「ゼネコンなんだけどファクタリングって利用できる？」
「ゼネコンって言ったら銀行もなかなか貸してくれなくて…」

建築業界の中で、元請け業者と呼ばれているのがゼネコンと呼ばれる業者です。そもそもの顧客から建築業務全般を請け負い、建築工程に合わせて下請け業者に仕事を依頼するのがゼネコンです。

ゼネコンといっても大手企業だけではなく、中小規模のゼネコンも多数存在します。こうしたゼネコンが頭を悩ませるのが資金確保に関してでしょう。

ゼネコンをはじめ建築業界の資金確保が難しい理由から、建築業界にこそファクタリングがおすすめになる理由、またファクタリング会社の選び方などを解説していきましょう。

建築業界は資金確保が難しい

建築業界といってもさまざまな業種があります。その中でももっとも上位とされるのがゼネコンの存在です。ゼネコンとは「総合請負業者」のことであり、本来の顧客から、建築の業務全般を請け負う業者のことを指します。

ゼネコンが顧客から建築事業を請け負い、そのゼネコンが下請け業者に各工程の業務を発注します。足場業者や左官業者、配線業者や配管業者などが主な下請け業者です。こうした下請け業者の顧客はゼネコンであるといえるでしょう。

では、ゼネコンも含めた建築業界は、資金確保が難しいと言われている理由を簡単に説明していきましょう。

建築工事は「請負契約」がほとんど

重要なポイントとなるのが、顧客とゼネコンの契約の問題です。建築作業の契約は、民法上の「請負契約」となります。請負契約のポイントは、その代金の支払いタイミングです。請負契約では、請け負った工事が完了し、建築したものが顧客の手に渡った時点が料金の支払いタイミングとなります。

つまり、ゼネコンも原則としては工事が完了し受け渡しが完了しないと、費用の入金が受けられないということになります。

案件ごとの工期が長い

建築業界の資金確保が難しい理由として、案件ごとの工期が長いことが挙げられます。一般的なマイホームでも、作業開始から完成までは数ヶ月単位ですし、これがマンションなどの集合住宅となればその工期はさらに長くなります。大型商業施設の建築ともなれば、何年単位という工期になります。

建築契約が請負契約である以上、元請けのゼネコンも、この工期の間は収入がないということになります、収入はなくとも人件費をはじめ毎月の固定費の支払いは必要ですので、収入がない中でこうした固定費を支払っていく必要があります。

そんなゼネコンが、下請け業者と契約するのであれば、当然完工後の支払いとなる契約が中心となります。建築が完工し、顧客に受け渡してその対価を受け取ってから下請けに支払う形です。

そうなると下請と孫請けの契約も同様の契約となります。このような理由で、そもそも建築業界というのは、支払いサイトの長い契約が多く、その間の固定費の支払いが大きな問題となっているという特徴があります。

事前に必要な資金が高額

もうひとつ建築業界の資金確保が難しくなる理由には、案件ごとに事前に支払うべき資金が高額になるという問題があります。

建物を建築するわけですから当然資材は必要ですし、現場で利用する重機のリースも必要になります。建築となると1つの案件の単価が高く、当然事前に必要になる資金も高額になります。

こうした資金も確保する必要があるため、建築業界は資金確保が難しい業界といわれているわけです。

ゼネコンを含め建築業界にファクタリングはおすすめ

建築業界はゼネコンから下請け業者まで、どの業種も資金確保が難しい業界といえます。そんな建築業界にこそおすすめなのがファクタリングという資金調達法です。

そもそも建築業界においては手形取引が重宝されてきたという歴史があります。手形取引が多かった理由は、手形であれば裏書譲渡をすることで、現金化ができたからです。かつての建築業界では、この手形譲渡という方法で、資金確保を行う業者が多数存在しました。

そんな手形譲渡に近いのがファクタリングという資金調達法です。さらに言えば、手形譲渡よりもリスクが少ないのがファクタリングですので、必然的にゼネコンを含め建築業界にファクタリングがおすすめとなります。

支払いサイトを一気に短縮可能

ファクタリングは売掛債権を譲渡し、売掛金を入金期日前に現金化するという資金調達法です。言い方を変えれば、支払いサイトを一気に0にする資金調達法ともいえます。

ゼネコンが持っている5,000万円の売掛債権の入金予定が半年後だとします。この売掛債権をファクタリング業者に譲渡することで、その5,000万円から手数料を差し引いた金額がすぐに手に入るのがファクタリングという資金調達法です。

支払いサイトが長い建築業界にこそ最適な資金調達法といえるでしょう。

借り入れ契約ではないので安心

ファクタリングは、売掛債権を譲渡した代金として、売掛金を早期に現金化する契約方法であり、借り入れ契約ではありません。そのため当然返済の義務はありませんし、自社の信用情報にも影響がありません。

売掛債権が現金になると考えると、バランスシートのオフバランス化もできますので、自社の資金状況が分かりやすくなり、他社からの評価も高くなる資金調達法といえます。

未回収リスクもなくなる

ファクタリングではファクタリング業者と債権譲渡契約を結びます。売掛債権の所有権を譲渡しますので、同時に売掛債権の未回収リスクもファクタリング会社に譲渡する形になります。

売掛金の未回収リスクも同時に譲渡する契約を「ノンリコース契約」と呼びますが、ファクタリング契約はノンリコース契約が原則ですので、この点でも安心して利用可能です。

建築業者がファクタリング会社を選ぶポイント

ゼネコンをはじめとする建築業者の方がファクタリング会社を選ぶ場合、意識しておきたいポイントがあります。そのポイントを解説しておきましょう。

業界特化型のファクタリング会社がおすすめ

建築業者、特にゼネコンの方がファクタリングを利用するのであれば、建築業界に特化したファクタリング会社を選ぶのがおすすめです。

多くのファクタリング会社は、一般的な商取引を中心にファクタリング契約を考えています。一般的な商取引において、支払いサイトは30～60日間程度が多く、長くても90日間程度です。

つまりそれ以上の支払いサイトは想定していないため、対応できないとするファクタリング業者が多いということになります。ゼネコンが結ぶ請負契約では、支払いサイトが半年以上という長期間のものも多く、ファクタリング業者によっては取引対象外とされてしまうケースがあります。

また、ゼネコンの持つ売掛債権は高額の債権が多くなります。マイホームの建築でも数千万単位、集合住宅や商業施設の場合、1億円を超えるような売掛債権も珍しくありません。

こうした高額債権を取り扱うファクタリング業者は限られています。ファクタリング会社は、自社が取引する売掛債権の下限金額と上限金額を設定しています。その限度を超える債権は取り扱いません。

そこでおすすめしたいのが、建築業界やゼネコンに特化したファクタリング会社です。こうした特化型のファクタリング会社であれば、建築業界の事情にも精通しており、支払いサイトが長い、額面金額が高額な売掛債権でもファクタリングが利用できるでしょう。

ファクタリング・ゼネコンのまとめ

ゼネコンを含む建築業界というのは、資金調達が難しい業界です。銀行からの資金融資も受けにくく、資金確保に頭を悩ませている会社も少なくありません。特に元請け企業であるゼネコン業者は、資金確保に常に頭を悩ませているケースが多いでしょう。

そんなゼネコンをはじめとする建築業者全般におすすめなのがファクタリングです。特に建築業者に特化したファクタリング業者の利用がおすすめとなります。