ファクタリングFactoring

2024.07.30

ファクタリング契約における掛け目とは?その役割や相場を解説

「掛け目って何?」
「掛け目で受け取れる金額が大きく変わるって本当?」

ファクタリングの申し込みをした場合、持ち込んだ売掛債権の額面金額全額がファクタリング対象となるわけではありません。掛け目という数字を考慮したうえで、ファクタリング対象金額が決定します。

この記事では、掛け目とは何なのか、どのように決まるのかという点を中心に解説していきます。

掛け目とは?

掛け目とは一般的には担保を必要とする融資契約で使用される単語です。担保として設定する財産の総額に掛け目を掛けた金額が融資金額となるのが一般的です。

例えば市場評価額5,000万円の不動産を担保に融資を受ける場合を考えてみましょう。担保融資における掛け目は80%程度であることが多く、5,000万円の不動産を担保とした場合、その80%に当たる4,000万円が融資額となるケースが多くなります。

この掛け目の考え方は、ファクタリング契約でも採用されています。ファクタリング契約は、債権譲渡契約であり、融資契約ではありません。しかし、掛け目に関しては、担保融資契約と同様の考え方で設定されるのが一般的です。

ファクタリング会社が掛け目を設定する理由

ファクタリング契約とは債権譲渡契約であり、ファクタリング会社は、申し込み企業が持ち込んだ売掛債権を買い取ります。その際には事前に審査を行い、持ち込まれた売掛債権の売掛金がきちんと入金期日までに入金されるかどうかを審査します。

しかし、いくら慎重に審査をしても、売掛金の未回収リスクがなくなることはありません。ファクタリング契約では売掛債権の所有権が譲渡されるのと同時に、売掛金の未回収リスクもファクタリング会社に譲渡されます。

売掛金未回収のリスクがなくならない以上、ファクタリング会社としては何かしらの保険が必要です。万が一売掛金が入金されなかった場合に、ある程度損失を抑えるために設定するのが掛け目ということになります。

ちなみに掛け目は売掛債権の額面金額に対して、〇%をファクタリング対象とするという形で表記されるのが一般的です。掛け目80%と表記してあれば、額面金額の80%がファクタリング対象の金額となります。

ファクタリングにおけるお金の流れ

ファクタリングにおけるお金の流れを確認し、掛け目とはどのような役割を担っているのかという点を解説していきましょう。ここでは2社間ファクタリングの場合のお金の流れで説明します。

まずはファクタリングを申し込む企業が売掛債権をファクタリング会社に持ち込み審査を受けます。この審査の結果、手数料や掛け目などの契約条件が決定し、条件に問題がなければ契約が交わされます。

ファクタリング契約が締結されると、ファクタリング会社から申し込み企業に、売掛金に掛け目をかけた金額から、さらに手数料等の諸経費を差し引いた金額が入金されます。

売掛金の入金期日までに売掛先から売掛金が入金されたら、申し込み企業はその売掛金をファクタリング会社に送金します。2社間ファクタリングの場合、売掛債権の所有権は譲渡されますが、売掛債権の契約内容は変更されません。つまり、売掛金は申し込み企業の口座に振り込まれるということになります。そのため、申し込み企業は売掛金が入金されたら、速やかにその売掛金をファクタリング会社に送金するわけです。

売掛金を受け取ったファクタリング会社は、掛け目による差額分を申し込み企業に返却してファクタリング契約が完了します。売掛金をファクタリング会社に送金し、その後掛け目の差額分を受け取るという手間を省くために、売掛金を送金する際、あらかじめ掛け目による差額分を差し引いてファクタリング会社に送金するというケースもあります。

契約方法による掛け目の相場

ファクタリングにはさまざまな契約方法があります。契約方法によって、売掛金の未回収リスクにも差があるため、掛け目の相場にも差が出ます。契約方法ごとのおおまかな掛け目の相場は以下の通りです。

・2社間ファクタリング…70~80%
・3社間ファクタリング…80~90%
・診療報酬ファクタリング…90%以上
・国際ファクタリング…100%

通常の売掛債権を譲渡する2社間ファクタリングと3社間ファクタリングでは、2社間ファクタリングの方が未回収リスクがやや高いため、掛け目も低めの設定になります。未回収リスクが低い3社間ファクタリングは掛け目の設定が高めです。

