ファクタリングFactoring

2024.04.16

下請法が適用される売掛債権がファクタリングで有利になる理由

「下請事業者なんだけどファクタリングって利用できる?」
「親事業者に知られると取引切られそうでファクタリングするのが怖い」

親事業者に対し定期的に納品をすることで事業が成り立っている下請事業者にとって、事業資金の確保や資金繰りの改善というのは大きな問題です。この大きな問題を解決するため、ファクタリングを利用したくても、後のことを考えると利用しづらいという意見もあるでしょう。

そんな下請事業者を守る法律が下請法であり、下請法に該当する売掛債権は、非常にファクタリングに向いているという事実があります。

なぜ有利なのか?ファクタリングと下請法について解説していきます。

下請け法とは?

下請法とは、正式名称を「下請代金支払遅延等防止法」といい、下請けに発注をする親事業者が、下請事業者に対して優越的地位にあることを利用して圧力をかけることを禁じる法律です。

日本の商取引においては、親事業者と下請事業者が存在し、親事業者の製品開発、製品生産のための部品などを下請事業者が生産し納品することが多々あります。自動車産業や家電業界はもちろん、建築業を含め、多くの業界で用いられる手法です。

こうした関係性では、どうしても親事業者の方が優位的な地位を保持するもの。下請事業者から納品している製品の値上げを求めるなどの行為は、後の取引を考えるとなかなか難しいものです。

そのため日本国内では、大きな企業の収益は伸び、そこで働く方の収入がアップしても、なかなか下請事業者の業績は上がらず、従業員の収入もアップしにくいという状況になっています。

そんな立場の弱い下請事業者を守るために制定されたのがこの下請法となります。

下請事業者の利益を保護する法律

下請法とは、下請事業者の利益を保護し、親事業者が優越的な地位を利用して不当な契約を結ぶことを禁止する法律となります。下請法で主に守られるのは、「下請代金支払遅延等防止法」という正式名称からも分かる通り、親事業者に対する売掛金の不払いや支払い遅延、また不当な値下げを禁止することです。

この法律が存在することで、下請事業者の利益は守られ、また親事業者に対する売掛債権に関しては、ファクタリングを利用しやすい状況になっています。

下請法で親事業者が負う義務

まずは下請法において、親事業者が負う義務の部分を解説しておきましょう。生じる義務は主に4つあります。

・書面の交付義務
・支払期日を定める義務
・書類の作成・保存義務
・遅延利息の支払い義務

下請法とファクタリングの関係性を考えるにあたって、特に注目すべきは2つめの「支払期日を定める義務」です。下請法で定める支払いサイトは60日間以内とされており、下請事業者が納品を行ってから、60日以内に売掛金を支払う義務があります。

当然こうした契約内容は、書面として作成し、さらにその書類をしっかりと保管する義務が生じますので、原則60日以上遅れることは許されないということになります。

また、この60日間のスタート地点が、「納品日」であることも重要です。

下請事業者が納品したといっても、親事業者が収品を認めなければ債権が発生しないとなると、結局支払いサイトはどんどん伸びていきます。さらに納品後60日以上経過した後に、親事業者が修正指示を出すなどということがあれば、下請事業者としては大打撃です。

こうした不利益が生じないよう、支払いサイトのスタートは納品日となっており、納品から60日経過していれば修正の義務も返品の受け付けもする必要はなくなります。もちろん納品をしているので、その分の対価を受け取る権利もあります。納品から60日以上経過しても売掛金が入金されない場合は、公正取引委員会に下請法違反の旨を届け出ることが可能です。

下請法で親事業者に対して禁止されること

下請法では、親事業者に対して禁じている項目が多数あります。禁止事項は以下の通りです。

・受領拒否の禁止
・下請代金の支払遅延の禁止
・下請代金の減額の禁止
・返品の禁止
・買いたたきの禁止
・購入・利用強制の禁止
・報復措置の禁止
・有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止
・割引困難な手形の交付の禁止
・不当な経済上の利益の提供要請の禁止
・不当な給付内容の変更及びやり直しの禁止

ファクタリングを利用する際、特に重要になるのが、「下請代金の支払遅延の禁止」、「下請代金の減額の禁止」、「返品の禁止」の項目でしょう。下請法に守られた商取引においては、売掛金の支払いの遅延、売掛金の減額が禁止されているため、下請法該当債権は入金期日に全額入金される可能性が極めて高いということになります。

