「ファクタリング会社の中に上場企業ってあるの?」
「ファクタリングに持ち込む債権ならどんな債権が良い?」
ファクタリングをまだ利用したことがない方、もしくは利用した経験がないという方は、こうした疑問を持たれるかもしれません。
ファクタリング自体はまだ発展途上な資金調達方法であり、ファクタリング会社も増えているとはいえ、まだそこまで多くはない状況です。
そんなファクタリング業界に上場企業はあるのか?また、ファクタリングという契約と上場企業にはどんな関係性があるのか?そのあたりを紹介して行きたいと思います。
ファクタリング会社に上場企業はあるのか?
ファクタリング会社は近年増加の傾向にありますが、上場しているファクタリング会社というのは存在するのかどうか?このあたりに関して解説していきましょう。
ほとんどないのが現状
結論から言ってしまえば、上場企業のファクタリング会社というのはほとんどありません。数社は上場していますが、ファクタリング会社の総数から見ればほんの一部でしかなく、実際にファクタリング会社を選ぶ場合、上場企業を条件にすると、ほとんど選択肢がない状況になります。
上場企業の子会社は存在
ファクタリング会社自体が上場企業ではなくても、その親会社が上場企業であるというケースは少なくありません。特に金融関係の上場企業が、傘下にファクタリング専門のグループ会社を持っているということはあります。
親会社が上場企業であるということで、ファクタリング会社は上場企業ではなくとも、非常に安心感が大きいファクタリング会社といえるでしょう。
ファクタリング会社選びのポイント
ファクタリング会社は近年増加の傾向にあります。これはファクタリング業界が非常に参入のハードルが低い業界であることも大きく影響しています。
企業の資金調達先としては、各種貸金契約を結ぶ会社がありますが、こうした貸金契約を生業とする会社は、貸金業者登録をする必要があります。そのためには豊富な準資金や、国家資格の取得などハードルも高く、簡単に貸金業者の許認可申請は下りないということになります。
そのため貸金業者登録をしない闇金業者が増えたわけですが、ファクタリング業を開業するためには、こうした貸金業者登録は必要ありません。ほかの資格や免許、許認可も一切不要ですので、極端な話をしてしまえば、誰でも急にファクタリング会社を始められるということになります。
これだけハードルが低いとなると、闇金業者や悪徳業者、さらにいわゆる反社会的組織がファクタリング業界に参入する可能性は高くなり、実際に悪徳業者とされるファクタリング会社が存在しているのも事実です。
ファクタリング会社を選ぶ際は、こうした悪徳業者を避けるのが必須。そのためには上場企業のグループ会社を選択するというのもひとつの方法でしょう。
上場企業関係のファクタリング会社の特徴
上場企業のファクタリング会社こそ少ないものの、上場企業のグループ会社まで広げると一定数のファクタリング会社が存在することになります。こうした上場企業関係のファクタリング会社の特徴に関して紹介しておきましょう。
3社間ファクタリングが中心
上々企業関係のファクタリング会社が取り扱うのは、3社間ファクタリングが中心となります。
ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあり、取引先も契約に参加する3社間ファクタリングの方が売掛債権の未回収リスクは低くなります。つまり、上場企業関係のファクタリング会社は、未回収リスクの少ない債券を中心に取り扱う傾向にあるということになります。
手数料が安い
上場企業関係のファクタリング会社は、3社間ファクタリングというより未回収リスクの低い債権を中心に取り扱いますが、その分手数料相場が安いというのも特徴といえます。
ファクタリングの手数料は、ファクタリングを利用する企業にとっては純粋な損失に当たる部分。損失は小さいに越したことはありませんので、手数料が安いというのはメリットといえるでしょう。
現金化に時間がかかる
ファクタリングという資金調達法は、現金化が早いというのもメリットの一つ。しかし、上場企業関係のファクタリング会社は、そこまで現金化は早くありません。
