ファクタリングFactoring

2024.06.17

建設特化のファクタリング会社の見極め方は?

「建設特化のファクタリング会社ってあるの?」
「建設業者なんだけど、ファクタリングを断られることが多くて困っている」

ファクタリングは、売掛債権を譲渡して、売掛金を入金期日前に現金化する資金調達法です。多くの業界で活用されている資金調達法ですが、一部建設業界では利用が難しいと言われている資金調達法でもあります。

そんな建設業者を対象に、建設特化のファクタリングサービスを提供している会社も存在します。

この記事では、建設業界がファクタリングを利用しにくい理由や、建設特化のファクタリング会社の見抜き方に関して解説していきます。

建設業界の受注の流れ

建設業界の一般的な受注の流れを確認しておきましょう。
受注を受ける業者は、まずは注文書を受け取り、その注文書に沿った施工を行います。自社の施工が完了したら引き渡しを行い、発注先に請求書を発行して売掛金を受け取ります。

建設業界の問題は、工期が長くなるケースがあるという点です。建設業の業者ごとの工期は、一般的に3~6ヶ月程度です。建設業の契約では、引き渡した時点で初めて請求ができることが多いため、工期中は入金がないということになります。

近年では新たな契約方法として、工事の進捗に合わせて請求を行うという契約も増えていますが、そこまで多いわけではありませんので、多くの建設業者は、長期間収入がない状態で企業経営をする必要があります。

建設業者の資金繰りが厳しくなるケース

建設業者の資金繰りが厳しくなるケースとしては、やはり長い工期が原因となるケースが多いでしょう。そもそも注文書を受け取り、工事に取り掛かる場合、部材の調達などが必要となります。もちろん企業を経営する以上、その間も人件費や運転資金は必要なため、このタイミングで資金繰りが厳しくなることが多くなります。

建設業者の契約には、こうした下請け企業の資金繰り悪化対策として、前受け金などを設けているケースがあります。工事のための部材の調達費用など、必要経費を先渡しするケースです。

こうした前受け金などが常時受け取れれば、そこまで資金繰りに不安もないかと思いますが、そうではない工事もあるため、建設業者の中には資金繰りが厳しくなる会社も少なくないということになります。

建設業界とファクタリングの相性は良い

建設業者とファクタリングという資金調達法は、比較的相性が良いと考えられます。ファクタリング契約において、ファクタリング会社が特に注目するのが、売掛金が現金化されるかどうかです。

建設業者にもよりますが、特に下請け業者にとっての売掛先は、デベロッパーやゼネコンであるケースが多くなります。デベロッパーやゼネコンというのは、比較的大きな企業が多く、ファクタリング会社としては安心して契約できる取引先です。

建設業者は資金繰りが厳しくなるケースが多い、ファクタリング会社としては売掛債権の信頼度が高いとなれば、相性が良いと考えていいでしょう。

建設特化のファクタリング会社を見極めるポイント

ファクタリング会社の中には、建設特化のファクタリング会社が存在します。そんな建設特化の会社を見極めるポイントを解説していきましょう。

建設業界のファクタリング実績が多い

まずは何より建設業界とのファクタリング契約実績を確認しましょう。建設特化のファクタリング会社は、建設特化であることを強くアピールし、建設業者の顧客獲得を目指しています。

チラシや広告、HPなどを確認し、建設特化であると記載しているファクタリング会社であれば、ある程度信頼できるといえます。

売掛債権の上限金額が大きい

建設特化のファクタリング会社は、取り扱う売掛債権の上限金額が高く設定されています。建設に置ける売掛債権の中には、数千万円単位のものはもちろん、場合によっては億を超える売掛債権もあるためです。

ファクタリング会社は、チラシや広告、HPなどで自社が取り扱う売掛債権の上限金額や下限金額を提示しています。この金額を確認し、上限金額が大きい会社を選ぶようにしましょう。

注文書ファクタリングに対応している

建設特化の大きな特徴として、注文書ファクタリングに対応しているかどうかというポイントがあります。一般的なファクタリングは、請求書で売掛債権を証明して契約しますが、請求書ではなく注文書で申し込めるかどうかがポイントです。

最初に書いた通り、建設業界の受注のポイントは、注文書を受け取ってから、売掛金が入金されるまでの期間が長く、その期間中に資金繰りが厳しくなるケースが多いという点です。

注文書を受け取ってから1ヶ月後に工事がスタートし、工期が6ヶ月間であった場合、注文書を受け取ってから工事が終了するまで7ヶ月、さらに売掛金の受け取りまで含めると8ヶ月かかるということになります。一般的なファクタリング契約のように、請求書で申し込むとなると、申し込むタイミングは工事終了後となってしまいます。

建設業者が厳しいのは、むしろ工事期間中ですから、注文書でファクタリングできるかどうかが重要です。

建設特化のファクタリング会社は、注文書ファクタリングにも対応していることがほとんどです。

支払いサイトの長い売掛債権に対応している

注文書ファクタリングに対応しているということは、それだけ支払いサイトの長い債権にも対応している必要があります。支払いサイトとは、売掛債権が発生してから売掛金が入金されるまでの期間を指します。一般的なファクタリング会社で取り扱う売掛債権の支払いサイトは、30~90日程度です。

建設特化で注文書ファクタリングを受けているファクタリング会社は、より長期間の支払いサイトにも対応する必要がありますので、120日間以上の長期間サイトの売掛債権を取り扱うファクタリング会社は、建設特化と考えられます。

建設特化のファクタリング会社を利用するメリット

建設業者の持つ売掛債権は、一般的なファクタリング会社でもファクタリングは可能です。これは下請代金支払遅延等防止法施行令という法律があり、下請け業者からの売掛債権に関しては、1ヶ月以内に支払うことが義務付けられているからです。

つまり、建設会社の持つ売掛債権は支払いサイトが30日間であるケースがほとんどですから、ファクタリングも利用できるということです。

ただし、この場合請求書でファクタリングを申し込む必要があり、つまり工事終了後であればファクタリングができるということになります。建設業者の資金繰りが厳しくなるのはむしろ工事期間中であり、工事終了後ではあまり意味がないというケースがほとんどです。

そこで建設特化のファクタリング会社がおすすめとなります。建設特化のファクタリング会社であれば、注文書ファクタリングにも対応しているため、工事に入る前や工事期間中にも申し込みが可能となります。

ファクタリング・建設特化のまとめ

建設業界では、発注を受けてから売掛金が入金されるまでの期間が長くなるケースが多く、その期間に資金繰りが厳しくなるケースが少なくありません。しかし、契約上請求書が発行できるのは工事終了後であり、工事期間中などは一般的なファクタリングが利用しにくいという特徴があります。

そんな建設業者にとってありがたい存在が建設特化のファクタリング会社です。取扱金額の上限が高い、注文書によるファクタリングに対応している、支払いサイトが長い売掛金にも対応するファクタリング会社を利用し、資金繰りが厳しくならないように対処しましょう。

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