ファクタリングFactoring

2024.03.13

ファクタリング契約に含まれる諸費用って何?

「ファクタリング契約の諸費用って何?」
「諸費用を抑える方法ってあるの?」

ファクタリングに申し込んでみて、実際に現金化できる金額が想像以上に低い。そんな経験をした方も多いかと思います。

これはファクタリングというものが怪しい契約だからとか、違法な契約だからというわけではなく、ファクタリングに関する情報不足が原因でしょう。

この記事では実際にファクタリングを利用した場合、どの程度の金額が現金化できるのか?そのような費用が差し引かれるのか?諸費用とは何なのか?などに関して詳しく解説していきます。

ファクタリングで額面金額から差し引かれる金額

ファクタリングとは、売掛金を入金期日前に現金化するという資金調達法です。とはいえ、その売掛金の全額が現金化できるというわけではありません。

そこで、売掛債権の額面金額からどのような諸費用が差し引かれ、現実に手にできる現金がどの程度になるかを計算してみましょう。その際チェックする必要があるのが以下の3項目です。

・掛け目
・手数料
・諸経費

この3項目の詳細に関しては、後に解説しますが、原則としてこの3つの金額が差し引かれた金額が現金化されます。

手にできる現金の金額は、以下の計算式で算出できます。

{額面金額(万円)×掛け目(%)×(100-手数料%)}-諸経費=手にできる現金金額

例として以下の条件でファクタリング契約をしたとします。その場合に早期に手にできる現金金額を計算してみましょう。

・売掛債権の額面金額 100万円
・手数料 10%
・掛け目 90%
・諸経費 10万円

{1,000,000×0.9×0.9}-100,000=710,000

つまり、100万円の売掛債権を持ち込んで、早期現金化できるのは71万円という計算になります。

では、差し引かれる項目に関して解説していきましょう。

掛け目

掛け目とは、持ち込まれた売掛金のどの程度の割合をファクタリングの対象とするかを決める数値です。ファクタリング契約で、売掛金の額面金額全額がファクタリング対象となるケースは多くなく、基本的にはこの掛け目を掛けた金額が対象となります。

掛け目の相場に関しては、持ち込む売掛債権の額面金額や、ファクタリング会社によってさまざまですので一概に提示するのは難しいところですが、あえて提示するのであれば70~95%程度といったところでしょう。

原則としては額面金額が小さいほど掛け目は高くなる傾向にあります。

手数料

続いて手数料です。手数料に関しては、純粋にファクタリング会社の儲けとなる部分と考えて問題ないでしょう。

この手数料もファクタリング会社ごとの設定となっており、2社間ファクタリングの場合10~30%程度、3社間ファクタリングで1~9%程度が相場といわれています。

手数料は、売掛債権の額面金額に対してかかるのではなく、ファクタリング対象金額に対してかかる計算となります。

もちろん手数料が低いほど利用する企業にとっては有利な契約となります。

諸費用

最後に諸費用です。諸費用という単語を使っていることからもわかる通り、いろいろな費用を併せた合計金額が差し引かれます。

諸費用に関してもファクタリング会社ごとに差が出ますし、また契約内容によっても差が出ます。額面金額によっては、この諸費用の部分で手にできる現金金額に大きな差が出るケースもありますので、諸費用もしっかりとチェックして契約するようにしましょう。

ファクタリングの諸費用に含まれるもの

手数料や掛け目に関しては、その数字を見れば高い低いを判断できますが、諸費用にはいろいろな費用が含まれているため、単純にその総額を見ても何がどれだけ必要なのかを判別するのが難しい部分があります。

そこで諸費用に含まれることが多い項目に関して、細かく解説していきましょう。

もちろん諸費用の部分に関しては、ファクタリング会社ごとにどんな費用が含まれるのか違いがありますが、含まれることが多い項目をピックアップして解説していきます。

事務手数料

まずは事務手数料です。事務手数料とは何かを説明するのは難しく、ファクタリング会社が「事務手数料」といえば、「そうですか」と答えるしかありません。

事務手数料に関しては、ある程度の金額を請求するファクタリング会社もありますし、事務手数料ナシを謳い文句にしているファクタリング会社もあるため、その相場に関しても提示するのは難しい費用といえます。