一般的なファクタリングの場合、申し込みから現金化まで2~3日というのが中心。中には申し込み即日に現金化に対応するファクタリング会社もあります。しかし、上場企業関係のファクタリング会社の場合、1~2週間程度時間がかかるというのが一般的。
急ぎ現金が必要な場合は、少々利用しづらいというデメリットがあります。
ファクタリングにしては審査が厳しい
現金化スピードが遅いといっても、金融機関からの資金融資と比較すれば現金化は早いといえます。資金融資の場合、数ヶ月単位で時間がかかることも珍しくなく、それと比較すれば十分早いといえるでしょう。
では、なぜ現金化に時間がかかるのか。その理由が審査の厳しさです。
一般的にファクタリングは審査が緩いと言われています。そんなファクタリングの中では、上場企業関係のファクタリング会社の審査は厳しくなります。
総合的に言えば、3社間ファクタリングが中心で、現金化スピードもそこまで早くない上に、審査も厳しい傾向にありますが、その分利用に安心感があり、しかも手数料が安いというのが上場企業関係のファクタリング会社の特徴となります。
取引先が上場企業の債権の場合
ここまでは上場企業であるファクタリング会社、また上場企業のグループ会社のファクタリング会社に関して解説してきました。ここからは、ファクタリングを利用する企業が持ち込む売掛債権と上場企業の関係に関して簡単に説明していきます。
審査に通りやすい
ファクタリングを利用する場合、持ち込んだ売掛債権に関する審査が必ず行われます。この審査では、持ち込まれた売掛債権がきちんと現金化されるかどうかが最重要視されます。
そう考えると、ファクタリング審査で重視されるのは、申し込んだ企業の信用情報よりも、売掛債権の売掛先でもある取引先の信用情報が重視されるということになります。
その取引先が上場企業の場合、当然信用度も高くなり、ファクタリングの審査に通過しやすくなります。
とはいえ、取引先が上場企業であれば必ず審査に通るわけではありません。上場企業の中にも経営が厳しくなっている企業もありますので、相対的に上場企業が取引先の方が審査に通りやすいというイメージを持っておくといいでしょう。
手数料が安くなる
審査に通りやすいということは、手数料が安くなるということにも繋がります。
ファクタリングの審査は、基本的に契約するために行われる審査です。金融機関による資金融資審査の場合、事前にある程度貸し付ける際の金利や返済期間などが決まっており、その融資の条件に見合う企業かどうかを見極めるために審査が行われます。
つまりあらかじめ融資条件が決まっており、その条件に見合うかどうかを見極める審査です。
一方ファクタリングの審査は、どのような条件であれば契約ができるかを審査するのが一般的。持ち込まれた債権や取引先を審査し、その上で契約の条件が決まるという形になります。
取引先が上場企業の場合、当然審査に通過しやすく、同時に契約の条件も申し込み企業に有利な条件での契約が可能ということになります。条件のいい契約とは、当然手数料が安い契約ということ。
取引先が上場企業であれば、その債権の信頼度も高くなり、より手数料の安い契約ができるということになります。
ファクタリング・債権・上場企業のまとめ
ファクタリングは近年日本国内でも利用が広まっており、ファクタリング会社の数も増えています。とはいえ、まだ上場企業であるファクタリング会社というのは多くはなく、ファクタリング会社の規模を上場しているかどうかで判断するのは難しいといえます。
上場企業の子会社であるファクタリング会社は増えていますので、こういったファクタリング会社を利用することで、より安心感のある取引ができるでしょう。
また、ファクタリングに持ち込む債権に関しては、ファクタリング会社が上場企業の関係会社かどうかとは関係なく、取引先が上場企業である債権を持ち込むと、より有利な条件で契約できる可能性が高くなります。
同じような金額の売掛債権がある中で、取引先が上場企業の債権があれば、こうした債権で申し込むことでより有利な条件での契約ができるでしょう。