「ファクタリングの手数料相場ってどのくらい?」
「オンラインファクタリングは手数料が安いって本当?」
近年はファクタリングを利用する企業も増加傾向にあり、ファクタリングの契約方法にもいろいろな方法が誕生しています。特に近年急増しているのがオンラインファクタリングです。オンライン上で申し込みから契約まで完結できる方法で、将来的にはファクタリング契約の中心となると言われています。
そんなオンラインファクタリングの手数料はどの程度のものか、またファクタリング手数料の決まり方や、手数料を抑えて契約するコツについて解説していきます。
ファクタリングの手数料相場
ファクタリングにはさまざまな契約方法があり、契約方法によって手数料相場が変わってきます。まずは、契約方法別の手数料相場を確認しておきましょう。
2社間ファクタリング(対面式)
2社間ファクタリングの手数料相場は10~30%と言われています。対面式の2社間ファクタリングはもっとも手数料相場が高いとされていますが、それでも最も利用する企業が多い契約方法です。
その理由は2社間ファクタリングのメリットにあります。2社間ファクタリングは、申し込み企業とファクタリング会社の2社で契約できますので、何より現金化が早いというメリットがあります。急ぎ現金が必要な方は、2社間ファクタリングを選ぶことが多いでしょう。
もうひとつのメリットが、取引先に知られることなく利用できるという点です。取引先にファクタリングの利用を知られた場合、「あの企業はファクタリングを利用するほど経営状態が良くない」という印象を持たれる可能性があり、結果後の契約に悪影響を及ぼす可能性が否定できません。こうしたリスクを回避するために、2社間ファクタリングを選ぶ企業も多いと予想されます。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングの手数料相場は1~9%と言われています。契約に取引先も含めた契約のため、売掛金の未回収リスクは少なくなり、その分手数料も低い設定になります。
もちろん取引先にファクタリングの利用を知られることになりますので、3社間ファクタリングを利用する場合は、取引先も考えて申し込む必要があります。ちなみに医療機関が利用できる診療報酬ファクタリングなどは、すべて3社間ファクタリングのため、手数料相場が非常に低くなります。診療報酬ファクタリングの取引先は、健康保険団体であり、ファクタリングを利用しても後の取引に影響がないというのが大きな理由です。
単純に手数料相場の安い契約をするのであれば、3社間ファクタリングがおすすめとなります。
オンラインファクタリング
オンラインファクタリングの手数料相場は5~15%程度と言われています。オンラインファクタリングの大部分が2社間ファクタリングであることを考えると、かなり手数料は低いお得な契約方法といえます。
オンラインファクタリングの手数料相場が安い理由は、必要経費を抑えることができるという点が大きいかと思います。対面式の申し込みの場合、何より窓口を設置する必要があります。ファクタリングの主な顧客は中小企業ですので、多くの企業が集まる都市部に、ある程度のサイズの事務所を構えなければいけません。
その点オンランファクタリングであれば、そこまで大きな事務所は不要ですし、何より都市部にある必要もありません。事務所経費・維持費という点でオンラインファクタリングは大きなメリットを持ちます。
また、オンラインファクタリングの場合、審査までAIに任せる方式が中心です。その分人件費を抑えることができますので、この点でも経費を抑えることが可能です。
こうして経費を抑えた分は、顧客サービスに転換されます。近年はオンラインファクタリングを採用するファクタリング会社も増えており、より好条件を提示しないと顧客が獲得できないという事情もあります。
将来的には2社間ファクタリングは、このオンラインファクタリングが中心となるでしょう。
ファクタリングの手数料の決め方
ここでファクタリングにおける手数料の決まり方に関して簡単に解説しておきましょう。ファクタリングの手数料は、申し込み前に決まっているものではありません。各ファクタリング会社ごとに、目安となる手数料は提示していますが、その手数料がすべてというわけではありません。
ファクタリングの申し込みを受け、その審査の中でどのような条件であれば契約できるかを判断し、そこで手数料が決まります。つまり、申し込む売掛債権によって、手数料相場も柔軟に変わるという特徴があります。
また、ファクタリングの手数料に関しては、上限・下限を定めた法律がありません。貸金契約の金利に関しては、利息制限法で上限金利が決まっていますが、ファクタリングにはこうした法律がなく、手数料はあくまでもファクタリング会社が独自で設定しているという特徴もあります。
ファクタリングの手数料に影響を与える要因
ファクタリングの手数料は、申し込む売掛債権で変わると書きましたが、具体的に手数料相場に影響を与える要素・要因に関して解説していきましょう。
取引先の信用度
まずは取引先の信用度が手数料相場に影響する重要な要素となります。ファクタリングの審査で重視されるのは、売掛金が入金されるかどうかという点です。つまり売掛金を支払う取引先の信用情報が重要ということになります。
取引先の信用情報は、企業規模や近年の経営状況などにより判断されますが、特別信用度が高いのは、国や自治体が運営する公的機関です。公的機関は売掛金を払わない、支払いが遅れるという可能性が限りなく0に近いため、こうした取引先の場合手数料相場はかなり低くなります。
支払いサイトの長さ
支払いサイトとは、売掛金が発生してから入金されるまでの期間のことを指します。多くの商取引では30~60日程度で設定されますが、この支払いサイトが短いほど手数料相場は下がります。売掛金の入金までに社会状況や、取引先企業の経営が悪化する可能性が低くなるためです。
同じような金額の売掛債権が複数ある場合は、より支払いサイトが短い売掛債権の方が手数料の面で有利になりますので覚えておきましょう。
取引実績
取引実績という要素には2つの意味があります。ひとつは持ち込んだ売掛債権の取引先との取引実績です。取引回数が多く、その取引において遅れずに売掛金が入金されている売掛債権の場合、申し込んだ売掛債権に関しても入金日に売掛金が入金される可能性が高いと判断されるため、より安い手数料で契約できるでしょう。
もう1つの意味は、申し込み企業とファクタリング会社の間の取引実績です。同じファクタリング会社で多くのファクタリング取引を行っており、その間契約通りに履行していれば、申し込み企業の信用は高まります。ファクタリング契約は信頼関係の上で成り立つ部分もありますので、こうした信頼関係を築いていければ、より安い手数料での契約も可能になります。
ファクタリングの手数料相場を抑える方法
ファクタリング契約で手数料を抑えたいのであれば、より手数料相場の安くなる売掛債権で申し込むのがひとつの対策です。さらにもうひとつ対策があるとすれば、複数のファクタリング会社から相見積もりを取るという方法があります。
1つの売掛債権を複数社に持ち込み、審査を受けて契約条件を提示してもらいます。その中でもっとも有利な条件で契約できるファクタリング会社と契約する方法です。
相見積もりを取ることで、手持ちの売掛債権の手数料相場も知ることができますので、ある程度時間があるという場合にはおすすめの方法となります。
ファクタリング・オンライン・手数料相場のまとめ
ファクタリングの手数料相場は、契約方法によって大きな差があり、1~30%とかなりの幅があります。利用する企業にとって、手数料とは売上に対する損失となりますので、手数料は安いに越したことはありません。自社が求める契約条件の中で、できるだけ手数料を抑えた契約をするようにしましょう。
手数料相場を抑えるためには、申し込む売掛債権の吟味や相見積もりを取るというのが具体的な方法となります。できる範囲で手数料を抑え、より有利な条件で契約できるように工夫するのがおすすめです。