ファクタリングFactoring

2023.10.28

商品在庫ファクタリングとは?特徴や審査について解説

ファクタリングには、医療ファクタリング・買取ファクタリング・保証ファクタリング・国際ファクタリングなど、いくつかの種類があります。その中でも珍しいのは商品在庫ファクタリングです。

商品在庫ファクタリングは、在庫商品を現金化する方法なので、お店で商品を売る行為と似ています。今回はそのような商品在庫ファクタリングについて、概要や特徴、審査方法をお伝えします。

在庫を抱えて困っている企業は少なくありません。そんな場合、この記事を参考にして商品在庫ファクタリングについて検討してみませんか?

商品在庫ファクタリングは在庫商品をファクタリングすること

商品在庫ファクタリングとは、その名称の通り、在庫商品をファクタリングすることです。まずは、そのポイントについて2点お伝えします。

・在庫商品を売るのと同じ意味
・商品によって手数料が異なる

まずは商品在庫ファクタリングの概要を理解しましょう。

在庫商品を売るのと同じ意味

商品在庫ファクタリングは、在庫商品を売るのと同じ意味です。企業が抱えている在庫商品をファクタリング会社に買い取ってもらい、現金化します。

つまり、従来のファクタリングにおける売掛債権が在庫商品になったと考えられます。ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却して現金を得る手法だからです。ファクタリング会社が関わる点ではどちらも同じです。

商品によって手数料が異なる

たいていのファクタリングと同じように、商品在庫ファクタリングも手数料が生じます。ただし、商品によって手数料が異なるので、一概に手数料はいくらになるとか何パーセントとは言えません。そこが従来のファクタリングとは異なる点です。

たとえば、ある商品を2万円で仕入れたとします。それが18,000円で売れれば手数料は2,000円です。しかし、5,000円にしかならなかったら、手数料は15,000円です。このように、在庫商品による違いは大きいのです。

商品の値段は、商品の状態・ニーズ・物価により変わります。そのため、在庫商品の値段もその時によって異なると考えられます。

商品在庫ファクタリンの特徴

ここからは、より詳しく商品在庫ファクタリングを理解できるように、その特徴を挙げて解説します。

・売れない商品を整理できる
・在庫管理にかかる費用を節約できる
・資金繰りの改善に役立つ
・融資とは異なる
・売掛債権なしでもファクタリングを利用できる

これらの特徴を知ることで、商品在庫ファクタリングの役割やメリットを理解できます。自社の在庫商品に使えるシステムかどうか判断する材料にしてください。

売れない在庫商品を整理できる

商品在庫ファクタリングによって、売れなかった在庫商品を整理できます。在庫を抱えていると、物にもよりますが、スペースが必要です。とくにそれほどスペースがない社屋の場合、他の在庫品を置く場所がなくなってしまうなど、困ったことが生じるものです。社内の整備にも影響してくるでしょう。

そんな折、ファクタリング会社に在庫商品を引き取ってもらえれば、スペースを確保できるようになり、他の在庫品をストックできます。社内の整理整頓にも役立つのではないでしょうか。

それに、売れない在庫商品をいつまでも抱えておきたくないものです。

在庫管理にかかる費用を節約できる

在庫を抱えていれば、その管理に関する費用を用立てなければいけません。それが企業にとってかなりの出費になるのです。

たとえば、在庫が食品であれば、物にもよりますが、そのままにしておくと腐ってしまうケースも考えられます。そんな場合は大きな冷蔵庫が必要なので、電気代がかかるでしょう。

また、洋服類であれば、空調や除湿をしっかりしておかないと、カビが生える可能性も考えられます。そのため、空調や除湿の設備費がかかります。

また、その他の在庫をストックするためにも設備費はいろいろとかかるものです。これらの費用がかさむとかなりの出費になるのではないでしょうか。

そんな時、商品在庫ファクタリングで在庫品を処分できれば、管理費の節約につながります。

資金繰りの改善に役立つ

商品在庫ファクタリングは、資金繰りが厳しいけれども、借金はしたくない、ファクタリングを利用したくても売掛金がないという場合の資金繰り改善に役立ちます。

商品在庫ファクタリングで在庫品を買い取ってもらえれば、商品を処分することなく資金を得られるからです。

商品在庫ファクタリングで得られた資金は、企業の資金繰り改善につながるでしょう。少しでも資金繰りが改善すれば、企業にとって必要な物を購入したり、ビルの家賃や従業員の給料を払ったりするのに役立ちます。

