ファクタリングFactoring

2024.02.27

ファクタリングできない売掛債権とはどのような債権なのか?

「ファクタリングって売掛債権ならなんでも申し込める?」
「ファクタリングできない債権ってあるの?」

手元にある売掛債権を譲渡することで、売掛金を早期現金化できるファクタリング。手軽に利用できるということもあり、近年利用する企業も増えています。

このファクタリングでは、売掛債権が重要なポイントとなりますが、どんな売掛債権でも必ずファクタリングできるというわけではありません。中にはファクタリングできない債権というものも存在します。

この記事では、特にファクタリングで利用できない債権、利用できない可能性が高い債権などに関して紹介し、その理由を解説していきたいと思います。

ファクタリングできない債権

ファクタリングの契約は、売掛債権をファクタリング会社に譲渡する債権譲渡契約です。ほぼすべての売掛債権がファクタリングの対象と考えても差し支えありません。

2020年の法改正により、まだ存在しない債権、つまり将来債権に関してもファクタリングの対象として認められるようになりました。

しかし、そんな売掛債権の中でも、ほぼすべてのファクタリング会社がファクタリングに対応できないとしている債権もあります。まずは、ほぼ間違いなくファクタリングできない債権に関して解説していきましょう。

不良債権

不良債権とは、すでに売掛金の入金日を過ぎているのに、まだ売掛金が入金されていない債権などを指します。

ファクタリング契約は、後に入金されるはずの売掛金に対して契約するものですから、申し込みの時点で不良債権化している売掛債権ではファクタリングは利用できません。

架空債権

実際には存在していない、いわゆる架空債権も当然ですがファクタリングできない債権となります。売掛債権とは物理的には存在しないものです。もちろん請求書や取引に関する契約書は存在していますが、極論を行ってしまえばこうした書類は偽造も可能です。

ファクタリング契約の前には必ず審査が行われ、その審査の中では、持ち込まれた売掛債権が実在するのかどうかもしっかりと審査されます。

実際には存在しない架空債権を偽造し、その債権でファクタリングを申し込むという行為は、詐欺罪や文書偽造罪などの犯罪行為となるケースもありますので、決して行わないようにしましょう。

二重譲渡

上記の通り売掛債権とは実在しないものです。そのため架空債権を偽造することも可能ですし、すでにほかのファクタリング会社や、他社に譲渡済の売掛債権でも、ファクタリングの申し込みの時点では見分けがつきにくいという問題があります。

当然ですが、すでに他社に譲渡済の債権の所有権は、持ち込んだ企業にはありませんので、そのような債権ではファクタリングはできません。

多くのファクタリング契約では、こうした二重譲渡を防ぐために、債権譲渡登記を必須としています。これは、債権を譲渡したという情報を登記所に登記するもので、この登記により債権の所有権を公的に証明するためです。

すでに他社に譲渡している債権を持ち込むのは、上のケースと同じく詐欺罪などに問われる可能性があります。

また、債権の二重譲渡に関しては、詐欺を行うつもりがなくとも発生する可能性があります。すでに他社に譲渡した債権を、まだ譲渡していないと勘違いしてファクタリングを申し込んでしまうケースです。

多くの企業は複数の売掛債権を所有しているかと思いますので、どの債権をファクタリングしているかなど、しっかりと債権管理をするようにしましょう。

個人に対する給与債権

ファクタリングは違法であるというイメージを強く世間に植え付けた理由の一つとして、給与ファクタリングというものがあります。

2024年現在では、ほぼ行われていない契約方法ですが、かつてはこの給与ファクタリングというものが数多く存在しました。

給与ファクタリングとは、給与所得者である個人が、自身の給与を給与債権と見做し、この給与債権を譲渡することで、現金を手にするという契約です。

一時期この給与ファクタリングによる問題が多発し、訴訟問題に発展するケースが多くありました。そしてその訴訟の結果、給与ファクタリングはファクタリング契約ではなく、給与を担保とした貸金契約であるという判決が出ています。

