「ファクタリングって今後どうなるの？」
「ファクタリングって利用すべき？」

2024年現在、企業が運転資金を調達する場合、金融機関などから資金融資を受けるというのが一般的です。

そんな中で近年注目を集めているのがファクタリングという資金調達法。日本国内ではまだ新しい資金調達法ですが、2024年現在どんどん普及が広まっている資金調達法です。

この記事では2024年現在のファクタリング業界の現状から、近い将来の予想など、ファクタリング業界の現状と将来性を解説していきたいと思います。

2024年現在のファクタリング業界の現況

ファクタリングという資金調達法に関しては、日本国内ではまだそこまでメジャーな資金調達法とはいえません。

日本国内の企業が資金調達を考えた場合、やはり真っ先に思い浮かぶのは金融機関からの資金投資でしょう。さらに、ビジネスローンや商工ローンを考える方も多いかと思いますが、いずれにせよ、いわゆる貸金契約という形を考える方が多いのが現状です。

2024年現在、まだ日本ではこのような状況ですが、とはいえファクタリングという資金調達法が、いつまでもマイナーな資金調達法というわけではないと予想されます。

利用企業は増加の傾向

金融庁や中小企業庁など、公の機関がHPで利用を促進しているのがファクタリングという資金調達法。こういった効果もあり、近年ではファクタリングを利用する企業は増加の傾向にあります。

ほかの資金調達法の多くが貸金契約、いわゆる借金であるのに対し、手元にある売掛債権を譲渡するファクタリングは、借り入れとはなりません。利用する企業にとってもプラスの大きい資金調達法ですので、2024年以降も利用する企業は増加していくことが予想されます。

ファクタリング会社も増加の傾向

ファクタリングを利用する企業が増加傾向にある2024年現在。この増加に合わせてファクタリング会社自体も増加の傾向を示しています。

ファクタリング会社が増加傾向にあるのは、比較的開業しやすい業種であるという特徴があります。

企業に運転資金を貸し出す会社を設立しようとする場合、貸金業法に則り、貸金業者登録をする必要があります。この登録には国家資格の取得が必須となりますし、また純資産もある程度準備する必要があります。貸金業者として新規開業するのは、簡単ではありません。

一方ファクタリング会社は貸金業務を行いません。行うのは債権譲渡取引ですから、貸金業者としての登録が不要です。また、ファクタリング業者を開業するために免許や資格の取得も不要ですし、許認可申請もいりません。

貸金業者と比較すると非常に開業がしやすく、この点もファクタリング会社が増えている要因のひとつといえるでしょう。

2024年以降のファクタリング業界

2024年現在は、ファクタリングを利用する企業が増え、それに併せてファクタリング会社は増加傾向にあります。とはいえ、まだそこまでメジャーな資金調達法とはなっていないというのがファクタリング業界の現状です。

では、2024年以降、この先ファクタリング業界はどうなっていくのか。この点に関して考えていきましょう。

約束手形の減少が予想される

ファクタリング業界にとって大きなポイントとなると予想されるのが約束手形の減少です。日本政府の方針として、近い将来この約束手形を利用した取引方法は廃止する方向で動いています。

古くから日本国内では重宝されてきた手形取引ですが、時代の変化に合わせてこの文化は衰退していくことが予想されています。

そもそもファクタリングという資金調達法というのは、こうした手形取引に代わる手段としての意味合いもあり、日本国内でその範囲を拡大してきたという背景があります。その手形取引が廃止の方向に進むという以上、ファクタリングの存在感は大きくなることが予想されます。

よりファクタリングの利用は広まると予想される

手形取引の廃止によって注目を集めると予想されるのが、ファクタリングと電子記録債権、いわゆる「でんさい」と呼ばれる決済システムです。

つまり、手形というものがなくなった時点で、このでんさいを利用するか、ファクタリングを利用するかというケースが増えることが予想されるわけです。

ファクタリングに関しては、まだ日本で利用されるようになって日が浅い資金調達法ですが、システムが非常にシンプルであるという特徴があります。

企業が手元にある売掛債権をファクタリング会社に売却し、売掛金から手数料や必要経費を差し引いた金額を手にするというシステムですので、どんな企業でも利用しやすく、場合によっては個人事業主やフリーランスの方でも利用できるという手軽さがあります。

