ファクタリングFactoring

2024.09.21

ファクタリングに調達限度額はあるのかという点を徹底解説

ファクタリングは利用しやすい資金調達法として、近年利用企業が増えています。そこで気になるのが、ファクタリングで調達できる資金の調達限度額でしょう。ファクタリングはどの程度まで利用できるのか、利用できなくなった場合、どのような対象法があるのかなど、気になっている方も多いかと思います。

この記事では、ファクタリングの調達限度額に関してまとめていきます。

ファクタリングの調達限度額は?

ファクタリングに調達限度額という考え方はありません。ファクタリングは売掛債権を譲渡することで、売掛金を入金期日前に現金化するという資金調達法ですので、厳密に言えば売掛債権の額面金額の合計が限度額ということになります。

ただし、ファクタリング契約を何件以上交わしてはいけないですとか、一度に利用できる限度額などは存在しませんので、ファクタリングは売掛債権がある限り制限なしで利用できる資金調達法といえます。

1度のファクタリング契約における調達限度額

1度のファクタリング契約で、手にできる現金の限度額に関して解説していきましょう。

売掛債権の額面金額次第

ファクタリングは売掛債権の譲渡契約であり、手にできる現金は、売掛債権を売却した売却益ということになります。そのため、売掛債権の額面金額を超える金額は手にすることができませんので、一度の契約における調達限度額は、持ち込む売掛債権の額面金額次第ということになります。

ファクタリング契約を結ぶためには手数料の支払いが必要です。ファクタリングを提供するファクタリング会社も営利目的の企業であり、収益が必要です。その収益に当たる部分が手数料ですので、手数料なしでファクタリング契約が結べるということはありません。

そのため、一度のファクタリング契約で手にできる調達限度額は、売掛債権の額面金額から、手数料等の必要経費を差し引いた金額というのが正しい表現となります。

ファクタリング会社ごとに設定が異なる

ファクタリング会社は、会社ごとに自社が取り扱う売掛債権に関して、上限金額と下限金額を設定しています。比較的規模の大きな企業を顧客の中心に据えるファクタリング会社であれば、設定する金額は高くなります。一方、個人事業主やフリーランスなどにも対応しているファクタリング会社であれば、取引対象金額は全体的に低くなるでしょう。

一度のファクタリング契約で手にできる調達限度額は、こうしたファクタリング会社ごとの設定によっても決まりますので、申し込む前にそのファクタリング会社が、どのような金額設定をしているかも確認しておきましょう。

ファクタリングで調達できる金額の決まり方

ファクタリングで手にできる調達限度額は、持ち込んだ売掛債権の額面金額次第ですが、その額面金額から諸経費等を差し引いた金額となります。では、諸経費等にはどのようなものがあり、実際にどの程度の金額が調達できるのかというイメージを解説していきましょう。例として額面金額200万円の売掛債権を持ち込んだ場合で計算していきます。

掛け目を計算する

ファクタリングを利用する際に、まず知っておきたいのが掛け目という数値に関してです。掛け目とは持ち込まれた売掛債権の額面金額の何割をファクタリングの対象とするかを定めた数値となります。

かつてファクタリングと言えば、持ち込んだ売掛債権の額面金額全額が対象となるのが一般的でしたが、近年ではこの掛け目を採用するファクタリング会社が増えており、額面金額全額を対象とするファクタリング会社は減少傾向にあります。

掛け目に関しては、特に規制する法律がなく、ファクタリング会社ごとに独自の設定ができるという特徴があります。掛け目自体は各社の自由設定ですが、相場というものはあります。2社間ファクタリングで70~90%、3社間ファクタリングで80~95%といったところが相場となります。

ファクタリングにおける調達限度額を計算する場合、まずはこの掛け目で、ファクタリング対象となる金額を確定させる必要があります。仮に掛け目80%であれば、200万円の売掛債権のうち、160万円がファクタリングの対象ということになります。

手数料を差し引く

ファクタリングの対象金額が確定したら、次にその対象金額から手数料を差し引きます。手数料に関しても規制する法律等はないため、ファクタリング会社ごとの設定次第となります。

一般的な手数料相場としては、2社間ファクタリングで10~30%程度、3社間ファクタリングで1~9%と言われています。

ファクタリング対象金額が160万円で、手数料が10%の場合、対象金額から手数料を差し引いた、144万円という金額が算出されます。しかし、まだこの金額が調達限度額というわけではありません。

