茨城の中小企業におすすめの資金調達方法として、ファクタリングが注目されています。ファクタリングは融資と違い、取引先から支払われる予定の売掛金を、予定より早く手に入れる方法です。ファクタリングは経済産業省が推奨する、法で認められた資金調達方法ですが、取り扱う会社が多く、どう選んでいいか分からない人も少なくないようです。
この記事では、茨城の経済状況や、おすすめの資金調達方法「ファクタリング」の専門業者の選び方について解説します。
茨城県の経済について
茨城県は全国魅力度調査で毎年最下位となっていますが、農業や製造業、研究・教育が盛んな土地です。広大な土地と適した気候を生かした農業では、米やメロン、白菜などの多彩な農産物を生産しています。メロンや栗、梨などの生産量は全国第1位です。
また、つくば市には筑波大学を始め、多くの研修施設があり、サイエンスシティーとして日本のさまざまな分野の研究・開発を支えています。
しかし茨城県は、東日本大震災時に大きな打撃を受けています。東北地方ほどの被害がなかったため、あまり報道などで取り上げられなかったのですが、沿岸部は津波の影響を受け、放射能汚染の被害も受けているのです。さらに、新型コロナウイルス感染拡大時には、首都圏からの人の流入が多いことから、県内の感染者数が多くなり経済にも影響が出ています。そのため、茨城県の多くの中小企業は東日本大震災以降、経営難に直面し続けているのが現状です。
茨城県中小企業の景気は?
茨城県の中小企業は、2024年月の調査によると景気DIが前月に比べ+1.4ポイントとなり、6カ月ぶりの改善がみられました。しかし、改善したのは運輸や不動産などの業界で、サービス業や卸売り業は悪化し、農林素産業は横ばいの状態です。
3か月後、6か月後、1年後の通しについては、いずれも上昇の見通しが出されていますが、物価の上昇がネックになっている企業も多く、高止まりを訴える声も多いようです。
人手不足や最低賃金の引上げなども影響し、中小企業が置かれている厳しい状況に大きな変化は期待できないとされています。また、利上げの影響で資金調達が難しくなるとの予測もあり、資金繰りに悩む企業が多くなる可能性もあります。
参考:TDB景気動向調査(北関東ブロック・茨城県)
茨城県の中小企業の資金調達方法は?
中小企業の資金調達方法は、県や市などの地方自体が行う制度融資や、金融機関からの融資があります。融資は設備投資や、新事業を始める時などの利用が一般的で、数百万から数千万といったまとまった額を借りることができます。
しかし、売掛金があり、数週間後や数カ月後に入金の予定がある場合、融資の利用は不向きではないでしょうか。時間が経てば入金があるのに、多くの手続や時間をかけて融資を受けるのは現実的な資金調達方法とは言えません。
それでも、売掛金の入金期日前に、急な現金が必要になった場合、クレジットカードのキャッシングの利用を検討する経営者もいます。しかし、それでは自分が借金をすることになってしまいます。
そんな時におすすめなのがファクタリングです。ファクタリングは入金予定のある売掛金を、専門業者に売却し、現金を手にする方法のため、借金をする必要がありません。
ファクタリングの詳しい仕組み
ファクタリングとは、得意先から予定されている売掛金を、入金期日より前に手にする資金調達方法です。売掛債権の譲渡は民法で認められており、売買が可能で、売掛金を専門業者に売却することをファクタリングと言います。
売掛金を買い取る専門業者はファクタリング業者とも呼ばれ、最近では多くの会社がファクタリングのサービスを提供しています。ファクタリング業者は、利用者から売掛金を買い取り、手数料を差し引いた金額を利用者に支払います。
ファクタリング契約の種類
ファクタリングの契約には、二者間と三者間の2つの種類があり、次のような違いがあります。
1.二者間ファクタリング
利用者とファクタリング業者の二者で契約するもので、売掛金の請求先である取引先に、売掛金の売却を知らせる必要はありません。契約が成立すると、ファクタリング業者から手数料を引いた売掛金が利用者に支払われます。後日、取引先から売掛金が支払われた時に、利用者は売掛金をそのままファクタリング業者に支払うというシステムです。
2.三者間ファクタリング
利用者と取引先、ファクタリング業者の三者で契約するものです。三者間ファクタリングは、取引先が契約に加わることで、売掛金が未回収になるリスクが大幅に低くなるため、ファクタリング業者の手数料が低くなる特徴があります。しかし、契約者が増えることにより、契約に時間がかかるため、売掛金をスピーディーに手にすることは難しくなります。
