「ファクタリングの上手な利用法ってある?」
「失敗しないように気を付けるべき点は?」
ファクタリングは手軽に利用できる資金調達法として、近年利用する企業も増えています。しかし、ファクタリングを利用する事例が増えると、ファクタリングに関する失敗談も多くなります。
ファクタリングを上手に活用するためには、なにより失敗しない活用法が重要です。そこでこの記事では、ファクタリングの失敗談で語られることが多いポイントと、そのポイントを回避するための失敗しない対策に関して紹介していきましょう。
失敗パターン① 審査に通らない
ファクタリングを利用する場合、まずは売掛債権をファクタリング会社に持ち込み、審査を受ける必要があります。この審査は、金融機関による融資審査と比較すれば、通りやすい審査と言われていますが、それでも必ず通るというわけではありません。
では、この審査の段階で失敗しないためには、どのような対策を講じるべきか?その点を解説していきます。
失敗しないための対策 審査に通りやすい債権を用意する
ファクタリング審査で失敗しないためには、まずはファクタリング審査の特徴を知っておく必要があります。
ファクタリングの審査で重要視されるのは、持ち込まれた売掛金が、きちんと期日に現金化されるかということ。つまり、申し込んだ会社の信用情報以上に、売掛金を支払う取引先の信用情報が重視されるということになります。
審査で失敗しないためには、まずは信頼できる取引先の売掛債権を持ち込むことが重要になります。
もうひとつポイントを挙げるなら、売掛債権の支払いサイトにも注目すべきでしょう。支払いサイトの短い売掛債権ほど、審査には通りやすくなりますので、同じような金額の売掛債権が複数ある場合は、できるだけ支払いサイトの短い売掛債権で申し込むというのも、審査で失敗しないためのポイントとなります。
失敗パターン② 手数料が高かった
ファクタリングの審査を受け、契約条件が提示されたものの、その手数料が想像以上に高いというケースもあるでしょう。手数料というのはファクタリングを利用する企業にとっては純粋な損失ということになります。
そもそもファクタリングを利用するのは、資金繰りが厳しいからというのが一般的。その状況で損失が大きくなれば、資金繰り改善に役立たない場合もあります。
では、手数料において失敗しないために、どのような対策が考えられるでしょう。
失敗しないための対策 他社と比較検討する
ファクタリングの手数料は、ファクタリング会社によって決定します。この手数料に関しては、相場こそあるものの、明確に上限下限などを定めた法律は存在しません。つまり、ファクタリング会社ごとに、独自の基準で決定しているということになります。
同じ売掛債権で、複数のファクタリング会社の審査を受けても、同じ手数料が提示されるということはまずありません。
手数料で失敗しないためには、複数のファクタリング会社に申し込みを行い、それぞれの手数料を比較検討することです。
複数社の手数料を比較する場合、注意すべきポイントは2つ。ひとつは手数料以外の条件もよく確認すること、もうひとつは間違えて1つの債権で、複数社と契約しないことです。
特に複数社と契約してしまうのは、債権の二重譲渡となり違法行為となります。比較検討する場合は、契約条件を確認するまでにとどめて、最終的に契約すると決めたファクタリング会社のみと契約するようにしましょう。
失敗パターン③ 取引先との取引に影響が出た
ファクタリングは合法な資金調達法です。実際に金融庁のHPでも、その活用が推奨されているほどですから、法律的には全く問題がありません。
そんな合法なファクタリングですが、利用していることを他社に知られると、どうしてもマイナスのイメージを持たれかねません。その他社が取引先ならなおさらです。
取引先としては、どうしても「ファクタリングを利用するほど経営状態が良くない会社」というイメージを持ってしまうもの。その影響で、その後の取引量が減る、もしくは取引がなくなるといった失敗例も存在します。
では、こういった点で失敗しないための対策を紹介しましょう。
失敗しないための対策 2社間ファクタリングを活用する
取引先にできるだけ知られないようにファクタリングを活用するには、2社間ファクタリングで契約する必要があります。2社間ファクタリングであれば、取引先への債権の譲渡通知も不要ですので、まず知られることはありません。
さらに失敗しないための対策を十分にするのであれば、契約に債権譲渡登記が含まれていないファクタリング会社を探しましょう。
債権譲渡登記を行うと、原則第三者でも債権が譲渡された事実を確認できるようになります。実際に取引先が登記情報を見る可能性は限りなく低いと思われますが、より確実に失敗しないための対策を施すのであれば、債権譲渡登記不要の契約がおすすめです。
ただし、債権譲渡登記が不要な契約は、手数料が高い設定になるケースもありますので、この点は注意しましょう。
失敗パターン④ ファクタリングから抜け出せない
ファクタリングは、売掛金を入金期日前に現金化して受け取るという資金調達法です。つまり、本来売掛金が入金されるタイミングで、手に入るはずだった現金がなくなるということにもなります。
そのタイミングまでに資金繰りを改善できれば問題ありませんが、資金状況が変わらなければ、再びファクタリングを利用するということにもなりかねません。
上記の通りファクタリングでは手数料が必須であり、この手数料は純粋な損失です。継続的にファクタリングを利用し続けると、この損失も大きくなっていき、最終的には倒産ということにもなりかねません。
ファクタリングに依存するのはあまりおすすめできません。失敗しないための方法を考えておきましょう。
失敗しないための対策 ほかの資金調達法と併用する
継続的にファクタリングを利用しないと資金が回らないという状況は、そもそも資金繰りがうまくいっていないという状況です。この状況を改善するためには、根本の原因を特定し、その対策をしなければいけません。
そのためにより資金が必要であるという場合は、ファクタリングにこだわらず、いろいろな資金調達法を併用し、経営状況を改善していくのが失敗しないコツです。
金融機関から融資を受ける、不動産等の資産を売却する、事業規模を縮小するなど、いろいろな方法を組み合わせ、企業経営自体を失敗しないように対策をしていきましょう。
失敗パターン⑤ 怪しい業者に引っかかってしまった
ファクタリング会社は近年増加傾向にあります。その中でいわゆるあくどい商売をする悪徳業者というのも存在しているのが現状です。
ファクタリング会社の設立には、特別な資格や免許の取得が不要であり、また自治体に対する許認可申請なども不要です。比較的設立がしやすく、この点に目を付けた悪徳業者が、ファクタリング会社を名乗ってあくどい商売をしています。
こうした悪徳業者にひっかからない、ファクタリング会社選びに失敗しないというのも重要なポイント。この点を紹介しておきましょう。
失敗しないための対策 悪徳業者の特徴を知っておく
悪徳業者にはいろいろな特徴があります。根本的なポイントとしては、ファクタリング会社の所在地や電話番号が不明であったりというケースがあります。このような場合高確率で悪徳業者ですので、近づかないようにしましょう。
また、悪徳業者は何より顧客を集めるのに必死です。特に資金繰りに困り、なんとか好条件で契約したいという顧客を狙っています。そのため、HPやチラシには魅力的な文言を掲げる傾向にあります。「審査なし」、「審査通過率100%」、「手数料不要」など、ファクタリングの条件としてはあり得ないような文言を掲げている場合もあります。
このほかにも悪徳業者を見抜くポイントはありますので、こうしたポイントをチェックし、失敗しないようにしましょう。
まとめ
ファクタリングは手軽に利用でき、しかも効果的な資金調達法です。しかし、その特徴をしっかり把握していないと、資金繰り改善に生かせないというケースも起こりえます。
ファクタリングの活用で失敗しないためには、まずはファクタリングの特徴を把握し、失敗しない対策を考えながら上手に利用できるようにしておきましょう。