ファクタリングFactoring

2024.10.17

ファクタリングとは?売掛金を高く売却するポイントを徹底解説

会社や店舗を経営していると、売掛金が予定より早く入金されれば資金繰りが助かるのにと思うことがあります。そんな時に役立つのがファクタリングです。ファクタリングは、売掛金を売却してすぐに現金化できるもので、売掛債権買取サービスとも呼ばれています。
融資などと違い、借金ではないので安心して利用できる資金調達方法ですが、損をしたり騙されたりする可能性があるのです。そうならないためには、ファクタリングについての正しい知識が必要です。
今回はファクタリングについて、その種類と売掛金を高く売却するポイントについて解説します。

ファクタリングとは?

ファクタリングは企業や店舗の売掛金を専門業者に売却する方法です。
売掛金(売掛債権)は、民法第466条で「債権は譲り渡すことができる」とされているため、正当な資金調達方法です。また、2020年に再建法が改正されたため、譲渡制限特約が付いた売掛債権も原則として譲渡が可能になりました。ファクタリングはお金を借りるものではないので、融資を受けるなどのリスクも回避することができます。

ファクタリングの種類

ファクタリングには2種類の契約方法があり、さらに大きく分けて2種類のサービスがあります。
ここからは、契約方法とサービスについて詳しく解説します。

ファクタリング:2種類の契約方法

ファクタリングには次の2種類の契約方法があります。

1.二者間ファクタリング
二者間ファクタリングは、利用者と専門業者の二者で契約する方法です。契約後、利用者は売掛債権を売却し、売掛先から入金があったら、利用者は専門業者にその売掛金を支払います。そのため、利用者は売掛債権を売却後も、売掛金を回収する必要があります。
しかし、利用者と専門業者の間で契約が行われるため、売掛先にファクタリングを利用したことが知られることはありません。また、手続きがシンプルなため、スピーディーに売掛金を現金化することが可能です。
専門業者によって差はありますが、契約したその日のうち、または遅くても1週間程度で現金化できます。

2.三者間ファクタリング
三者間ファクタリングは、利用者と専門業者に売掛先が加わって三者で契約する方法です。契約自体は利用者と専門会社間で行われますが、利用者は売掛先にファクタリングを利用することを承諾してもらう必要があります。利用者は売掛債権を売却してその金額を受け取り、売掛先が直接専門業者に売掛金を支払うのです。
三者間ファクタリングの場合、利用者が専門業者に売掛金を支払う手間がなくなりますが、売掛先によってはファクタリングへの理解が得られず承諾が得られない恐れが生じます。また、利用者の会社が資金繰りに困っていると判断されると、売掛先との今後の取引に影響する可能性も出てきます。

ファクタリング:2つのサービス

ファクタリングには、大きく分けて買取型と保証型の2つのサービスがあります。

1.買取型ファクタリング
買取型ファクタリングは、利用者が売掛金を専門業者に売却するもので、売却した金額から専門業者への手数料が引かれます。
買取型ファクタリングを利用する際は、二者間ファクタリングか三者間を選べるのが一般的です。
買取型には、売掛金だけでなく診療報酬が売却できるものもあります。また、注文書の段階で売却できる「注文書ファクタリング」や、売掛金を支払う側が手形取引の代わりに利用できる「一括ファクタリング」もあります。

2.保証型ファクタリング
保証ファクタリングは、売掛金が回収できない恐れがある場合などに利用するサービスです。専門業者に保証金を支払い、万が一、取引先の倒産などで売掛金が回収できない場合、その一部を支払ってもらうものです。
保証型ファクタリングは、売掛金が回収できない場合のみ有効になるので、早期に売掛金を受け取るサービスではありません。そのため、一般的に利用されるファクタリングは買取型で、専門業者も買取型のみを扱うところがほとんどです。
また、保証型ファクタリングは利用者と専門業者の二者だけでの契約になるので、三者間ファクタリングはありません。
保証型ファクタリングの保証金や保証される金額は、売掛先信用度により変動します。
保証型ファクタリングは、売掛先の倒産などのリスクだけでなく、海外企業との取引の安全性を高めるための「国際ファクタリング」もあります。

