービサー法は原則不良債権等、未回収だった債権に関する法律です。しかしファクタリング会社が取り扱う債権は、まだ支払期日前の売掛債権であり、そもそもサービサー法の対象外の契約ということになります。

ファクタリング会社がサービサーを利用するケースも

ファクタリング会社はサービサーではないため、法務大臣の認可を受ける必要はありません。さらにいえば、ファクタリング会社がサービサーを利用する可能性があるということになります。

例えばファクタリング会社が買い取った売掛債権の売掛金が、入金期日までに支払われなかった場合、その債権は不良債権となります。ファクタリング会社はこの不良債権をサービサーに譲渡し、回収を依頼することが可能です。

一般企業が利用するならファクタリングかサービサーか

サービサー法に関しては、企業間で発生した債権に関しての回収や管理を定めた法律です。つまり、一般企業でも手元にある売掛債権を、サービサーに任せるということが可能です。

では、一般企業が利用するのであれば、ファクタリングがいいのか、サービサーに任せるのがいいのかという点を考えてみたいと思います。

通常の売掛債権であればファクタリング

手元にある売掛債権が通常の売掛債権で、売掛金の入金日には売掛金が入金されると思われる債権に関してはファクタリングの利用がおすすめということになります。

ファクタリングはこれから売掛金が入金される売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、売掛金から手数料等を差し引いた金額を即現金化する方法ですので、ファクタリングが最適です。

不良債権化したものはサービサーに

手元にある売掛債権が、すでに入金日を過ぎても売掛金が入金されていない場合、サービサーに不良債権化した債権を譲渡する形になります。不良債権ではファクタリング契約はできませんので、この場合ファクタリングは選択肢に入りません。

サービサーに不良債権を譲渡する場合、売掛金の金額よりも安い金額で譲渡するのが一般的です。サービサーに譲渡する不良債権は、回収できたとしてもどの程度回収できるか分からない債権ですので、どうしても譲渡金額は安くなってしまいます。

不良債権化する可能性がある債権は?

取引先の経営状況から、不良債権化するかもしれない債権もあるかもしれません。こういった場合は、まずはファクタリングできるかどうかを検討してみましょう。こういった売掛債権の場合、ファクタリングできたとしても条件はそこまでいい条件とはなりませんが、ファクタリング契約できるのであれば、ファクタリングがおすすめです。

ファクタリングの手数料が少々高くなっても、不良債権化した後にサービサーに買い取ってもらうことを考えると、より有利な条件で買い取ってもらえる可能性が高いからです。

また、ファクタリングは債権譲渡契約ですので、売掛金の未払いリスクも併せてファクタリング会社に移行する形になり、未回収リスクを回避することができます。

ファクタリング会社に持ち込んだものの、審査の結果契約できなかった場合は、サービサーの利用を検討するといいでしょう。

ファクタリング・サービサー法のまとめ

サービサー法とは、特定金銭債権に関して、サービサーと呼ばれる債権回収会社が管理回収できることを定めた法律です。元来こうした債権回収業務は弁護士の業務でしたが、弁護士だけでは対応が難しくなったバブル景気崩壊後に制定されました。

基本的には不良債権化した債権を管理・回収することを定めた法律であり、今後売掛金が支払われる売掛債権を取り扱うファクタリングは、対象外となる法律となります。

一般企業は、不良債権以外の債権を現金化する場合はファクタリングを、不良債権化してしまった債権はサービサーに譲渡するのが一般的です。

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