ファクタリングFactoring

2024.09.20

約束手形廃止でファクタリングに大きな注目が集まる理由を解説

「約束手形って廃止されるの?」
「約束手形が廃止されたら取引はどうなる?」

日本政府は2026年度末までに、現状の約束手形の廃止を決定しています。約束手形は廃止され、代わりに電子債権の利用を推進するのが大きな目的です。

では、約束手形が廃止された後、商取引はどのようになるのでしょうか。企業経営者の方が知っておくべきこれからの商取引の形や、増加するであろう売掛債権の活用法などを解説していきます。

約束手形は2026年度末までに廃止が決定している

日本国内における商取引では、長く約束手形が活用されてきました。約束手形とは、支払いを約束した証書であり、約束手形に記された期日に、記載されている金額を支払うということを誓約した証書です。

約束手形は、振り出す企業が取引をしている銀行等が発行し、期日には振り出し企業の口座から、約束手形を持つ企業の口座に現金が振り込まれます。

約束手形を使用した取引は、1990年代までは商取引の中心でしたが、その後縮小の傾向にあり、現在では商取引の中心というほどではありません。それでも、株式会社東京商工リサーチという企業が調査した結果、2023年現在での約束手形による商取引は14兆円近い金額となっています。

減少しているとはいえ、まだ多くの商取引で活用されている約束手形が2026年度末には廃止されるということになります。

約束手形廃止の事情

政府が約束手形の廃止と同時に、すべて電子化をすることを目指しているのが小切手です。これまでの日本経済では、約束手形や小切手といった紙による証書を利用した取引が存在していたことになります。

来るデジタル化の波に乗り、政府はこうした紙による取引を全面的に廃止し、すべて電子化することを目指しています。小切手は電子化され、約束手形は電子債権に替えるというのが政府の目標といえるでしょう。

この約束手形廃止に向けて、2013年には「でんさいネット」というシステムを誕生させました。これは全国の銀行等が参加するネットワークであり、でんさいネット内で電子債権や電子小切手を利用した取引ができるというものです。

しかし、問題はこのでんさいネットがあまり普及されていないということにあります。

約束手形廃止後の取引は?

約束手形を廃止し、すべて電子債権に置き換えることが政府の目標ですが、現実はそう簡単に進まないことが予想されます。電子債権を利用するためには、商取引を行う企業が、「でんさいネット」に登録する必要があります。これは、支払う側も受け取る側も双方が登録していないといけません。

このでんさいネットへの登録に関しては、煩雑な手続きがあり、また審査も行われるため、誰でも簡単に登録できるものではありません。実際にでんさいネットに登録している企業の数は、2023年時点で67万社程度です。日本国内の企業の数は、360万社以上あると言われており、この企業の数から考えると、普及が進んでいないのが現状と言えます。

でんさいネットの普及が進まないまま約束手形廃止が実行されれば、増加するのは電子債権ではない売掛債権ということになるでしょう。

売掛債権を上手に管理・活用するのが重要

約束手形が廃止され、電子債権ではない売掛債権が増加すると考えた場合、今後企業にとって重要になるのが売掛債権の管理と活用です。主にどのようなポイントに注意すべきかを考えてみましょう。

管理の徹底と上手な活用がポイント

まず重要になるのが売掛債権の管理です。多くの取引で売掛債権が発生することが予想され、これまで以上に徹底した管理が必要となるでしょう。同時に重要になるのが取引先の与信調査です。

売掛債権の増加とともに、売掛金の未払いといったトラブルも増加する可能性があります。こうしたトラブルを回避するためには、取引先の与信調査をしっかりと行い、未払い金が発生しないような対策が求められます。

また、これまで約束手形を上手に活用してきた企業は、今後売掛債権を上手に活用することが求められるでしょう。約束手形を活用した資金調達法としては、手形割引という方法があります。

手形割引は、約束手形を担保とした貸金契約で、現金化が早く審査に通りやすいという特徴があります。この手形割引が活用できなくなりますので、企業経営者は新たな資金調達法を用意しておく必要があります。

売掛債権を活用したファクタリングに注目

これからの企業経営者に知っておいていただきたい資金調達法がファクタリングという方法です。ファクタリングは売掛債権を活用する資金調達法であり、近年利用する企業が増えている方法でもあります。

約束手形廃止により、今後売掛債権が増加する以上、知っておくべき資金調達法でもあります。そんなファクタリングの特徴を簡単に解説していきましょう。

借り入れではない資金調達法

ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡することで、売掛金を入金期日前に現金化する資金調達法です。ポイントとなるのは、債権譲渡契約であり、貸金契約ではないという点でしょう。

上でも紹介した通り、約束手形を活用した手形割引は、約束手形を担保とした貸金契約ですが、ファクタリングはそもそも貸金契約ではありません。そのため赤字経営の状況でも、債務超過の状況でも利用可能であり、手形割引以上に利用しやすい資金調達法となります。

また、貸金契約ではありませんので、自社の信用状況に影響を与えずに現金を確保できるのも大きなメリットです。

最短即日現金化も可能

手形割引は現金化が早いというのが大きな特徴です。この特徴は、ファクタリングにもあてはまります。

ファクタリングは金融機関等により資金融資の融資審査と比較すると審査期間が短く、審査に通りやすいという特徴があります。そのため現金化も早く、一般的な契約で申し込みから2~3日以内、早ければ申し込み即日に現金化が可能な方法となります。

手形割引も現金化が早く、このスピード感が特徴でしたが、それと同じメリットを持っている資金調達法がファクタリングと言えます。

売掛金の未払いリスクにも対応

ファクタリングの大きな特徴として、売掛金の未払いリスクにも対応できるという点が挙げられます。

ファクタリングは債権譲渡契約ですので、ファクタリング契約を結ぶことで、売掛債権の所有権は申し込み企業からファクタリング会社に移行します。この時同時に売掛債権の未回収リスクもファクタリング会社に譲渡しますので、申し込み企業は未払いリスクを回避することができます。

ファクタリング契約とは、申し込み企業は手数料を支払う必要があるものの、売掛金を早期現金化でき、さらに未回収リスクが回避できる契約であり、ファクタリング会社は、未回収リスクを負うものの、手数料という収益を手にすることができる契約です。

約束手形が廃止されることで、より重要になる売掛債権の与信調査、与信管理という点でもファクタリングは有効な資金調達法ということができるでしょう。

約束手形廃止・ファクタリングのまとめ

2026年度末を目処に、約束手形は廃止されます。すでに減少傾向にある手約束手形を利用した商取引ですが、ある調査ではまだ14兆円近い金額が約束手形で取引をされているという結果が出ています。

2026年度末以降、政府としては電子債権の利用を拡大したいと考えているようですが、電子債権の利用はハードルが高く、そこまで普及していないのが現状です。

約束手形が廃止されることで増加するのは電子債権ではない売掛債権であり、今後の企業経営ではこの売掛債権の管理と活用が重要になります。

売掛債権の活用方法で知っておきたいのがファクタリングという資金調達法です。借り入れではない上に、現金化スピードが早く、さらに売掛金の未回収リスクも回避できる方法ですので、企業経営者の方はファクタリングを上手に活用できるよう、その仕組みなどをしっかり理解しておきましょう。

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