ファクタリングで売掛金を高く売却するポイント

ファクタリングを利用する場合、専門業者に手数料を支払う必要があります。この手数料が少なければ少ないほど売掛金は高く売却できます。
ここからは、ファクタリングで売掛金を高く売却するポイントを解説します。

割引率を低くする

ファクタリングの手数料は「割引率」によって金額が決まります。
割引率はもともと手形による取引で利用されていたものです。手形は、支払期日前に銀行や専門業者に売却することができ、その際に支払日までの金利や手数料を引くことを「手形割引」と言います。ファクタリングにも同じ「割引」という言葉が使われていて、割引率は専門業者や取引条件によって異なりますが、低くできるポイントがあります。

1.契約方法
二者間ファクタリングと三者間では、割引率が大きく違います。一般的に二者間の場合は8~18%、三者間の場合は2~9%程度です。
ファクタリングは、売掛金が回収できない恐れがあると割引率が高くなります。利用者と専門業者だけの契約より、売掛先の承諾を得た三者間の方が未回収になる恐れが低いと考えられています。
売掛先の理解が得られるようであれば、三者間ファクタリングがおすすめです。

2.利用者の信用度
三者間ファクタリングに比べ、二者間は割引率が高くなりますが、利用者の信用度が高ければ割引率を抑えることができます。
ファクタリングを利用する際には専門業者からの審査を受ける必要があります。ただしこの審査は融資を受ける際の審査と違い、そんなに厳しいものではありません。ファクタリングが契約通りに行えるかどうかが重要視されるため、同じ専門業者と何度か取引があれば信用度は高くなります。

3.売掛先の信用度
売掛金が回収できない場合、専門業者は赤字になるので売掛先の信用度は割引率に大きな影響を与えます。
売掛先の倒産が危ぶまれるような状態であれば、割引率は当然高くなるのです。逆に、県や市などの行政機関や公共機関、大企業など倒産の恐れがない売掛先なら、割引率は低くなる傾向にあります。

4.売掛金の金額や支払期日
売掛金の金額が大きいと、専門業者が受け取る金額も大きくなるため、割引率が低くなる可能性があります。
また、売掛金の支払期日が短い場合も、割引率が低くなります。支払期日が長いと、売掛金が回収できなくなるリスクが高くなるからです。

5.複数の専門業者から見積もりを取る
ファクタリングを扱う専門業者は数多くあります。業者によって割引率や手数料の金額が異なるため、一社だけでなく複数の業者から見積もりを取る事が大切です。専門業者の手数料の消費税は非課税とされてますが、含まれていることもあるため、見積書の内容をよく確認する必要があります。

冒頭でも解説した通り、ファクタリングは法的に認められた資金調達方法ですが、専門業者を開業する場合、免許や登録の必要がありません。そのため、なかには悪質な業者が存在していて、金融庁や消費者庁では注意喚起が行われています。専門業者を装って高金利の貸し付けを行うヤミ金融による被害が報告されているからです。
そうした被害に遭わないためにも、複数の専門業者から見積もりを取り、売掛金の売却金額の相場を知る事が大切です。
また、ファクタリングの契約は一般的に償還請求権がありません。この場合の償還請求権は、売掛先からの支払いがない場合、専門業者から利用者が売却した売掛金の返還を求める権利がないことを指します。
買取型ファクタリングには償還請求権がないので、契約書に盛り込まれている場合は、悪徳業者の可能性があるので注意が必要です。

ファクタリングとは?売掛金を高く売却するポイントを徹底解説のまとめ

今回はファクタリングとは?売掛金を高く売却するポイントを解説しました。ファクタリングは売掛金をすぐに現金化できるため、資金繰りが苦しい時には大変便利な資金調達方法です。しかし、現金収入を急ぐあまり、当初受け取る予定だった金額より少なすぎる額を手にしないためには、上手に利用する必要があります。ファクタリングを利用する際には、割引率をいかに抑えるかが売掛金を高く売却するポイ

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