ファクタリングFactoring

2023.11.29

ファクタリングと債権流動化の違いを詳しく解説

企業の資金調達法にはいろいろな方法があります。

その中でも特に最近耳にするようになった言葉が、「ファクタリング」や「債権流動化」といった単語です。

ファクタリングと債権流動化は一緒に語られることも多く、どんな違いがあるのか分かりにくい部分があります。

そこでこの記事ではファクタリングと債権流動化の違いに関して説明し、それぞれの特徴などを解説していきたいと思います。

債権流動化とは?

債権流動化とは、読んで字のごとく、手元にある債権の流動性を高めることで、事業資金を確保する方法全般のことを指します。

企業の手元には、いくつかの売掛債権があるのが一般的です。売掛債権とは売掛金を受け取る権利のことであり、売掛債権を持っているということは、これから入金される売掛金があるということになります。

この状態で事業資金が不足した場合、これまでは金融機関などから資金融資を受けるのが一般的でした。

しかし、儲けがあるのにその儲けを使用できず、融資という名の借金が膨らんでいくことで、企業の経営は厳しくなることも考えられます。

近年では売掛債権の流動性を高め、売掛債権を利用して資金を調達する方法が推奨されています。

手元にある売掛債権の流動性を高め、借り入れに頼らない方法で資金を調達することを総じて債権流動化と呼びます。

債権流動化の種類

債権流動化には4つの種類があります。この中で現在日本国内で利用されるケースが多いのは3つです。

4つ目の方法として「売掛債権証券化」という方法もありますが、現状国内で利用している企業はほとんどなく、そのためサービスを提供している会社もほとんどありませんので、この方法に関してはここでは紹介せず、残り3つの方法に関して簡単に紹介しておきましょう。

売掛債権担保融資

売掛債権担保融資は、その名の通り売掛債権を担保として、銀行等金融機関から融資を受ける方法です。

金融機関からの資金融資の担保と言えば不動産などが一般的でしたが、近年では不動産に加え売掛債権も担保として認める金融機関が増えています。

不動産と違い多くの企業の手元にあるのが売掛債権ですので、資金融資が受けやすくなったとも考えられます。

手形割引

手形割引とは、手元にある手形を担保とし、手形の額面金額から割引率を差し引いた現金を、手形の現金化期日前に受け取るという資金調達法です。

利用方法としてはファクタリングに似ていますが、手形割引は手形を担保とした貸金契約ですので、償還請求権が付随された契約となります。ここがファクタリングと大きな違いです。

償還請求権があるということは、手形が不渡りになった場合でも、手形割引を利用した企業がその分を立て替えて返済しなければいけない契約となります。

ファクタリングは原則償還請求権がないノンリコース契約となりますので、ここは大きな違いといえるでしょう。

ファクタリング

ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡することで、売掛金の早期現金化を図るという資金調達法です。

ほかの2つの方法との大きな違いは、貸金契約ではなく債権譲渡契約であるという点。債権譲渡契約ですので、会社の信用情報にも影響はなく、弁済の必要もありません。

ファクタリングと債権流動化の違いといっても大きな違いはありません。正確に言えば、債権流動化のうちの1つの方法がファクタリングであるということになります。

債権流動化のメリット

ファクタリングを含めた債権流動化は、近年推奨される資金調達法です。なぜ推奨されるのか?そのメリットを紹介しておきましょう。

債権を早期現金化できる

企業が必要な資金を調達する方法は、これまで融資に頼る部分が大きかったのが事実です。銀行や日本政策金融公庫、またはノンバンク系のビジネスローンなどが融資の中心でした。ほかの方法といえば社債や株式の発行がありますが、これも外部資金をあてにする方法となります。

