ファクタリングFactoring

2024.03.12

国際ファクタリングとは何ぞや?利用できる条件は?

「国際ファクタリングってどういう仕組み?」
「国際ファクタリングは誰でも利用できるの?」

ファクタリングには、通常の債権買取型のファクタリング以外にも、医療機関や介護事業者などが利用できる診療報酬ファクタリング、売掛金に保険をかけるイメージの保証ファクタリング、さらに、まだ発生していない債権をファクタリングする将来債権ファクタリングなど様々な種類があります。

そんな種類の1つとして、「国際ファクタリング」というものがあります。これは海外企業との取引で利用できるファクタリングサービスですが、海外企業との取引がない企業にとってはあまり耳慣れないサービスかと思います。

そんな国際ファクタリングの基本的な流れや、利用の際のポイントなどを解説していきましょう。

国際ファクタリングとは?

国際ファクタリングは文字通り、海外の企業と貿易を行う企業が利用できるファクタリングサービスです。

まずはその基本的な部分に関して解説していきましょう。

海外へ輸出をする国内企業が利用可能

海外へ商品やサービスを輸出し、海外企業から売掛金を受け取る場合、何より気になるのは売掛金が入金されるのかどうかという点です。取引先が日本国内の企業であれば、ある程度自分たちでも与信調査、与信管理ということも可能となりますが、取引先が海外企業となるとそうもいきません。

また、輸出先の国の事情や法律などもあり、正確な与信調査は難しいところでしょう。

そんな日本国内の輸出企業が利用できるのが国際ファクタリングです。国際ファクタリングを申し込み、ファクタリング会社に売掛債権を譲渡することで、売掛金の未回収リスクを避け、安心して取引を行えるようになります。

4社間ファクタリングとなる

上で日本国内から海外の取引先の与信管理を行うのは難しいと書きましたが、これは与信管理、与信審査の専門家ともいえるファクタリング会社でも簡単なことではありません。

そこで国際ファクタリングでは、ほかのファクタリングではまず見かけない「4社間ファクタリング」という方式が採用されています。

契約に参加するのは国際ファクタリングの利用を申し込んだ日本国内の輸出業者、この申し込みを受け付けた日本国内のファクタリング会社、そして取引先である海外の輸入業者、そしてその輸入業者が在籍する国のファクタリング会社の4社となります。

契約に関係する会社が4社となり、流れが少々複雑になりますが、原則としては買取型のファクタリングと同様の流れとなります。このあたりを次の項で詳しく解説していきましょう。

国際ファクタリングの流れ

国際ファクタリングの流れを解説する場合、4つの会社の動きを説明する必要があり、文字だけではややわかりにくい部分があります。そのため暫定的に以下のように会社名を定め、この会社名を使って説明していきたいと思います。

A社:日本国内の輸出企業
B社:海外の輸入企業
C社:日本国内のファクタリング会社
D社:輸入企業がある国のファクタリング会社

つまりA社はB社から発注を受け、商品(もしくはサービス)を提供します。この際発生する売掛債権を、A社はC社に持ち込み、ファクタリングの申し込みを行うという形です。

少々ややこしいかもしれませんが、この関係性で流れを解説していきます。

日本国内のファクタリング会社に国際ファクタリングを申し込む

まずはA社からC社にファクタリングを申し込みます。日本国内の一般的な買取型ファクタリングの場合、商品納品後にファクタリングを申し込みますが、国際ファクタリングの場合、輸出前(商品は完成し、あとは輸出するだけの段階)で申し込むのが一般的です。

同時に、A社からB社に対し、国際ファクタリングを利用する旨の通知を行い、B社の了承を得る形になります。

取引先の国のファクタリング会社が輸入企業の与信審査を行う

国際ファクタリングの申し込みを受けたC社は、提携している海外のD社にB社の与信審査を依頼、同時にこの取引における信用保証を引き受けてもらえるかどうかを打診します。

つまりD社に対し、売掛金が入金されなかった場合、B社に代わって保証して売掛金を支払ってもらえるかどうかをD社に打診するわけです。

打診を受けたD社は、B社に対する与信審査を行います。

与信審査の結果、信用保証が可能となった場合、D社からC社にその旨が、契約条件とともに提示されます。提示を受け取ったC社は、A社に審査結果を通知。同時に契約条件などもこの時に伝える形になります。

