企業として業務を拡大していくこと、また生産効率や生産能力を向上させることは非常に重要なポイントです。そのために必要となるのが投資です。自社の設備に投資を行う、人材に投資を行うなど、自社のために投資を行うことで企業はより大きく、強くなっていきます。

そんな投資のためには投資資金が必要です。では、投資資金調達のためにファクタリングが有効かどうか、この点に関して解説していきましょう。

投資資金をファクタリングで用意するメリット

設備投資を始めとして、投資をするための資金調達の方法として、ファクタリングという方法が考えられます。では、ファクタリングを利用して投資資金を確保する場合のメリットを考えてみましょう。

現金化スピードが早い

投資はタイミングが重要です。今このタイミングで投資してこそ意味があるというケースも少なくありません。そんなタイミングが重要な投資資金の用意は、何よりスピード感が重要です。

ファクタリングは、一般的な契約でも申し込みから2～3日程度で現金が手に入ります。時間がかかる契約でも、1週間程度で現金を手にできるでしょう。また、近年では申し込み即日入金のファクタリングも増えており、現金化スピードという点ではおすすめの資金調達法となります。

比較的審査に通りやすい

企業として、投資資金などの資金調達をする方法はいくつか考えられますが、その中でも特に審査に通りやすく、利用しやすいのがファクタリングです。

投資資金等の資金調達の方法の多くは融資契約であり、外部から借り入れを行うのが一般的です。借り入れを行う場合、融資商品があり、その商品には利用条件が設定されています。融資契約のおける審査では、申し込み企業がその利用条件をクリアできるかどうかが審査の対象となります。また、長期間にわたる返済が可能かという点も審査されますので、融資商品の審査には時間がかかりますし、通りにくいという特徴があります。

一方、ファクタリングの場合、事前に契約条件が決まっていません。審査を行ったうえで契約条件が決定するという特徴があり、これは言い換えれば「どのような条件であれば契約できるか」を確認する審査といえます。つまり、契約をするための審査であり、その分融資審査よりも通りやすいといわれています。

審査に通りやすく、手軽に申し込めるというのは、投資資金を準備するには最適な条件といえるでしょう。

負債が増えない

ファクタリングは債権譲渡契約です。売掛債権を譲渡し、その売却益として現金を受け取る契約ですので、借り入れ契約ではありません。借り入れではないということは、返済の義務もありませんし、自社の信用情報にも影響を与えません。

負債を増やさず投資資金を確保できるため、その後大きな資金を必要とする設備投資などが発生した場合、融資を受ける必要が生じても、有利な状況で審査を受けることができます。また、返済義務が生じないため、その後の資金繰りにも大きな影響がないというのもメリットです。

債務超過の状況でも利用できる

ファクタリングは借り入れではありませんので、極端な話をすれば債務超過の企業でも利用可能です。

ファクタリングは売掛債権を譲渡する契約のため、ファクタリング会社が重視するのは、売掛金が支払われるかどうかとう点です。つまり、申し込んだ企業以上に、売掛金を支払う取引先の情報を重視して審査を行います。

申し込んだ企業が債務超過であっても、取引先が安定した企業であれば、契約できるため、厳しい経営状況の企業が、事業改善のために行う投資の資金調達の方法としても利用できるというメリットがあります。

投資資金をファクタリングで用意するデメリット

投資資金をファクタリングで用意するメリットは大きく、基本的にはおすすめの方法と言えます。とはいえデメリットが全くないというわけではありません。しっかりとデメリットの部分を理解して利用することが重要です。

そんなデメリットを2つ紹介していきましょう。

手数料分の損失が発生する

ファクタリング契約をすると、手数料の支払いが発生します。ファクタリング会社にとっての利益となる部分が手数料ですので、手数料なしで契約するという事はあり得ません。この手数料は、申し込み企業から見れば売上に対する損失ということになります。

仮に100万円の売掛債権に対し、10%の手数料がかかる場合、10万円をファクタリング会社に支払うことになります。企業としては、100万円分のサービスや商品を納品し、その対価として受け取れる金額が90万円になるわけですから、10万円値引きしてサービスや商品を提供したことになります。

手数料はファクタリングを利用する金額に対して%でかかりますので、用意する投資資金が大きいほど損失も大きくなってしまいます。この点は十分理解して、手数料を支払ってもそれ以上のバックを期待できる投資であれば、ファクタリングの利用は推奨ですし、そこまでのバックが期待できないのであれば、投資資金の確保の方法としてはあまりおすすめできないということになります。

自社が考える投資の効果がどの程度あるのか、それに対しどの程度の手数料の支払いが発生するのかという点を比較検討し、自社にプラスがあると判断できる場合に利用するようにしましょう。

売掛金入金日周辺の資金繰りが難しくなる

ファクタリングは売掛金を早期現金化する資金調達法です。これは言い換えれば売掛金の前払いシステムともいえます。そこで注意したいのが、売掛金入金予定日周辺の資金繰りです。

ファクタリングを利用して投資資金を作ったとしても、その売掛金が入金されるタイミングでは、売掛金が手に入らないという事になってしまいます。それでも資金面で問題が発生しないように、しっかりと準備することが重要です。

ファクタリングを利用して投資資金を用意する場合は、売掛金入金日周辺の資金繰りに関して、しっかりとしたビジョンを持ったうえで利用するようにしましょう。

投資資金の準備方法としてファクタリングはおすすめかどうか

ファクタリングにより投資資金を準備するのは、基本的にはおすすめです。特にタイミングが重要になるような投資の場合、何より資金準備のスピード感が重要です。そのタイミングで資金が準備できないと、投資による効果が期待できないというケースは少なくありませんので、こうしたスピード感という点ではファクタリングが最適でしょう。

ただし、考えておくべきポイントもあります。それが手数料の問題と売掛金入金日周辺の資金繰りの問題、さらに準備できる金額の問題です。

ファクタリングで用意できるのは、売掛金の金額から手数料や諸経費を差し引いた金額までです。投資資金がそれ以上に必要な場合は、ファクタリングでは対応できないということになります。必要な資金やファクタリングで準備できる金額をしっかり把握しておくことも重要です。

また、投資資金の準備方法として、ファクタリングと資金融資を組み合わせる方法もあります。繰り返しになりますが、投資資金の用意はスピード感が重要です。資金融資は審査に時間がかかるため、このスピード感という点では適さない部分があります。

そこで急ぎ必要な投資資金をファクタリングで準備し、同時に資金融資の申し込みを行います。急場に必要な資金にはファクタリングで対応し、ファクタリングしたことで資金繰りが厳しくなるところを、資金融資で補うという方法です。

投資資金にはさまざまな資金調達法を組み合わせて、対応するのがおすすめといえるでしょう。

ファクタリング・投資資金のまとめ

企業として必要となる投資資金の準備には、ファクタリングという資金調達法もあります。ファクタリングは現金化スピードが早く、審査に通りやすく、さらに負債が増えないということもあり、非常におすすめの方法といえるでしょう。

ただし、手数料の支払い等、デメリットとなる部分も考えられますので、こうしたデメリットを理解した上で利用することが重要です。

投資を行ったことで、同業他社との競争に打ち勝ち、業務を拡大できたという例は少なくありません。企業にとって投資資金の準備は非常に重要なポイントとなりますので、企業経営者の方はさまざまな資金調達法を選択し、最適な方法で資金を用意しましょう。そのためにもファクタリングという資金調達法の仕組みなどを理解しておくことが重要といえるでしょう。