しかし債権流動化は、融資や株式の発行とは違い、外部資金に頼らず自社が持つ財産を効率的に現金化することで、資金を調達する方法です。

債権という権利を素早く現金化することで、余計な融資を受ける必要がなくなり、融資を受ける場合とは違い、企業の信用情報もキレイに保てるというメリットがあります。

オフバランス化ができる

売掛債権を早期現金化するということは、財務諸表における資産のオフバランス化が叶うということになります。売掛金が現金になることで、賃貸対照表もすっきりし、対外的に経営状況の良い企業であるという印象を与えることも可能になります。

資産のオフバランス化により、金融機関などの融資審査の際も比較的有利な状況となります。

売掛金を現金にするだけで、自社の資金を確保し、さらに財務状況も分かりやすくすっきりするというメリットがあります。これは借入金として財務諸表に残る融資との大きな違いとなります。

融資と比較すると利用しやすい

債権流動化の各資金調達法は、比較的利用しやすいという特徴があります。金融機関から資金融資を受ける場合は、事業計画書や返済計画書などいろいろな書類を提出し、さらに面談を受けて審査を受けます。

資金融資の審査は、返済が長期間にわたることもあり、現在のその会社の財務状況だけではなく、将来的な成長なども加味しての審査が行われます。そのため審査は厳しく、なかなか希望の金額の融資を受けられないという特徴があります。

一方債権流動化の各種資金調達法に関しては、原則そこまで審査が厳しくありません。同じく金融機関から融資を受ける形の売掛債権担保融資も、債権以外のものを担保にした融資とは違い、審査は緩くなる傾向にあります。

債権流動化の審査については、資金融資の審査とは違い、その債権が現金化されるかどうかという点が重要視されます。つまり、企業の将来性や事業計画などは審査対象外ということ。

審査される部分が限定的であり、また審査の中心が申し込んだ企業である融資審査とは違い、売掛先である取引先に関することとなるため、審査の厳しさとしてはかなり緩いものとなるわけです。

審査が緩いということは、それだけ利用しやすいということ。これが債権流動化のメリットとなります。

債権流動化のデメリット

債権流動化に関しては、メリットが多いものの、少なからずデメリットも存在します。そんなデメリットに関しても紹介しておきましょう。

手数料や金利の支払いが必要

債権流動化の各種方法に関しては、売掛債権を早期現金化できるという反面、手数料や割引料、または金利が発生するというデメリットがあります。

ファクタリングを例に挙げると、ファクタリング契約では必ず手数料が設定されます。仮に100万円の売掛債権に対し、10%の手数料が発生すれば、手にできる現金は90万円ということになります。

会社として100万円の商品やサービスを提供したのに対し、90万円しか収入がないわけですから、手数料はそのまま会社にとっての損失ということになります。この損失があるのがファクタリングを始め、債権流動化のデメリットとなります。

弁済義務のある方法もある

債権流動化の3つの方法のうち、売掛債権担保融資と手形割引に関しては貸金契約となります。

売掛債権担保融資は売掛債権を、手形割引は手形を担保とした貸金契約のため、弁済の義務が生じます。

これが何を意味するかというと、例えば売掛金が入金されない、手形が不渡りとなった場合でも、弁済の義務は消えませんので、その分を自社で立て替えて弁済する必要があるということになります。

ファクタリングは債権譲渡契約のため、貸金契約ではありません。仮に売掛金が回収できなくても、その弁済を自社でする必要は原則ありません。これはほかの2つの方法との大きな違いです。

とはいえ、債権流動化の方法の中には、弁済義務が生じる契約もありますので、これはデメリットといえるでしょう。

ファクタリングと債権流動化の違いまとめ

ファクタリングと債権流動化には明確な違いがあるというわけではなく、債権流動化の中の1つの方法がファクタリングであるという関係性になります。

債権流動化には、すぐにでも利用できる方法が3種類あり、それぞれに違いがあります。この3種類の中で、もっとも利用しやすく、もっともリスクが少ないのがファクタリングといえるでしょう。

ファクタリングは債権譲渡契約ですので、3つの方法の中で唯一弁済の義務がありません。急ぎ現金が欲しい場合などは、積極的に利用したい資金調達法といえるでしょう。

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