「零細企業でもファクタリングって利用できる?」
「ファクタリング会社は零細企業なんて相手にしない?」
事業規模が大きくなく、中小企業の中でも特に売り上げ、従業員が少ない零細企業にとって、ファクタリングはなかなか利用しづらい資金調達法というイメージがあるかもしれません。
しかし、むしろ零細企業にこそおすすめとなるのがファクタリングとなります。ただし、特に零細企業がファクタリングを利用する場合、注意すべきポイントがあるのも事実。そんなポイントに関して解説していきましょう。
零細企業にこそファクタリングはおすすめ
大きな商取引を中心とする大企業は、ひとつひとつの取引額が大きく、当然企業内にプールしている資金にも余裕があります。2024年現在もこうした企業の内部留保が多く、企業の利益が従業員に反映されていないということがたびたび問題になるほどです。
一方いわゆる零細企業は、取引単価が安くその分内部留保も少ない傾向にあります。そのため急な出費が必要となった際、現金が不足するという事態が発生しやすいともいえます。
例えば原材料費の高騰や、燃料費の値上がり、さらに事業に必要不可欠な設備の故障やメンテナンスなど、急な出費というのはいつでも起こり得るものです。
ただし、零細企業の場合、こうした急な出費といっても、そこまで高額にはならないというケースが多いのもポイント。こうした事態に陥った時、手元にある売掛債権を利用して現金を得ることができるファクタリングという資金調達法は非常に便利な資金調達法といえます。
小さな取引を誠実に行っている零細企業こそ、このファクタリングという資金調達法との相性がいいのは事実です。ではなぜ相性がいいのか。その点に関していくつかポイントを紹介していきましょう。
貸金契約ではないため信用情報に影響がない
ファクタリングの契約は、売掛債権をファクタリング会社に譲渡する契約です。つまり債権譲渡契約であり、貸金契約ではありません。
貸金契約の場合、それに見合った担保を求められたり、連帯保証人が必要となるケースも少なくありません。これは、借り入れた後、長期間にわたって返済を続けていく必要があるからです。
ファクタリングは債権譲渡契約ですから、そこに担保や保証人は不要です。また、貸金契約ではないため、返済の義務もありませんし、なにより企業の信用情報に影響を与えないということになります。
零細企業にとっては非常に利用しやすい資金調達法といえるでしょう。
比較的審査に通りやすい
上記の通り、ファクタリングは債権譲渡契約であり、貸金契約ではありません。そのため審査に通りやすいという特徴があります。
ファクタリング契約を結ぶ前にも、金融機関から融資を受ける際と同様に、審査を受ける必要があります。しかし、融資審査と比較すると、ファクタリング審査は非常に通りやすいという特徴があります。
融資審査では、借り入れた後、長期間にわたって返済していけるかどうかを審査しますので、申し込んだ企業の現状の経営状況に加え、将来的な成長度なども合わせて審査されるため、審査に通るのが難しくなります。特に零細企業の場合、審査に通るのはかなりハードルが高いといえるでしょう。
ファクタリングの審査で注目されるのは、持ち込まれた売掛債権の売掛金が、きちんと期日に入金されるかどうかという点です。つまり、申し込んだ企業ではなく、その取引先の信用情報が重視されるということ。申し込んだ企業が赤字経営でも、債務超過の状態でも審査に通る可能性があります。
金融機関からの資金融資を受けるのが難しいと感じている零細企業の方でも、ファクタリングの審査であればより通過する可能性は高くなるため、零細企業におすすめということになります。
現金化のスピードが早い
ファクタリングの特徴としては、現金化のスピードが早いという点も挙げられます。
一般的なファクタリング契約で、申し込みから2~3日程度で現金が手に入りますし、近年では申し込み即日に現金化というファクタリングサービスも増えています。申し込んでから数週間から数か月単位で時間がかかる資金融資と比較すれば、現金化のスピードは圧倒的に早く、急ぎ現金がほしい時に利用しやすい資金調達法です。
零細企業の場合、急に現金が必要になるケースも多いかと思いますが、必要な現金の額はそこまで大きくないというケースも多いかと思います。今すぐに、ある程度の資金を調達する方法としては、ファクタリングはベストの方法ともいえるでしょう。
零細企業がファクタリングを利用する際の注意点
零細企業とファクタリングは相性がいいのは間違いありません。とはいえ、零細企業の方こそ気を付けたいポイントがありますので、そんなポイントに関して解説していきましょう。
しっかりとファクタリング会社を見極める
零細企業がファクタリングを利用する際、もっとも注意すべきポイントがどのファクタリング会社と契約するかという点です。