必要経費を差し引く

ファクタリングには契約において必要経費というものがあります。主な必要経費としては、債権譲渡登記費用が挙げられます。

債権譲渡登記とは、売掛債権がいつ誰から誰に譲渡されたかという記録を、法務局に登記する行為です。法務局に登記することで、公的に債権譲渡を証明することができ、債権の二重登記を防止する効果が期待できるため、多くのファクタリング契約では、債権譲渡登記を行うことが条件となっています。

債権譲渡登記は、基本的にファクタリング会社が契約する司法書士に業務を依頼するため、司法書士に支払う報酬や、登記に必要な実費の支払いが必要です。この支払いは申し込み企業が負担するのが一般的で、相場としては5~8万円程度と言われています。

必要経費は、債権譲渡登記費用以外にも、「諸経費」といった項目がかかるケースもあります。これはファクタリング会社次第であり、諸経費がかからないファクタリング会社も多数あります。

仮に諸経費0円、債権譲渡登記費5万円の場合、手数料を差し引いた144万円からさらにこうした費用が差し引かれますので、手にできる調達限度額は139万円という計算になります。

つまり、200万円の売掛債権を持ち込んで、早期現金化できる調達限度額が139万円ということです。ただし、掛け目の計算でファクタリング対象外となった40万円に関しては、売掛金入金日にそのまま手にできる金額ですので、早期に手にできる調達限度額が139万円、売掛金入金日までに手にできる合計金額が179万円ということになります。

ほかの資金調達法の調達限度額

ファクタリングには調達限度額というものはなく、売掛債権がある限り利用できます。では、他の資金調達法における調達限度額はどの程度のものかを確認していきましょう。特に外部から資金を調達する方法に関して紹介していきます。

資金融資

金融機関等による資金融資に関しては、申し込み企業の事業規模や将来性などを加味し、金融機関が設定しますので、明確な金額というものはありません。ただし、ファクタリングのように、売掛債権の額面金額といった基準ではなく、さらに大きな金額を調達できる可能性がある資金調達法と言えます。

申し込み企業の行っている事業の内容や、今後の成長に対する期待値次第で、調達限度額も大きくなりますので、事業拡大や不動産購入などといった、まとまった大きな資金が必要な際に有効な資金調達法ということができます。

商工ローン・ビジネスローン

銀行やノンバンクなどの金融機関が提供する商工ローンやビジネスローンは、資金融資と比較すると、やや審査基準が甘く、対応が早い資金調達法です。契約商品によっては担保や連帯保証人が必要になりますが、ある程度の金額を素早く準備したい場合に利用しやすい資金調達法といえるでしょう。

商工ローンやビジネスローンの調達限度額ですが、一般的には一度の契約で1,000万円が上限と言われています。それ以上の資金が必要な場合は、資金融資を申し込む必要があるということです。

一度の限度額が1,000万円と言っても、何度でも利用できるものではありません。商工ローンやビジネスローンも当然負債となりますので、一定以上の金額を借り入れることはできません。

手形割引

手元に約束手形がある場合、この手形を担保とした手形割引という資金調達法も利用可能です。手形割引は商工ローンやビジネスローン以上に審査に通りやすく、また現金化も早いという特徴があります。

調達限度額は、手形の額面金額次第です。手形を担保としていますので、それ以上の金額はもちろん借りることはできません。

ファクタリング・調達限度額のまとめ

ファクタリングに調達限度額という考え方はありません。売掛債権がある限り、制限なく利用できる資金調達法と言えます。ただし、過度な利用には注意が必要です。ファクタリングは言い方を替えれば、売掛金の前払いシステムですので、ファクタリング頼りの資金繰りとなってしまうと、将来的にどんどん資金繰りが厳しくなってしまう可能性があります。

ファクタリングの利用は計画的に、どうしても現金が必要なタイミングなどで上手に活用できるようにしましょう。

最近の投稿

カテゴリー

人気記事

まだデータがありません。

\お電話でのお問合わせはこちらから/

0120-843-075

平日 9:00~19:00

\フォームからのお問合わせはこちらから/

お問い合わせお問い合わせ

24時間いつでも受付ております。
お気軽にお問合わせください。