また、「返品の禁止」が定められているため、ファクタリング契約後、その債権がいきなり消滅するという危険性もほぼありません。これはファクタリング契約において非常に有利な条件です。

下請法が適用される条件

下請法は下請事業者にとっては非常にありがたい法律ですが、適用を受けるには一定の条件が存在します。その条件が以下の通りです。

〇親事業者
・資本金 1,000万円超~5,000万円以下
〇下請事業者
・資本金 5,000万円以下

ポイントは親事業者の最低資本金。最低資本金が1,000万円超となっており、資本金1,000万円の事業者は含まれていません。日本国内の企業で資本金1,000万円以下の事業者が多いのは、この下請法が影響している部分も否定できないでしょう。

上記の条件を満たす関係性の時のみ下請法は適用されますので、この点は間違えないようにしましょう。

下請法該当債権はファクタリングで有利になる

では、この下請法で守られた債権はファクタリング契約にどのような影響を与えるのか?改めてまとめていきたいと思います。

支払期日と支払義務が法で定められている

まずはなんといっても支払期日と支払い義務が法律によって守られているという点が非常に大きなポイントとなります。

ファクタリングとは、売掛債権を譲渡し、売掛金を入金期日前に現金化するという資金調達法です。ファクタリング契約の前には、ファクタリング会社による審査が行われますが、その審査で重視されるのが、「売掛金が入金されるかどうか」という点です。

そう考えると、下請法該当債権というのは、その支払いが法で守られていますので、ファクタリング会社も安心して契約ができるということ。安心して契約できるということは、それだけ契約条件も好条件になる可能性が高くなります。

より安い手数料で契約できれば、それだけ下請事業者も経営改善が楽になりますので、ファクタリングでは非常に有利になるといえます。

適正な理由のない減額や返品が認められない

下請法では、納品した製品の返品や、納品後の減額請求は禁じられています。仮にファクタリング契約をした売掛債権が、契約後何らかの理由で減額されてしまうと、ファクタリング会社としても大きな損失となりかねません。

しかし、その減額が禁止されていることで、より安心してファクタリング契約ができるということになります。

ただし、返品や減額が禁止されているのは、「適正な理由がない場合」のみです。例えば納品した製品に明らかな不具合がある、明らかにクオリティが低い、発注したのと別の製品だったなど、第三者が見ても納品した下請事業者に問題がある場合は、返品や減額も認められていますので、下請事業者の方も仕事はしっかりとする義務があります。

報復措置の禁止により取引がある程度保証される

もうひとつファクタリングの契約自体で有利になるわけではありませんが、安心してファクタリングが利用できるという点では、報復措置の禁止という項目も大きなポイントでしょう。

親事業者は適正な理由もなく、取引の停止や削減といった報復措置を取ることを禁止されています。

例えば下請事業者が、親事業者への売掛債権をファクタリングに出したとします。それを知った親事業者が、「あの下請事業者は経営状態が良くないのかもしれない」という理由で、取引の減少や取引停止という措置を講じるのが禁止されているということになります。

ファクタリングを利用したくても、なかなか利用できないという事業者の中には、こうした後の取引への影響を考えているという方も少なくないと思いますが、少なくとも下請法が適用される取引においてはその心配はありません。

ファクタリング・下請法のまとめ

下請法が適用される売掛債権でファクタリングを利用するのは非常におすすめです。ファクタリング会社も未回収リスクをあまり考えずに契約できますので、利用者にとって好条件での契約を提示してくれるケースが多いでしょう。

下請法が適用される取引を行っている事業者の方は、ぜひファクタリングの活用を検討してみましょう。ファクタリングで運転資金を確保する、資金繰りを改善する、有利子負債を返済するなど、さまざまな活用法がありますので、有効に活用するのがおすすめです。

最近の投稿

カテゴリー

人気記事

まだデータがありません。

\お電話でのお問合わせはこちらから/

0120-843-075

平日 9:00~19:00

\フォームからのお問合わせはこちらから/

お問い合わせお問い合わせ

24時間いつでも受付ております。
お気軽にお問合わせください。