ファクタリングFactoring

2024.05.22

支払いサイト90日の売掛債権でファクタリングをする方法

「支払いサイトが90日間の債権ってファクタリングできる?」
「そもそも支払いサイト90日間って違法じゃないの?」

日本国内の商取引は掛け取引が中心であり、掛け取引である以上支払いサイトがあります。支払いサイトとは、売掛金が入金されるまでの期間であり、一般的には30~60日間です。

支払いサイトが90日間を超える売掛債権は、数こそ少ないものの、そんな売掛債権でもファクタリングは利用可能です。

支払いサイトが90日を超える売掛債権でファクタリングを申し込む場合の注意点などを解説していきましょう。

支払いサイト90日間は違法?

支払いサイトとは、取引の締め日から、売掛金の入金日までの期間を表す言葉です。また、掛け取引の場合、請求書を発行してから売掛金の入金日までの期間を支払いサイトと呼ぶケースもあります。

一般的な商取引における支払いサイトは、30~60日程度です。しかし、中には90日、120日といった長期間の支払いサイトを持つ売掛債権が存在します。こうした長期間の売掛債権を一部違法契約とする意見もありますが、実際にはどうなのかを解説していきます。

下請法の対象となる場合は違法

支払いサイトの長さを定めた法律としては、下請法という法律があります。発注側が下請先に支払う契約の場合、支払いサイトは最長60日間までと決められています。ただし、すべての商取引の支払いサイトがこの法律を遵守する必要はありません。

下請法が適用される条件は以下の通りです。

・発注企業 資本金3億円超の法人
・受注企業 資本金3億円以下の法人もしくは個人

発注側が事業規模が大きく、それよりも事業規模が小さい下請け企業が受注し納品する契約の場合は、支払いサイトは60日以内に定められています。

手形取引などのケースでは90日を超えるケースも

支払いサイトが90日を超える売掛債権は一部存在します。上記のような下請法の対象となる契約の場合は法律違反となりますが、そうではない契約であれば、支払いサイトが長期間にわたる契約もあります。

また、仮に支払いサイトが60日間の取引であっても、支払いが現金ではなく手形の場合、実質的な支払いサイトは60日を超えます。仮に支払われた手形の振替までが30日を超える場合、支払いサイトの60日間に、現金化できるまでの30日間が加わりますので、実質支払いサイト90日間の取引となります。

近年手形での取引は減ってはいますが、手形取引の場合は実質的な支払いサイトが長くなるケースがあることも覚えておきましょう。

支払いサイト90日間の売掛債権はファクタリングできるのか?

一般的な掛け取引の契約では、支払いサイトは30~60日間であるケースがほとんどです。ファクタリング会社としても、基本的には30~60日間の支払いサイトを想定して審査を行っています。

では、支払いサイトが90日間の売掛債権は、ファクタリングできるのでしょうか?

契約できる可能性は低くなる

支払いサイトが90日の売掛債権というのは、売掛債権の中では売掛金の入金日までの時間が長い債権といえます。これは、ファクタリング会社にとってはリスクです。

ファクタリング会社は、ファクタリング契約前に審査を行います。この審査で重視されるのが、持ち込まれた売掛債権がきちんと現金化されるかどうかという点です。その審査の対象となるのは、申し込んだ企業ではなく、取引先企業の信用情報になります。

取引先がしっかり売掛金を入金期日までに入金してくれるのであれば、申し込み企業が赤字経営でも、債務超過の状態でも審査に通過する可能性があります。この審査の特徴を考えると、支払いサイトが90日間という売掛債権は、審査に通りにくくなります。

支払いサイトが長いということは、それだけ支払い日までの期間があくということです。その期間に取引先企業の業績が一気に悪くなる可能性は高くなるため、ファクタリング会社からすれば未回収のリスクが高いということになります。

