ファクタリングFactoring

2023.08.29

開業前でもファクタリングは利用できるのか?詳しく解説

近年利用企業が増えているファクタリング。借り入れ契約ではないため、自社の信用情報に影響を与えないという点で、非常に利用しやすい資金調達法です。

これから開業をしようと考えている方、また開業直後の方も、自社の信用情報をキレイに保ちたいところでしょう。それでも現金が必要な場合は、ファクタリングを利用したいところです。

では、開業前、開業直後などでもファクタリングは利用できるのでしょうか?利用できるとしたら、どんな利用方法があるのか、またどんな条件で利用できるかなど、開業前・開業直後のファクタリング利用に関して解説していきます。

ファクタリングは開業前でも利用できるか?

会社を開業するにあたっては、いろいろな資金が必要となります。事務所を構える費用、事業に必要な機器を揃える費用、もちろん人件費もその一つです。

開業資金、事業資金確保のために現金は必要です。しかし、開業前から借入金を作りたくないとなると、新たな資金調達法であるファクタリングを利用したいところです。

ファクタリングにはいろいろな契約方法がありますが、結論から言ってしまえば開業前に利用できるファクタリングはほぼありません。

なぜ、開業前には利用できないのか。このあたりをまずは解説していきましょう。

開業資金確保では利用できない

ファクタリングにはいろいろな契約方法がありますが、その中心となるのは売掛債権の譲渡契約です。

開業前ということは、当然ですが事業開始前ということ。つまり手元に売掛債権がないわけですから、売掛債権の譲渡という形ではファクタリングは利用できません。

ファクタリング契約の中には、「将来債権の譲渡」という契約もあります。これはまだ売掛債権が存在しない状態でも、事業の発注を受けた時点で利用できるファクタリングです。

仮に開業前に事業の発注を受け、その後開業するというケースでは、理論的にはこの将来債権によるファクタリングが利用できるということになります。

それでも、開業前の企業が持つ将来債権では、まずファクタリングは利用できません。そのあたりを解説していきます。

実績のない企業では難しい

ファクタリング契約においても審査を受ける必要があります。ファクタリングの審査は甘いというのが通説ですが、甘くとも審査があるのは事実です。

ファクタリングの審査で基本的にチェックされるのは3点。まずは持ち込まれた売掛債権が本当に存在するのかどうか、続いて売掛先(取引先)はしっかり売掛金を期日までに支払えるのかどうか、そして申し込んできた企業は、売掛金をきちんと入金するのかという3つです。

売掛債権とは、書面だけで実態が存在しないものです。そのため持ち込まれた売掛債権(将来債権も含む)が本当に存在するかどうかはきちんとチェックしなければいけません。

債権が存在することが確認できたら、続いては売掛金が支払われるかどうかのチェックです。売掛先の財務状況や、申し込み企業の財務状況を審査し、売掛金がスムーズにファクタリング会社に支払われるかどうかをチェックします。

つまり、ファクタリングの審査とは、利用企業や売掛先が信用できるかどうかということを中心に行われるということになります。そう考えると、事業実績がない開業前の事業者には、そこまで信用できる情報がないということになり、審査に通りにくいということになります。

開業前ではファクタリングの利用は難しいというのは、利用する企業に何も実績がないというのが大きな理由です。

開業前でもファクタリングが利用できるケース

基本的に開業前にファクタリングを利用することはできません。開業前に資金が欲しいという方は、金融機関等の資金融資を頼る必要があるということになります。

とはいえ、まったく不可能かと言えば、そうでもありません。限定的ではありますが、開業前でもファクタリングを利用できる可能性もあります。

そんなケースを紹介しつつ、開業前に利用する場合に知っておきたいポイントなども紹介しておきましょう。

すでに事業実績があるケース

開業前でもファクタリングを利用できるケースは、開業前でもある程度事業実績があるというケースです。開業前に事業実績があるわけがないと考える方も多いかと思いますが、あるケースにおいては考えられる状況があります。

そのひとつが、個人事業主として事業を行っていた方が、法人登録を行い開業するというケースです。

個人事業主として、取引先との信頼関係を築いており、すでに取引の実績があるとなれば、開業前でもファクタリングの利用が可能なケースがあります。

ファクタリングの審査で重視されるのは事業実績です。開業前でもすでに事業実績があり、取引先との取引をした記録が残っていれば、ファクタリングを利用できる可能性はあります。

