ファクタリングFactoring

2024.07.25

大手ファクタリング会社の判別方法から利用法人にとってもデメリットまで解説

「大手ファクタリング会社ってどの会社?」
「利用するなら大手の方がいいの?」

ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡することで、売掛金を入金期日前に現金化する資金調達法です。近年は利用する企業法人も増えており、それに合わせてファクタリング会社も増加傾向にあります。

ファクタリング会社を選ぶ場合は、つい大手のファクタリング会社を探したくなるところですが、では大手ファクタリング会社とはどのような会社なのか。この点を中心に解説していきましょう。

ファクタリング会社は3つに分類できる

ファクタリング会社に関しては、どこからが大手で、どこからが大手以外といった明確な基準はありません。大手かどうかを判断するためには、まずはどのような会社があるのかを知ることが重要です。

ファクタリング会社を3つに分類して解説していきます。

銀行系ファクタリング会社

都市銀行や地方銀行などがバックについているのが銀行系ファクタリング会社です。銀行系なので資金力があり、また知名度が高いというのが大きな特徴といえるでしょう。顧客は法人に限られるケースが多く、個人事業主等には対応していないのも特徴です。

銀行系ファクタリング会社は、一般的に大手ファクタリング会社とみなされます。

ノンバンク系ファクタリング会社

ノンバンクとは、預貯金業務を行わない金融機関を指します。ノンバンク系ファクタリング会社は、背後にリース会社やクレジットカード会社などをついているファクタリング会社を指します。銀行系同様に資金力に不安がないのが特徴といえるでしょう。また、銀行系とは違い、会社によっては法人に限らず、個人事業主も顧客としているケースが目立ちます。

ノンバンク系ファクタリング会社も大手ファクタリング会社に含めていいかと思います。

独立系ファクタリング会社

背後に特定の企業がつかず、独立してファクタリング業務を請け負っている会社を独立系ファクタリング会社と呼びます。ファクタリング会社の多くはこの独立系に含まれており、法人はもちろんさまざまな顧客に対応しているのが特徴です。

また、銀行系やノンバンク系と比較すると知名度がないという特徴もあり、その分顧客サービスに力を入れて集客をしている会社が目立ちます。

独立系には、大手と大手ではない会社が混在していますので、判断が難しいところです。

大手かどうかを判断するポイント

利用しようとしているファクタリング会社が大手かどうかを判断するのは、利用する法人が判断する必要があります。もちろん、銀行系やノンバンク系であれば、その時点で大手と判断していいかと思います。ここでは特に独立系のファクタリング会社を見極めるために、必要になるポイントを紹介しておきましょう。

売掛債権の上限金額

ファクタリング会社は、自社が対応する売掛債権の下限金額と上限金額を設定しています。この上限金額が大きいファクタリング会社は、大手ファクタリング会社と判断していいかもしれません。

上限金額が大きいということは、主な顧客が法人であり、大きな売掛債権が取り扱えるだけの資金力がある証拠と言えます。まずは、上限金額を1つの判断材料としましょう。

ファクタリング会社の資本金

ファクタリング会社の会社情報を確認し、資本金をチェックするのもひとつの判別方法です。法人にとって資本金とは、その会社を運営していくうえで必要となる資金を表しており、資本金が大きければ、資金面での不安はないということになります。

反対に言えば、資本金などの会社情報をHP等で公開していないファクタリング会社は、あまり信用できない会社と言えます。どれだけ情報を開示しているかという点も、大手かどうかを判断する材料といえるでしょう。

過去の取引実績

ファクタリング会社のHP等で、過去の取引実績を公開しているケースがありますので、こうした実績も確認しましょう。また、ネットでファクタリング会社を探す場合は、ネット上の口コミ情報なども重要な情報源です。そのファクタリング会社が大手かどうかに加え、どのような評価を受けているのかを確認することで、利用するかどうかの判断基準となるでしょう。