一方でんさいに関しては、まずはでんさいネットに登録するなど、手続きが非常に煩雑であり、また、手間が多いという特徴があります。このでんさいを利用することで、多くのことができるようになりますが、できることが多いがゆえに、取り扱いが複雑になるというデメリットが発生してしまっており、利用が拡大しているとは言い難い部分があります。

こうした2024年現在の状況を考えると、でんさいが突然利用しやすくなるというのは想像しがたく、より手軽に利用できるファクタリングの利用が広まっていくと予想されます。

2024年以降のファクタリング業界予想

2024年以降、手形取引の絶対数が減少することが予想され、その分ファクタリングという資金調達法が広まっていくことが予想されます。

では、そうなった場合に考えられるポイントに関していくつか予想していきたいと思います。

専門分野を持つファクタリング会社が増える

現状でもファクタリング会社は増加の傾向にありますが、多くのファクタリング会社が、同じようなサービスを提供するというのは想像しにくい部分があります。同じサービスを提供するのであれば、古くから営業しているファクタリング会社の方が信用が高く、新規開業したファクタリング会社が太刀打ちできないという状況が想像されます。

そうなると予想されるのが、専門分野を持ったファクタリング会社の出現です。2024年現在でも、各業界に強みを持つファクタリング会社というものは存在しますが、まだ数は少ないというのも事実。

2024年現在日本国内でも様々な業種が存在します。また、既存の企業に負けないために、新たな業種がどんどん誕生しているという状況でもあります。

商取引を行う企業は、その業界によって独特な特徴があります。例えば建設業界。建設業界では、仕事の発注を受けてから、売掛金が入金されるまでの期間が長いという特徴があります。何しろ発注を受けてから建設作業を行い、建設が完了して取引先に納品した後に売掛金が入金されるわけですから、売掛金の現金化まではかなりの時間が必要になります。

こうした、業界ごとの特徴に合わせた、その業界の事情をよく知っているファクタリング会社というのが増えていくことが予想されます。

建設業界はもちろん、IT業界や製薬業界、さらにベンチャー企業に特化したファクタリング会社なども増えていくでしょう。こうした新規のファクタリング会社が独自のサービスを提供することで、ファクタリングという資金調達法のすそ野は広がり、より利用しやすい資金調達法となる可能性が考えられます。

ファクタリングに関する法規制が行われる

ファクタリングのすそ野が広がり、いろいろな契約方法が登場することが予想されますが、その半面考えられるのが法規制です。

2024年現在でも、ファクタリング契約に関する訴訟は日本全国で数多く行われています。これはファクタリング自体が違法というわけではなく、ファクタリング契約に見せかけた、違法な契約が結ばれるケースが発生しているからです。

2024年以降、ファクタリングというサービスが細分化され、より多くの契約方法が登場すると考えると、2024年現在発生しているような契約上のトラブルもより増えていくことが予想されます。

そこで予想されるのが法による規制です。現状日本国内には、ファクタリングに関する専門の法律というものは存在していません。細かく言えば、ファクタリングは債権譲渡契約ですから、債権譲渡契約に関する法律というのは存在します。

しかし2024年以降、ファクタリングを利用する企業が増えれば、こうした法律だけではなく、ファクタリング契約に関する専門の法律が制定される可能性も否定できません。

法規制と聞くと利用しにくくなるイメージがあるかもしれませんが、どちらかといえば、より安心して利用できるような法整備になることが予想されるため、2024年以降はより利用しやすい資金調達法となるでしょう。

まとめ

2024年現在、ファクタリングという資金調達法は、広く拡大傾向にあるとはいえ、まだメジャーな資金調達法とはいえない状況です。

しかし2024年現在の日本国内の状況、そして2024年以降に起こるであろうことを予想していくと、2024年以降ファクタリングの利用はより広がっていくことが予想されます。

ファクタリングがより一般的な資金調達法となる前に、まずはファクタリングという方法の基礎を知り、そのシステムを理解しておくことが非常に重要になります。