そのため、ファクタリング審査に通らない、つまりファクタリング契約ができない可能性も高いといえるでしょう。

手数料や掛け目の条件が悪くなる

支払いサイトが90日間と長い売掛債権の場合、ファクタリング契約ができても契約条件が悪くなる可能性が高くなります。

ファクタリング契約における条件は、基本的に審査の結果決まります。審査の結果売掛金の未回収リスクが高いと判断されれば、その分ファクタリング契約の条件も厳しくなります。

厳しい契約内容とは、手数料が高く掛け目が低くなる契約です。

手数料とは、ファクタリング会社に支払う金額となり、ファクタリングを申し込む企業にとっては純粋な損失となります。仮に額面金額100万円の売掛債権で、手数料が10%であれば、手にできる現金は90万円です。手数料が高くなれば、損失が大きくなりますので、利用企業にとっては不利な契約となります。

掛け目とは、売掛債権の額面金額が何割がファクタリング対象となるかを定める数値です。仮に100万円の売掛債権に対し掛け目が95%の場合、ファクタリング対象金額が95万円となります。

支払いサイトが30日間で、額面金額100万円の売掛債権のファクタリング条件が、手数料10%、掛け目95%の場合、早期で手にできる現金額を計算してみます。まず、ファクタリング対象金額は95%ですので、95万円となります。さらにそこから10%の手数料が差し引かれますので、手にできる現金は85万5000円となります。

同じ100万円の売掛債権で、支払いサイトが90日の場合で、契約条件が手数料20%、掛け目75%の場合は同じ計算方法で60万円が手にできる金額です。

支払いサイトの違いで、手にできる現金には大きな差が出ますので、この点は注意すべきでしょう。

支払いサイト90日の売掛債権をファクタリングする際のポイント

支払いサイトが90日間の売掛債権でファクタリングを申し込む場合、注意すべきポイントがあります。よりよい条件で契約できるために、しっかりポイントを抑えて申し込むようにしましょう。

取引先の信用度が高い債権で申し込む

ファクタリングの契約における契約条件は、審査の結果決まります。その審査の対象となるのは、取引先の信用情報です。このポイントを意識すれば、支払いサイト90日間の売掛債権でファクタリングを申し込むのであれば、取引先の信用情報を重視すべきでしょう。

支払いサイトが90日間と長くても、取引先が問題なく売掛金を支払ってくれるのであれば、より好条件での契約が望めます。

おすすめとなる取引先はまずは事業規模の大きな取引先です。そのうえで業務状況がいい取引先であれば、より好条件で契約ができるでしょう。

さらに好条件が望めるケースが、取引先が行政機関であったり公共機関のような、売掛金の未払いが考えられない取引先の場合です。こうした売掛債権は、好条件でファクタリング契約できますので覚えておきましょう。

長期間サイトに対応しているファクタリング会社を探す

近年は日本国内でもファクタリング会社が増えており、その中には業種に特化したファクタリングサービスを提供している会社も増えています。

診療報酬ファクタリングに強い会社や、不動産業界に強い会社などがあります。こうした業界特化型のファクタリング会社の中で、建設業界やIT業界に強いファクタリング会社は、比較的長い支払いサイトにも対応しているケースが多くなります。

支払いサイトが90日と長い売掛債権で申し込む場合は、こうした長期間の支払いサイトに対応しているファクタリング会社に申し込むのもひとつの方法です。

ファクタリング・90日のまとめ

売掛債権には支払いサイトがあり、多くの売掛債権は30~60日間に設定されています。しかし、中には手形取引なども含め、支払いサイトが90日を超えるような売掛債権も存在します、

支払いサイトが長くなれば、その分ファクタリング審査には通りにくくなります。ファクタリング審査では売掛金の未回収リスクが審査されますが、支払いサイトが長いと未回収リスクが高くなるからです。

支払いサイトが90日を超えるような売掛債権は、取引先や申し込むファクタリング会社を吟味して申し込みましょう。

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