ファクタリングFactoring

2024.05.21

リースとファクタリング設備投資に向いているのはどちらか?

「ファクタリングとリースってどちらがお得なの?」
「設備投資にファクタリングってどうやって利用するの?」

ファクタリングとリースに関しては、そもそも目的が全く違うため、直接比較することはできません。ただし、ファクタリングで現金を用意すれば、リースではなく設備機器を購入できると考えれば、比較対象になるでしょう。

設備投資にリースを利用するのと、設備投資資金をファクタリングで用意するのはどちらがお得か?

この記事ではリースとファクタリングのメリットとデメリットを紹介しつつ、それぞれを利用した方がいいシチュエーションなども考えていきたいと思います。

設備投資をリースにするメリットとデメリット

企業運営のためには設備投資が必要です。事務所の電話や複合機、各デスクのパソコンなどの設備投資は、リースしているという企業も多いでしょう。

まずは、こうした設備投資に関して、リース契約をするメリットとデメリットを解説していきましょう。

メリット・初期投資費用が抑えられる

リース契約の場合、自社で一気に購入するわけではありませんので、何より初期投資を抑えることができるのが大きなメリットといえます。特に創業当初などは、そこまで資金も潤沢ではないというケースも多いでしょう。こういった場合はリースで設備機器を揃えるのがおすすめとなります。

メリット・手数料が安い

リース契約では、設備機器の代金に加え、保険料や税金、手数料を毎月支払っていく形になります。こういった費用を負担する形になりますので、実際に支払う総額は、設備機器の商品代金の110~120%程度になるのが一般的です。

手数料支払い自体は必要ですが、その手数料を計算すると、年間で15~20%というのが一般的な数字。毎月で考えると1~2%程度と非常に安くなっているのもメリットといえるでしょう。

デメリット・中途解約ができない

リース契約を行うデメリットとしては、中途解約ができないケースがほとんどであるという点です。仮にリース期間が2年間あり、その間に最新モデルが発表され、そのモデルを購入して業務に活用したとしても、最初にリース契約した設備機器のリース料は払い続けなければいけません。

一度リース契約をしてしまうと、なかなか設備機器の入れ替えができないというのはデメリットといえます。

デメリット・所有権がない

リース契約はあくまでも設備機器を借りる契約ですので、設備機器の所有権は自社にはなく、リース会社にあります。

とはいえ使用しているのは自社ですので、リース期間中に何かしら不具合が出た場合、自社の負担で修理する必要があります。所有権はないものの、保守管理の義務だけは自社が持っているという状態となります。

設備投資のためにファクタリングを利用するメリットとデメリット

設備投資を行うためには初期費用が必要です。その初期費用を抑える方法がリース契約ですが、例えばファクタリングを利用して初期費用を準備できれば、ファクタリングで設備投資が行えると考えることができます。

設備投資の費用をファクタリングで賄った場合のメリットとデメリットも考えていきましょう。

メリット・長期間リース料を支払う必要がない

ファクタリングを利用して購入費用を準備しますので、何より購入した設備機器の所有権は自社のものとなります。当然毎月リース料を支払う必要はありませんし、余計な手数料を支払う必要もありません。

仮に設備機器の総額が200万円だった場合、リース契約の場合総額220~240万円を長期間にわたって支払い続けることになりますが、初期投資費用を準備すれば200万円支払うのみです。

メリット・いつでも買い替えが可能

設備機器の所有権を自社が持つということは、最新機器が出た時に、自社の判断のみで買い替えが可能ということでもあります。最初に購入した設備機器では、処理能力が足りなくなったと判断すれば、いつでも最新機器に切り替えできるというのは、業務上も大きなメリットと考えることができます。

デメリット・ファクタリング手数料が必要

ファクタリングで初期費用を用意した場合のデメリットは、ファクタリングにおける手数料の支払いが必要であるという点です。

ファクタリングは、手元にある売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、売掛金を入金期日前に現金化するという資金調達法です。現金化できるのは、売掛金から手数料や諸経費を差し引いた金額となります。

この諸経費と手数料というのが、自社にとってはマイナスの部分となります。売り上げから一定の金額が差し引かれるという点ではデメリットと考えられます。

設備投資にリースを利用すべきケース

設備投資をする場合、リースを利用しても、ファクタリングで資金を用意しても、それぞれメリットとデメリットがあります。

では、どのようにリースとファクタリングを使い分けるのがいいのか。まずはリースを使うべきケースについて考えていきます。

開業間もなく設備機器を揃えるケース

会社を起業し、これから事業を行っていく場合にも、まずは設備投資が必要です。どんな会社にしても電話や複合機、パソコンなどは最低限そろえる必要があるでしょう。こうした機器を開業に合わせて揃える場合はリースがおすすめです。

起業前、もしくは直後といった状況では、ファクタリングの利用は現実的ではありません。何しろ事業実績がありませんので、そもそも譲渡すべき売掛債権がないというケースがほとんどだからです。

また仮に売掛債権があったとしても、取引実績がありません。ファクタリング会社も取引実績のない売掛債権に関しては審査が厳しくなり、審査に通るということもあまりないかと思います。

設備投資費用をファクタリングで用意できるのは、ある程度の取引実績を持っているケースです。開業当初では利用は難しいため、リースを活用するのが得策と言えます。

ファクタリングで資金調達して購入するのがおすすめのケース

今度はファクタリングを利用した方がおすすめとなるケースを紹介していきます。リースよりもファクタリングで初期投資費用を準備する方が得になるケースを考えてみましょう。

リース手数料よりファクタリング手数料の方が安い場合

リース契約のデメリットは、支払総額が大きくなること、ファクタリングのデメリットは手数料を支払うことです。では、そのデメリットがファクタリングの方が少ないという場合は、ファクタリングを利用するのがおすすめということになります。

例えば200万円の設備機器を導入するケースを考えてみましょう。リース契約の場合、支払総額は220~240万円程度になります。

仮に設備投資費用として100万円は用意できるものの、残り100万円を用意するのは厳しく、ファクタリングを利用すれば100万円を用意できるだけの売掛債権を持っているとします。

ファクタリングの手数料が10%、諸経費が5万円であった場合、ファクタリングで100万円の現金を手にするためには、117万円分の売掛債権があれば可能という計算になります。

117万円の10%が手数料で差し引かれ105万3000円となり、ここから諸経費の5万円を差し引くと100万3000円が現金化されます。この場合手数料と諸経費で支払うのは16万7000円ですから、リースの手数料よりも安いということになります。

ファクタリング・リースのまとめ

事業に必要な設備投資をする場合、リースを利用する方法のほかに、ファクタリングで初期投資費用を準備するという方法もあります。単純にどちらが有利という物ではありませんが、状況によっては、ファクタリングの方が有利になるケースもあります。

例えば上記のように、200万円の設備投資のための資金が100万円しかない場合、資金が足りないからリースと判断するのは早計であるケースもあります。

事業資金の確保はさまざまな方法を考えるのが重要です。ファクタリングもそのひとつの方法として知っておくようにしましょう。

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