二者間ファクタリングはインターネットで申し込みから契約まで全て行えるため、即日入金が可能ですが、三者間の場合は対面での契約しか利用できません。
ファクタリングのメリット・デメリット
ファクタリングには、手続きが簡単で、スピーティーに資産が調達できるメリットがあります。インターネットで全て完結するオンラインファクタリングを利用すれば、最短2時間で売掛金が現金化できるファクタリング業者もあります。支払期日より前に売掛金を手にすることができるので、急に現金が必要になった場合、とても役立ちます。
その反面、ファクタリング業者を利用することで、ファクタリング業者に手数料の支払いが発生します。支払期日まで待てば、売掛金を全額手にすることができますが、ファクタリングを利用すると手数料分少なくなった売掛金になってしまいます。また、ファクタリング業者の中には悪質な業者もあるため、会社選びを慎重にする必要があります。
茨城県のファクタリング業者の選び方
ファクタリングは民法で認められた正当な資金調達方法で、経済産業省からも推奨されているため、中小企業の資金繰りに大いに役立ちます。しかし、最近ではファクタリング業者を装い、高金利での貸付をするヤミ金融もあるため、利用してしまうことのないよう、十分な注意が必要です。
茨城県は首都圏から近いこともあり、東北地方などに比べ、比較的ファクタリング業者が多くあります。また、ファクタリングはオンラインのみで契約できるため、遠方のファクタリング業者を選ぶことも可能で、選べる会社はかなりの数です。
ここからは、茨城県で利用できるファクタリング業者の選び方について解説します。
手数料の相場と内訳
ファクタリングの手数料は、売掛金の売却額×手数料率で決まります。手数料率は、ファクタリング業者によって異なりますが、売掛金の2%~18%が相場とされています。手数料の他に、債権譲渡に関わる登記や収入印紙代などがプラスされることもあります。初期費用や月額費用、審査料、さらには弁護士費用が発生するケースもあるため、利用の際には契約前に必ず見積もりを取り、内訳を確認する必要があります。
掛け目にも注意が必要
ファクタリングの掛け目とは、買取率のことです。
売掛金が100万円で掛け目が80%だった場合、ファクタリング業者は80万円から手数料を引いた額を利用者に支払います。その後、利用者は取引先から100万円の売掛金の支払いを受けたら、そのまま100万円をファクタリング業者に返済するので、20万円損をしたかたちになります。しかしこの20万円は、後日ファクタリング業者から返還されます。
掛け目とは、いわばファクタリング業者の保証金のようなもので、万が一売掛金が回収できなかった場合の資金になります。そのため、会社の信用情報などにより回収リスクが高い場合は、掛け目が低くなりますが、極端に低く設定された場合は、悪質な業者の可能性があるので注意が必要です。
契約から入金までの時間
すぐに現金が欲しい場合は、スピーディーに契約が完了する会社を利用する必要があります。オンライン契約は審査のスピードが速く、即日入金対応ができるところが多いようです。しかし、オンラインファクタリングでも、振込に時間がかかる会社もあるので、確認の必要があります。
償還請求権がある会社は要注意
償還請求権とは債権者から債権の支払いがない場合、元の債権者に遡って費用の返還を求める権利のことです。これをファクタリングに当てはめると、取引先から売上金が支払われなかった場合、ファクタリング業者は利用者に売掛金の請求ができることになります。ファクタリングの利用後に、取引先の倒産などにより売掛金が支払われなかったら、利用者に返済の義務が生じてしまいます。
ファクタリングは原則、償還請求権なしの契約が採用されているため、償還請求権がある会社は違法業者の可能性もあるので気を付ける必要があります。
茨城のファクタリング業者の選び方まとめ
今回は、茨城県でおすすめの資金調達方法「ファクタリング」の会社の選び方について解説しました。
コロナや物価高騰など、多くの問題に直面している茨城の中小企業には、ファクタリングによる資金調達がおすすめです。ファクタリングは、急に現金が必要になった時にスピーディーに現金が調達できる方法ですが、悪徳業者がファクタリング業者を装っているケースもあります。ファクタリングを利用する際には、複数の会社を比較して検討することが大切です。