利用はできても条件が厳しい場合が多い

開業前でも事業実績を持っていれば、ファクタリングを利用できる可能性はあります。ただし、こうしたケースでは、契約の条件が厳しくなる可能性が高いのも事実ですので意識しておいた方が良いでしょう。

契約条件が厳しくなると言った場合、具体的にどのような契約になるのでしょうか。ポイントがいくつかあるので紹介していきます。

まずは手数料です。手数料が通常よりも高くなる可能性があります。手数料というのはファクタリング会社にとって儲けとなる部分です。開業前の企業は事業実績がなく、ファクタリング会社としても売掛金の回収という点でリスクのある契約となります。それだけ手数料は高めの設定になるでしょう。

続いて掛け目の問題です。ファクタリングでは、売掛債権の額面金額全額が対象となることはほとんどありません。基本的には掛け目と言われる数字が設定され、この掛け目によってファクタリングの対象金額が決まります。

仮に100万円の売掛債権に対し、掛け目が10%であれば、ファクタリングの対象となるのは90万円ということになります。これもファクタリング会社のリスクヘッジのひとつです。開業前のファクタリング利用の場合、この掛け目が大きくなる可能性があります。

実績をある程度上げてファクタリングを利用する方法も

ここまで説明してきた通り、開業前、開業直後にはファクタリングを利用するのが難しく、また利用できたとしてもあまりいい条件では契約できないということになります。

しかし、開業してある程度事業実績を残せば、ファクタリングを有効活用できる方法があります。それが、売掛債権すべてをファクタリングする方法です。

すべての売掛債権をファクタリングするのが有効になるケースは、自社内に債権管理の部門を置かないケース。企業にとって債権管理は重要で、多くの企業が経理部などで管理を行っています。しかし債権管理には人件費など経費が必要です。この経費は企業にとって大きな出費となります。

しかし、すべての債権をファクタリングに出してしまえば、債権管理の部門は不要となります。ファクタリングの手数料はかかりますが、その分経費を抑えることができればかえって経費削減になるというケースもあります。

実際に欧米諸国の特にベンチャー企業などでは、こういった形で経営している企業もあり、日本国内でも同じような利用方法が可能となるケースはあるでしょう。

ファクタリング業界の問題点

ここまでは、ファクタリングを利用する企業の開業に関して説明をしてきましたが、ここではファクタリング会社を開業するという視点で考えてみましょう。

ファクタリング会社は理論的には誰でも開業できます。

利用者に金銭を貸し出す貸金業を行うためには、貸金業者としての許認可申請が必要です。また、中古品や古銭を取り扱うには、古物商の許認可申請を行う必要があります。

しかし、ファクタリングは貸金業者ではありませんし、取り扱うのは債権という形のないものですので、古物商の登録も不要です。

ファクタリング業者を開業するために必要な免許や許認可申請はなく、誰でも開業できる業種ということになります。

許認可不要のため悪徳業者も存在する

許認可不要ということで、ファクタリング業界には問題があります。それが悪徳業者の存在です。

誰でも開業できるということは、闇金業者などもファクタリング会社として開業が可能ということ。そんな悪徳業者が存在しているというのがファクタリング業界の大きな問題点となっています。

HPやチラシなどで、相場よりも安い手数料などを掲示して顧客を集め、ファクタリングに見せかけて暴利の貸し付けを行い、厳しい取り立てをする、また法外な手数料のファクタリング契約を結ぶなど、質の悪い業者は存在します。

これからファクタリングを利用することを考えている方は、こうした悪徳業者に引っかからないよう、しっかりとファクタリング会社を見極めるようにしましょう。

ファクタリングと開業についてのまとめ

ファクタリングの基本は、売掛債権の譲渡契約です。まだ売掛債権を持たない開業前の方や、売掛債権はあるものの事業実績の少ない開業直後の企業では、利用が難しいケースがほとんどです。

ファクタリングはある程度の事業実績、取引実績があって初めて有効に活用できるサービスですので、開業前や開業直後などに現金が必要になった場合は、金融機関などの融資を頼りにするのがいいでしょう。

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