融資とは異なる

ファクタリング自体、融資と間違えられることがあります。したがって、商品在庫ファクタリングも同じように融資と間違えられることも考えられます。

しかし、商品在庫ファクタリングを含むすべてのファクタリングは、融資ではなく資金調達法です。また、それは政府によって認められているので、違法ではない安全な資金調達方法の一つです。

すでに銀行融資に手を出しているので、これ以上借金を増やしたくない、帳簿に赤字を増やしたくないという企業に商品在庫ファクタリングはおすすめです。

売掛債権なしでもファクタリングを利用できる

本来、ファクタリングは売掛債権をファクタリング会社に売却して現金を得る方法です。しかし、商品在庫ファクタリングは、商品を買ってもらって現金を得る方法なので、売掛債権は必要ありません。

したがって、商品在庫ファクタリングは、売掛債権なしで利用できるファクタリングです。売掛金のない企業にとってはありがたいところです。ファクタリングは売掛金が必要という考え方を覆す手法のファクタリングと言えます。

また、売掛債権を売却するファクタリングを利用している企業でも、あふれる在庫商品に困っていれば、商品在庫ファクタリングを利用することも可能です。すでに付き合いのあるファクタリング会社に相談してみませんか。

商品在庫ファクタリングの審査とは?

他のファクタリングにつきものの審査ですが、売掛債権とは異なる商品在庫ファクタリングの場合は、どのように対処するのか気になるでしょう。

実は、商品在庫ファクタリングでも審査があります。ただし、たいていのファクタリング審査よりは、緩やかに行うのです。そのやり方を以下の点において説明します。

・出張査定を行う
・企業の状況ではなく商品を査定

こうした審査の特徴を頭においておくと、商品在庫ファクタリングが企業でどのように対処されているか、理解できます。

出張査定を行う

商品在庫ファクタリングの審査は、出張査定です。つまり、ファクタリング会社の担当者が相手の会社を訪問して査定を行います。こうした審査のやり方は、他のファクタリングと異なるところです。

従来のファクタリングの場合は、売掛先の経営状態や経済状態などを審査します。そのため、このようにファクタリング会社の担当者が出向くことは、ありません。まして、利用者側の在庫状況を見る出張査定は、めずらしいパターンです。

企業の状況ではなく商品を査定

たいていのファクタリングの場合、審査の対象は売掛先の企業です。しかし、商品在庫ファクタリングの場合、審査の対象になるのは、売掛先企業の状況ではなく自社の商品です。

ここが従来のファクタリングとの相違点です。そもそも商品在庫ファクタリングの場合は、売掛債権が存在しないので、売掛先を審査の対象にできません。

また、商品在庫ファクタリングの審査は、在庫商品の状態をチェックすることです。たとえば、買い取っても良いような状態か、どのくらい個数があるのかなど、買取希望の商品の価値を見極めます。その意味では、リサイクルショップの店員が店内に持ち込まれたリサイクル品を査定するのと同じです。

交通費がかかる場合は断られることもあり

ファクタリング会社が商品在庫ファクタリングを希望する会社に出向く際に交通費がかかる場合、ファクタリング自体を断られることがあります。

たとえ交通費をかけてまで出張しても、商品の状態が悪く、買い取れる商品がないケースも考えられるからです。ファクタリング会社としても無駄なことに交通費をかけたくないのでしょう。

商品在庫ファクタリングを考える際は、近くのファクタリング会社に頼むようにしましょう。

商品在庫ファクタリングについてのまとめ

商品在庫ファクタリングは、売掛債権でなく企業で抱えている在庫商品を買い取ってもらうシステムです。ファクタリング会社は商品の状態を見て、手数料を引いた金額を企業に払います。

在庫を抱えている企業にとっては嬉しいシステムです。とくに在庫商品の整理や資金確保に役立つので、在庫商品を置くためのスペース確保に困っている企業、資金繰りが厳しい企業は、ぜひとも活用したいところです。

ただし、企業が位置する場所によっては、断られることもあるので、近くのファクタリング会社に依頼するようにしましょう。

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