とはいえ、諸費用に含まれることが多いのは間違いありませんので、諸費用のうち事務手数料がどの程度なのかという点は、契約前に必ずチェックしましょう。

印紙代

ファクタリングは債権譲渡契約であり、債権譲渡契約自体は課税対象の契約となりますので、印紙の形で納税する必要があります。

とはいえ印紙代は額面金額が1万円以上の債権で200円と定められており、額面金額が高額になっても変動しませんのであまり気にしなくていいでしょう。

債権譲渡登記費用

諸費用の中で大きなウエイトを占めるのが、債権譲渡登記費用です。

主に2社間ファクタリングの場合は、債権譲渡登記が契約条件に含まれるケースが多くなります。債権譲渡登記とは、債権が譲渡されたことを公的に証明するために、登記所に登記を行うというもの。主に債権の二重譲渡を防ぐ意味で行われます。

この債権譲渡の登記に関しては、司法書士の独占業務となるため、ファクタリング会社から契約している司法書士に業務を委託し登記を行うのが一般的。つまり債権譲渡登記費用とは、この司法書士に支払う報酬が中心となります。

また、債権譲渡登記には登録免許税が必要となり、これも利用企業の負担となります。司法書士への報酬と登録免許税が、債権譲渡登記費用となります。

債権譲渡登記費用の相場は5~10万円程度。こちらもファクタリング会社ごとに差が出る部分ですので、諸費用の中で債権譲渡登記費用がどの程度の割合を占めるのかもしっかりとチェックしておきましょう。

出張費

最後にすべてのファクタリング契約で発生するわけではありませんが、一部、特に地方部の企業がファクタリングを利用する際に発生する出張費も解説しておきます。

出張費とは、ファクタリング会社の担当者を自社に招いて契約する場合に発生する費用です。原則ファクタリングは対面で申し込みますが、ファクタリング会社の窓口は、東京や大阪など都市部に集中しています。

地方部の企業がファクタリングを利用しようとした場合、担当者を招くか、自身が都市部に赴くかしかありません。ファクタリング会社の担当者を自社に招いた場合、その担当者の出張に関する費用も利用企業の負担となります。

限定的な条件で発生する費用ではありますが、諸費用の一部として紹介しておきます。

諸経費を減らすためにできること

最初に紹介した計算式を振り返っていただければわかる通り、ファクタリング契約で早期に手にできる現金の金額は、諸費用にも大きく影響されます。

ではこの諸費用を抑えるにはどうすればいいのか?この点についていくつか方法を紹介していきたいと思います。

事務手数料はファクタリング会社次第

諸費用に含まれる金額のうち、印紙代に関してはどのファクタリング会社で契約しても、額面金額の金額によっても影響はありませんし、金額自体も大きくないので割愛します。

まずは事務手数料です。

事務手数料に関しては、ファクタリングを利用する企業にとってはその内容が非常に不透明な費用です。事務手数料に関しては、どのファクタリング会社を利用するかで決まりますので、何より各社の設定を確認するのがポイントとなります。

正確に事務手数料を比較検討するのであれば、複数のファクタリング会社に申し込みを行い、契約条件の提示を受けるのがおすすめ。契約内容の諸費用に何が含まれていて、どの定額なのかを確認してから契約しましょう。

債権譲渡登記なしの契約を探す

諸費用に含まれる費用の中で、もっとも比重が大きくなるのが債権譲渡登記費用でしょう。この費用を抑えることができれば、諸費用自体も大きく抑えることができるでしょう。

債権譲渡登記費用を抑えるためには、単純に債権譲渡登記なしの契約を探すという方法が最適解でしょう。すべての2社間ファクタリングで、債権譲渡登記が必須となっているわけではありません。中には債権譲渡登記なしでも契約できるケースがあります。

ただし、債権譲渡登記なしで契約できる場合、手数料が高く設定される可能性が高くなりますので、手数料を諸費用のバランスを考えて契約するかどうかを決めるようにしましょう。

オンラインファクタリングを利用する

出張費用を削減するためには、担当者に出張してもらうのではなく、自社にいながら申し込みができるオンラインファクタリングがおすすめです。

近年オンラインファクタリングに対応するファクタリング会社も増えていますので、利用しやすくなっているかと思います。こうしたオンラインファクタリングは、諸費用が安いということもあり、今後より発展していくことが予想されます。

まとめ

ファクタリングを利用すると、売掛金が早期に現金化できます。とはいえ、早期に現金化される金額は、額面金額通りとはなりません。

手数料が必要ということを知っている方は多いかと思いますが、手数料以外にも差し引かれる金額はあり、注目したいのが諸費用となります。諸費用に関しては、安く抑える方法もありますので、いろいろな方法を駆使して、より有利な条件で契約できるようにしましょう。

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