2024年現在、ファクタリングサービスを提供する会社は増加傾向にあります。これは、ファクタリングを利用する企業が増えた影響です。しかし、同時に問題になっているのが悪徳業者の存在です。
ファクタリング会社を装った悪徳業者というのも存在するため、こうした悪徳業者に引っかからないように、零細企業ほどファクタリング会社の見極めが重要になります。
零細企業が悪徳業者に引っかかりやすい理由
悪徳業者を避けるというのであれば、銀行やノンバンク系などの大企業のグループ会社であるファクタリング会社を利用すれば問題ないと考える方も多いかと思います。
確かに大手企業のグループ会社であれば、悪徳業者である可能性はなくなります。しかしこうしたいわゆる大手のファクタリング会社は、取り扱う売掛債権の下限金額が高い傾向にあります。
ほぼすべてのファクタリング会社は、自社が取り扱う売掛債権の額面金額に、上限金額と下限金額を設定しています。大手のファクタリング会社ほど、この設定金額は高い傾向にあります。
つまり、零細企業がそこまで高額ではない売掛債権をファクタリングしようとした場合、大手ファクタリング会社では対応できないというケースがあります。
こうした事情もあり、悪徳業者の多くは、取り扱う売掛債権の額面金額に上限下限を設定していなかったり、低い下限金額を提示しているケースがほとんどです。悪徳業者としては、まともにファクタリング契約を結ぶつもりはなく、とにかく顧客を集め、その顧客のデータを入手し、違法な契約を結ぶというのが目的ですので、比較的申し込みしやすいような窓口の設定を行っています。
手元にある売掛債権の額面金額が比較的安い傾向にある零細企業ほど、悪徳業者にひっかかる可能性が高いということになります。
悪徳業者を見極めるポイント
零細企業の方こそ気を付けるべきは悪徳業者の存在。2024年現在、ファクタリング会社開業のために必要な免許や資格はなく、許認可申請も不要であることから、いわゆる悪徳業者でも開業しやすい状況になっています。
こうした悪徳業者にはいろいろなタイプがありますが、その中でもきわめて悪徳業者の可能性が高いと思われるポイントをいくつか紹介していきます。これからファクタリングの利用を考えている零細企業の方は、ぜひ参考にしてください。
事務所がない
悪徳業者はそもそも誠実な営業をしていませんので、事務所も必要ありません。あるといってもとても顧客を迎え入れることができるような事務所ではないというケースも少なくありません。
そのため、ファクタリングの申し込みも、事務所の窓口ではなく、近隣の喫茶店などで行うケースが多くなります。
事務所がない、住所はあるものの、ネットで確認したところとても事務所とは思えないような物件だった場合は、そのファクタリング会社は避けるのが賢明です。
担当者の対応が悪い
悪徳業者の中には、しっかりと社員教育をしていないケースも多く、担当者の接客態度が非常に悪いというケースも少なくありません。
言葉遣いや服装、態度、さらに話の進め方などをチェックし、社会人としてどうかと思うような担当者の場合、その会社は利用しない方がいいでしょう。
早期の契約を求める
悪徳業者が持ちかける契約は、違法な契約であることがほとんどです。冷静に契約書の内容を確認すれば、およそファクタリングの契約ではないことも理解できるかと思いますが、急ぎ現金が必要で焦っているような状況では冷静な判断は難しくなります。
悪徳業者ほどこうした利用者の事情につけこみ、とにかく急ぎ契約を結びたがるものです。違法な内容でも契約書を交わせば、それで金銭を奪えると思っているからでしょう。
必要以上に契約を急かしてきたり、今じゃないとこの内容では契約できないなどと言葉巧みに誘い込み、契約を促すような会社は危険な会社と考えていいかもしれません。
契約書の内容の説明がない
上の項目と似た内容ですが、悪徳業者ほど契約の内容に関して細かな説明はしません。ひどいケースでは、サインする部分はあっても、契約書の内容自体見せないというケースもあるようです。
契約をする以上は、きちんと契約書の内容を精査し、不明点はすべて口頭で確認するのが当たり前。それをさせないようにする、もしくは誠実に対応しないなどといった会社とは、決して契約しないようにしましょう。
まとめ
ファクタリングという資金調達法は、零細企業との相性がよく、おすすめの資金調達法となります。
ただし、ファクタリング会社を選ぶ際には十分注意が必要。売掛債権の額面金額が、その会社の取扱金額範囲内かどうかという面も含めて、よりよい条件で契約できるように十分注意しましょう。
ファクタリング会社の中には、悪徳業者も混在しているのは事実です。こうした悪徳業者に引っかからにように十分注意しましょう。