大手ファクタリング会社を利用するメリット

法人の代表者が、大手ファクタリング会社にこだわって利用するメリットに関して解説していきます。

安心して利用できる

ファクタリング会社を開業する場合、免許や資格の取得は必要ありません。また、都道府県等に許認可申請を提出する必要もありません。つまり、ファクタリング会社は、比較的開業しやすい会社ということができます。そのため、いわゆる悪徳業者と呼ばれる会社が存在しやすいという問題があります。

悪徳業者と関係を持ってしまった法人は、ファクタリングに見せかけた、高金利の貸金契約を結ぶことになったり、厳しい取り立てで、通常業務が行えないようになる、取引先法人にまで迷惑をかけてしまい、その後の取引に影響が出るなどの可能性があります。

こうした悪徳業者に引っかからないためにも、大手ファクタリング会社を選ぶのが重要になります。ファクタリングは資金調達法の1つです、利用する以上安心して利用できるという点は重要ですので、大手を利用するメリットは大きいといえるでしょう。

手数料が安い傾向にある

ファクタリングの手数料に関しては、法律での定めがありません。貸金契約の場合、金利に関しては利息制限法という法律があり、この法律の範囲内での設定が義務付けられています。ファクタリング契約の手数料に関しては、利息制限法のような法律がなく、ファクタリング会社が独自に設定できることになります。

大手ファクタリング会社は、当然取引件数も多く、1件あたりの儲け(手数料)は少なくても売上に支障はありません。そのため比較的手数料の設定が安い傾向にあります。また、多くの契約を結んでいることで、審査に関してもより詳細に行うことが可能であり、結果手数料設定が安くなる傾向にあります。

手数料は利用する法人にとっては売上に対する損失に当たりますので、安いに越したことはありません。大手ファクタリング会社を利用することで、この損失を抑えられるというメリットがあります。

大手ファクタリング会社を利用するデメリット

法人が大手ファクタリング会社にこだわってファクタリングを利用しようとした場合、いくつかデメリットも発生しますので、その点も解説していきましょう。

2社間ファクタリングに対応していないケースがある

大手ファクタリング会社、特に銀行系ファクタリング会社の場合、2社間ファクタリングに対応していないケースが目立ちます。

2社間ファクタリングとは、申し込み法人とファクタリング会社の間で結ばれる契約方法で、ファクタリングではもっともポピュラーな契約方法です。ただし、ファクタリング会社から見れば、売掛金の未回収リスクが高くなる契約方法でもあります。

そのため銀行系ファクタリング会社など、一部の大手ファクタリング会社では、3社間ファクタリングのみ対応としているケースがあります。3社間ファクタリングは、手数料が安いというメリットはあるものの、取引先法人にファクタリングの利用が知られてしまうデメリットや、現金化に時間がかかるというデメリットがあります。

急ぎ現金が欲しい、取引先法人にはファクタリングの利用を知られたくないというケースでは、大手ファクタリング会社にこだわるというのはデメリットが大きいといえるでしょう。

審査が厳しい傾向にある

大手ファクタリング会社は、法人相手の業務が中心であり、取り扱う売掛債権の金額も大きい金額になる傾向があります。そのため売掛金の未回収リスクも高くなり、より慎重な審査を行う傾向があります。

大手ファクタリング会社に申し込んで、審査に通らなかった売掛債権が、ほかのファクタリング会社ではあっさり審査を通過したというケースは少なくありません。利用したくても審査が厳しく、利用が難しいという点はデメリットといえます。

ファクタリング・大手・法人のまとめ

現金が必要な法人にとって、ファクタリングという資金調達法は非常に利用しやすい資金調達法です。そんなファクタリングサービスを提供するファクタリング会社の中には大手と言われるファクタリング会社があります。

大手ファクタリング会社は、安心して利用でき、手数料も安い傾向にあるという点でおすすめです。ただし、希望する契約方法が選べなかったり、審査が厳しく利用できないといったケースも少なくありません。

ファクタリング会社を選ぶ際は、大手かどうかを気にすることも重要ですが、まずは悪徳業者ではないことを確認し、自社の持つ売掛債権に対応してくれる会社かどうかを重視して選ぶようにしましょう。

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