ファクタリングFactoring

2024.02.28

ファクタリングで使われる債権譲渡登記とは?

ファクタリングを利用するときに「債権譲渡登記」をファクタリング会社から要求されることがあることをご存じですか。
「請求書があればファクタリングはできるんじゃなかったの?」と思う方も多いのではないでしょうか。
確かに、債権譲渡登記を求められないファクタリングサービスも存在します。
それでは、どのようなときに債権譲渡登記がファクタリング会社から求められるのでしょう。

ファクタリングで使われる債権譲渡登記とは?

まずは、ファクタリングにおける債権譲渡登記について解説していきます。
債権譲渡登記とは、ある債権が誰かに譲渡されたときに、誰が誰に債権を譲渡したのかを公的に証明することが可能な制度です。
ファクタリングでは、ファクタリング利用者がファクタリング会社に売掛債権を譲渡します。
その場合に、債権譲渡登記がなされていると、ファクタリング利用者がファクタリング会社へ売掛債権を譲渡したという事実を第三者へ証明することが可能となります。

どうして必要とされるのか

では、なぜこの債権譲渡登記がファクタリングにおいて必要とされるのでしょうか。
それは売掛債権の「二重譲渡」の防止と利用者とファクタリング会社との間にトラブルが発生した際の法的な根拠として、債権譲渡登記を適用できるからです。
二重譲渡とは、複数人に同一の債権を譲渡することを指します。
債権は物と違い、直接目で見ることができない権利ですので、悪徳な利用者が複数のファクタリング会社に同一の債権でファクタリングをするという可能性が生まれてしまいます。
この場合、実際には債権は1つしかないため、債権回収ができなくなるファクタリング会社が発生してしまいます。
この場合、ファクタリングは基本的に返還請求権なしの契約となるため、全てのリスクはファクタリング会社の負担となります。

このような危険を防ぐために、登記によって誰が債権の保有者であるか裏付けることが必要とされるのです。

また、万が一利用者が二重譲渡をおこなっていたり、架空の売掛金を譲渡するなど、何らかのトラブルが発生してファクタリング利用者とファクタリング会社が訴訟などに発展した場合、債権譲渡登記がなされていればそれを根拠にファクタリング会社は自身の正当性を主張することができます。

つまり、ファクタリング会社が法的に債権の保有を証明するために債権譲渡登記を求めるのです。

どんな場合に債権譲渡登記が求められるのか

具体的にどんなシーンでファクタリング会社から債権譲渡登記を要望されるのでしょう。
それは2社間ファクタリングを利用する場合です。

2社間ファクタリングとは

2社間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社と2社間で契約を締結するファクタリングを指します。
2社間ファクタリングはおおまかに次のような流れで実施されます。

①利用者はファクタリング会社に期日到来前の売掛債権を譲渡します。
②ファクタリング会社は債権額から手数料を差し引いた金額を利用者に支払います。
③売掛債権の期日が到来し、代金を回収した利用者はその代金をファクタリング会社に支払います。

このようにファクタリングによって利用者がファクタリング会社に債権を譲渡したことを取引先に知られずに済むのが2社間ファクタリングとなります。
ここでファクタリング会社にとって重要なのが、③です。
最後に利用者からの売掛代金の回収がゴールとなり、ここできちんと売掛代金が回収できない場合、その負債はファクタリング会社が負うことになるからです。
このとき、ファクタリング会社こそが債権の持ち主であると債権譲渡登記によって立証できるので、必要とされるのです。

ファクタリングには2社間ファクタリングの他にも3社間ファクタリングというものが存在します。
この3社間ファクタリングでは、あらかじめ売掛先にファクタリング会社への債権譲渡に関する合意が必要です。
よって、3社間ファクタリングにおいて債権譲渡登記は必要とされません。

債権譲渡登記の手続き方法について

債権譲渡登記は、東京法務局・債権登録課にて申請ができます。
窓口対応や郵送、インターネットを利用したオンライン申請での申請が可能です。
ここで留意しておきたいのが、債権譲渡登記の申請は、ファクタリング利用者単独ではなくファクタリング会社と共におこなう必要がある点です。
申請の際に必要とされるのは、以下の書類となります。

・登記の申請書
・取下書
・譲渡人の法人の代表者の資格証明書
・譲渡人の印鑑証明書
・譲受人の法人の代表者の資格証明書

もっとも、債権譲渡登記の申請がファクタリングで必須とされる場合は、ファクタリング会社から司法書士を介して申請がされる場合がほとんどです。

債権譲渡登記にかかる費用

債権譲渡登記にかかる費用は、登記料として7,500円から15,000円の登録料が必要となります。
司法書士に申請の依頼をする場合はさらに最高で10万円程度の報酬を司法書士に支払うこととなります。

債権譲渡登記に関する注意事項

安全なファクタリング取引のために必要とされる債権譲渡登記ですが、注意すべき点もいくつかあります。

取引先に債権譲渡をおこなった事実を知られる可能性がゼロではない

債権譲渡登記を申請すると、登記簿に登録されます。これは閲覧が誰でも可能なものです。
このため、取引先がこの登記簿を閲覧した場合に利用者がファクタリングをしたことを取引先に知られてしまう可能性があるのです。
これでは取引先に知られないために2社間ファクタリングをおこなった意味がなくなってしまいます。
しかしながら、自分の債権についての登記の有無をわざわざ確認するというのは、ほとんどないといえるでしょう。
ただ、登記情報が閲覧可能な状態であることは、取引先に知られてしまう可能性がゼロではないことも事実ですので、注意が必要です。

個人は債権譲渡登記の利用ができない

債権譲渡登記の譲渡人は法人のみがなれるとされています。
そのため個人では、債権譲渡登記の譲渡人になることができず、債権譲渡登記ができません。
2社間ファクタリングを個人で利用したい場合は、債権譲渡登記なしのサービスを提供しているファクタリング会社を探さなければなりません。

債権譲渡登記の費用の負担

債権譲渡登記が必要とされる場合は、申請にかかる費用の負担はファクタリング利用者が負うことになります。
そのほかにもファクタリング利用者はファクタリング会社へ手数料を支払う必要があります。
売掛債権からこれらの費用を差し引いた金額が受取額となるため、債権譲渡登記が必要な場合は、受取額が思ったよりも少ない、ということが起きてしまいかねません。
2社間ファクタリングでも債権譲渡登記を必要としないファクタリングサービスは存在しますが、ファクタリング会社のリスクが高い為、手数料が割高な傾向があります。
事前に複数のファクタリング会社に対して相見積もりをして、受取額がどのくらいになるのか比較検討をすることをおすすめします。

現金化までに時間が必要になる

2社間ファクタリングでは、利用者とファクタリング会社との間の契約で完結するため、取引先(売掛先)を含めた3社間ファクタリングより現金化までの時間が短いことが特徴です。
しかし、債権譲渡登記が必要となる場合、申請から登記完了までの時間が必要となるため、即日での現金化は難しいでしょう。
急ぎで現金化が必要な場合は、債権譲渡登記が不要なファクタリングサービスを活用するか、あらかじめどのくらい時間を要するか確認するとよいでしょう。

ファクタリングで使われる債権譲渡登記とは?まとめ

迅速に資金調達ができる点が特徴のファクタリングですが、ファクタリングの種類によっては、債権譲渡登記が必要となります。
安心してファクタリングをおこなううえで債権譲渡登記は必要とされますが、登記には費用も時間もかかってしまいます。手数料との兼ね合いなども含め、事前に複数のファクタリング会社へ相見積もりし、検討することをおすすめします。

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