診療報酬ファクタリングとは、医療機関などが利用できるファクタリングで、健康保険組合から支払われる診療報酬を診療報酬債権としてファクタリングする方法です。診療報酬ファクタリングの場合、売掛先が健康保険組合となります。こうした公的機関は売掛金の未払いや入金遅れの可能性が極めて低いため、未回収リスクはほぼゼロと考えられます。その分掛け目の設定は非常に高くなる傾向にあります。また、診療報酬ファクタリングは、すべて3社間ファクタリングでの契約となる点も掛け目が高くなる理由の一つです。

国際ファクタリングとは、海外の企業とその企業がある国のファクタリング会社も含め、4社間で契約する変則的なファクタリング契約です。海外との取引の場合、相場の変動や商品引き渡しにおけるトラブルが発生する可能性が高く、掛け目という形ではなく、手数料という名目で高額の保証金を納めるのが一般的です。そのため掛け目の設定がないというケースが多くなります。

掛け目に影響する要素

ファクタリング会社が設定する掛け目は、ファクタリング会社ごとに独自に設定されるものです。では、ファクタリング会社が掛け目を設定する際に、影響する要素にはどのようなものがあるのかを解説していきましょう。特に大きな影響を与えるものを解説していきます。

売掛先の信用度

ファクタリング契約における掛け目とは、売掛金の未回収リスクに応じて設定される保証金のような役割を持ちます。そのため掛け目の設定に大きな影響を与えるのが、売掛先の信用度です。

売掛先の信用度が高いということは、売掛金の未回収リスクが低いということになります。上で診療報酬ファクタリングは未回収リスクが極めて低いと書きましたが、未回収リスクが低ければ掛け目は高く設定されます。

ファクタリング会社に売掛債権を持ち込む場合は、できるだけ信用度の高い取引先の売掛債権で申し込むようにしましょう。

申し込み企業の信用度

ファクタリングの審査においては、売掛金が入金されるかどうかが重視されます。そのため、審査対象の中心は、売掛先企業となりますが、もちろん申し込み企業の信用情報はまるで加味されないというわけではありません。申し込み企業の信用度が低ければ、掛け目も低く設定される傾向にあります。

申し込み企業の信用情報に関しては、現在の経営状況や、売掛先との過去の取引状況などが参考とされますが、ファクタリング会社で実績を積むことでもアップする傾向にあります。

ファクタリング契約は、申し込み企業とファクタリング会社の間の信頼度によって契約できるかどうか、またどのような条件で契約するかが決まります。同じファクタリング会社を利用して、きちんと契約を履行し続けていれば、申し込み企業の信用度はアップし、掛け目が高く設定されるようになる傾向があります。

ファクタリングにおいて掛け目は重要な要素

ファクタリング契約を結ぶ場合、つい手数料に目が行きがちです。しかし、掛け目は手数料と同様に、ファクタリング契約においては重要な要素となります。実際に数字でどのくらい掛け目が重要なのかを解説していきましょう。

額面金額500万円の売掛債権を、手数料10%、掛け目80%でファクタリング契約したとします。この場合の現金の金額や流れを解説していきましょう。

まず、ファクタリングの対象となるのが、額面金額に掛け目をかけた金額となります。500万円の80%ですから、400万円が対象金額です。ここから手数料を差し引いた金額が、契約締結後に受け取れる現金額ですので、その金額は400万円×90%で360万円ということになります。

その後売掛金の入金期日までに、売掛先から500万円の売掛金が入金されます。この500万円の中から、ファクタリングの対象金額だった400万円をファクタリング会社に送金して契約は完了です。

つまり、500万円の売掛債権を持ち込んだ申し込み企業は、事前に360万円を受け取り、売掛金入金日に100万円を受け取るということです。

500万円の売掛債権を持ち込んでも、早期現金化できる金額が360万円というのは、意外と多くはないというイメージではないでしょうか。掛け目次第で早期現金化できる金額は大きな影響を受けますので、この点を考えると、掛け目とは非常に重要な要素であると考えれます。

ファクタリング・掛け目とはのまとめ

ファクタリング契約では、手数料のほかに掛け目という数値に注目する必要があります。掛け目とは、保証金のような存在であり、持ち込んだ売掛債権の全額がファクタリング対象とはならないということを意味する数字でもあります。

ファクタリングを申し込む場合は、手数料以外にこの掛け目も考慮して、必要な金額を用意するためには、どの売掛債権で申し込むべきかを考えるのがおすすめです。

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