貸金契約である以上、貸金業者登録をしている業者しか取り扱うことはできず、また総量規制や利息制限法を遵守する必要がありますが、多くの給与ファクタリングは、貸金業者以外が提供していたり、利息制限法で定められている以上の利息が課せられていたため、違法行為という判決が出されています。

この判決が出た後、誠実に営業しているファクタリング会社は、給与ファクタリングは取り扱わなくなっています。給与債権はファクタリングできない債権となります。

売掛先が反社会的勢力の債権

ファクタリングにおいて重要なのは、申し込んだ企業とともに売掛先の情報です。このどちらかが反社会勢力と疑われる場合は、まずファクタリングはできないということになります。

反社会勢力かどうかの判断は難しい部分があり、また判断するのはファクタリング会社ごとの判断となりますが、一般論でいえば反社会勢力と断定できる場合はもちろん、そう疑われるケースでもファクタリングできないということになります。

ファクタリングができない可能性が高い債権

ここからは絶対にファクタリングできないというわけではありませんが、ファクタリングできない可能性が高い債権に関して解説していきます。

売掛先から借り入れがある

まずは売掛先から借り入れがあるケースです。あまり多いケースではありませんが、売掛先から借り入れがある場合、その借り入れが返済できない場合、売掛金で相殺するということも可能です。

そうなると売掛金が入金されないというリスクが高まりますので、多くのファクタリング会社では取り扱い対象外となっています。

もちろん売掛金が高額で、借入金が少額などといったケースの場合、契約条件次第ではファクタリングできる可能性もありますが、原則として売掛先からの借り入れがある場合は、ファクタリングできない可能性が高いと考えておくといいでしょう。

売掛先が個人

売掛先が個人であるケースもファクタリングは利用できない可能性が高くなります。この場合でいう個人とは、個人事業主ではなくフリーランスなど完全なる個人のケースです。

個人事業主でも、個人として法人登録を行っている場合、ファクタリング会社としてもその法人に関する信用情報を調査することは可能です。しかし、法人登記を行っていないフリーランスや個人の場合、ファクタリング会社としては調査のしようがありません。

調査ができないということは、売掛先の信用情報が入手できないということ。つまり売掛金が回収できるかどうかの判断が難しいということになり、ファクタリングできないケースが多くなります。

現金取引の債権

2024年現在の商取引ではあまり見かけなくはなりましたが、売掛金を現金で回収するような取引も、ファクタリングできない可能性が高くなります。

仮に長期間毎月契約を結んでいるケースでも、その売掛金のやり取りが、銀行口座を通さない現金取引の場合、過去の取引実績を確認できないということになります。

ファクタリング会社にとって、売掛金が支払われるかどうかという点こそが審査の最大のポイント。このポイントをクリアする証拠が過去の取引実績であり、その取引実績は、実際に銀行口座に入金されたかどうかという点が重視されます。

銀行口座を通さない現金取引の売掛金では、ファクタリングできない可能性が高くなります。

新規取引の債権

ファクタリングの審査において、過去の取引実績が重視されるというのは上の項でも触れた通りです。反対に言えば、過去に取引実績がないというケースでは、ファクタリングは利用できない可能性が高いということになります。

もちろんこれは一般論であり、仮に新規の取引であっても、取引先が大企業であるケースや、公的機関であるケースで、その売掛債権の存在が確実に証明できればファクタリングできる可能性はあります。

しかし、新規取引を行う取引先が、いわゆる中小企業などの場合は、申し込み企業と取引先の間に信頼関係がまだ築かれていないと判断され、ファクタリングを利用できないケースが多くなります。

ファクタリングで申し込む場合は、過去にも取引実績があり、確実に売掛金が入金されるような売掛債権で申し込むようにしましょう。

まとめ

ファクタリングは売掛債権を利用した資金調達法です。ファクタリング契約においては、いろいろな売掛債権が利用できますが、中にはファクタリングできない売掛債権も存在します。

ファクタリングという資金調達法の仕組みをしっかりと理解し、確実に活用できる売掛債権で、上手にファクタリングを利用できるようにしておくのがおすすめです。

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