審査で保証金額や保証金が決定し契約

C社から契約条件を提示されたA社は、その条件を吟味し、内容に問題がなければ契約となります。

基本的にはこの契約が決まってから商品が輸出されるという流れです。もちろん契約は4社間契約となりますので、同じ条件はA~D社各社で共有され、各社が同意のうえで契約が行われることになります。

この契約と同時に、売掛債権の所有権はA社からC社に移り、さらにC社からD社に移るということになり、輸入業者である海外のB社は、海外のファクタリング会社であるD社の口座に売掛金を入金するという契約となります。

売掛金入金日に日本国内のファクタリング会社から入金される

国際ファクタリングを利用したA社は、契約を結び、保証金や諸経費をC社に送金します。その上で商品を輸出したらあとは入金を待つだけとなります。

その後売掛金の入金期日に、B社はD社に入金し、D社はC社に入金、そしてC社がA社に売掛金を入金するという形になります。

仮にB社が売掛金を未納の場合でも、D社からC社への入金がなくとも、A社は必ずC社から売掛金を受け取ることができるため、売掛金の未回収リスクを回避できるということになります。

国際ファクタリングを利用するには?

少々仕組みは複雑ですが、形としては日本国内で利用する保証ファクタリングと似たイメージと理解していただければ問題ないでしょう。ただし、関係するのが4社となり、さらに海外の企業が含まれるため、ある程度時間が必要だったり、流れが複雑だったりという特徴があります。

とはいえ、結果的には売掛金の未回収リスクを回避することができるのが国際ファクタリングの特徴。これを知り、国際ファクタリングの利用を考えたいという経営者の方に、利用する際知っておくべきポイントなどを紹介しておきましょう。

取り扱うのは大手ファクタリング会社

まずこの国際ファクタリングに対応しているファクタリング会社は限られているということを知っておきましょう。

国際ファクタリングを結ぶ上で、必要になるのは海外のファクタリング会社との業務提携です。これは小さなファクタリング会社が簡単に結べるものでもありません。ある程度体力があり、また実績や信用度の高いファクタリング会社でないと提携は難しくなります。

そのため日本国内で国際ファクタリングを提供しているのは、一部銀行系ファクタリング会社がほとんどです。いわゆる大手と呼ばれるファクタリング会社のみで申し込みが可能であるということは知っておきましょう。

また、国際ファクタリングを提供している会社でも、対応できる国や地域に違いがあるケースもありますので、自社の取引先の国が対象となっている大手ファクタリング会社を選ぶようにしましょう。

L/Cとの違い

海外企業との取引における売掛金の保証には「L/C(信用状)」を利用するという方法もあります。

どちらも輸出する企業にとっては、売掛金を保証する制度ではありますが、違うポイントもいくつかあります。

まずL/Cの場合、信用状を発行するのは輸入企業の取引銀行です。そのため取引銀行に信用状の発行を申請するための手続きが必要であり、この手続きに比較的時間や手間が必要ということになります。

利用の手軽さという点では、ファクタリング会社が中心に動いてくれる国際ファクタリングの方が手軽で利用しやすいといえます。

ただし、基本的にL/Cの方が手数料(保証金)が安いという特徴もあります。手数料(保証金)は、輸出企業にとっては損失にあたります。手間や時間がかかっても損失を小さくしたいという場合はL/Cの方が有利ということになります。

一定以上の売掛金額のケースで利用可能

国際ファクタリングに関しては、一定以上の取引金額がないと対応してもらえないのが現状です。国際ファクタリングを行うには、ファクタリング会社としてもより多くの経費や人件費、手間が必要になります。そのため一定以上の収益が期待できる高額取引のみ利用可能としているケースが多くなります。

取引金額の設定などは、ファクタリング会社に問い合わせることで確認できますが、個人輸出のような小さな取引では利用は難しいということは覚えておきましょう。

まとめ

海外の企業に商品やサービスを輸出しているという企業が利用できる国際ファクタリング。もちろんこれも合法な契約です。また取り扱っているのが銀行形を中心とした大手ファクタリング会社に限られますので、安心して利用できるサービスとなります。

ある程度の保証金は必要になりますが、日本国内からは難しい海外企業の与信管理が可能となり、売掛金の未回収リスクを回避できる契約方法となりますので、輸出の多い企業の方は、利用を検討してみるのがおすすめです。

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