「税金滞納になりそうで困っている」
「税金滞納の状況になったら資金調達ができなくなった」
企業にとっても当然ですが税金の納付、納税は義務であり、逃れることはできません。
しかし、経営状況によっては、税金納付のタイミングで現金が足りないというケースもあるでしょう。
税金滞納の状況になってしまうと、企業経営は非常に厳しくなってしまいます。そうならないように対応するのが基本ですが、それでも税金滞納の状況になった、またはなりそうという場合はどのようにして現金を確保すべきか。
この記事では税金滞納の状況でもできる資金調達の方法などを中心に解説していきたいと思います。
企業の資金調達法は主に2つ
企業が事業資金を確保する方法は、当然ですが事業による売り上げが中心となります。しかしそんな売り上げでは資金が足りないというケースでは、売り上げ以外の方法で資金を調達しなければいけません。
そんな資金調達法は大きく分けて2種類。まずはこの2つを確認しておきましょう。
外部資金調達
企業の資金調達法として、最初に考えられるのが外部から資金を調達する方法です。外部から資金を調達する方法は、いわゆる借り入れを行うというのが中心の資金調達法となります。現状自社が持っている資産を現金化するのではなく、何らかの方法で外部から現金を手にする方法です。
銀行や日本政策金融公庫などからの資金融資や、ビジネスローンや商工ローンの活用、さらに手元にある手形を担保に借り入れを行う手形割引も外部資金調達となります。
外部資金調達を行うメリットは、希望する金額を借り入れることが可能という点。デメリットは基本借り入れとなるケースが多く、返済の義務が生じるという点でしょう。
内部資金調達
外部資金調達に対して、企業が持っている資産を現金化することを内部資金調達といいます。不動産や動産の売却や、株式の売却、またファクタリングもこの内部資金調達に含まれます。
内部資金調達を利用するメリットは、借り入れではないため返済の必要がないという点。デメリットは、現金化に時間がかかる方法が多く、また希望する金額が手にできるかどうか分からないという点です。
税金滞納になった場合の問題点
企業として税金の納付が厳しく、税金滞納という状況に陥った場合、どのような問題が発生するのかを確認しておきましょう。場合によっては事業の継続が難しく、倒産という最悪の結果にもなりかねません。
ちなみに税金滞納は黒字経営の企業でも十分起こり得るので注意。では、税金滞納になってしまった場合の問題点を紹介します。
外部資金調達が難しくなる
まずはなんといっても資金調達、中でも外部資金調達が難しくなるという点です。銀行や日本政策金融公庫といった金融機関は、税金滞納の状態の企業ではまず融資審査を通過しません。
融資審査では、将来的に貸し付けた金額の返済が続けられるかどうかが審査されます。そのため現状の企業の経営状況はもちろん、長期的に見てその企業がしっかり返済を続けられるかどうかが大きなポイントとなります。
税金を滞納している企業は、その時点で将来性が高い企業とは言えず、融資審査はまず通りません。
ビジネスローンや商工ローンの中には、税金滞納の状態でも利用可能な商品はありますが、相対的に融資金額は低めになる傾向があります。また、手形割引の場合、税金滞納企業は割引率が高くなるとも言われています。
すべての外部資金調達が完全に利用できないわけではありませんが、ほとんどの方法が利用できず、利用できる調達法があっても、かなり不利な条件での契約となるのが一般的となるでしょう。
延滞金などで支払金額が増える
税金滞納の状態になると、税務署より督促の知らせが届きます。それでもすぐに納付できないとなると、滞納している税金には延滞金がかかります。延滞金の利率は状況によって変化しますが、7~14%程度と非常に高く、長期間滞納してしまうとそれだけで倒産の理由になりかねません。
差し押さえの可能性がある
税金滞納の状況で、税務署からの督促も無視していると、最終的には裁判所から差し押さえの命令が出るケースが考えられます。差し押さえとなると、その企業の口座が凍結したり、企業が持つ資産も差し押さえ対象となりますので、企業経営はかなり難しくなるでしょう。
また、企業が持つ売掛債権も資産の一部となり、差し押さえの対象です。売掛金まで押さえられてしまうと、経営を続けていくにはかなり困難な状況となるでしょう。
取引先との取引に影響が出る
上でも紹介した通り、税金滞納の状態が続くと、売掛債権も差し押さえの対象となります。そうなると、取引先にも税務署から連絡が行くことになり、取引先に税金滞納であることを知られてしまいます。
取引先としては、経営状態の悪い企業との取引はできれば避けたいところ。税金滞納の状況で、しかも売掛債権が差し押さえられているような企業との取引を続けると、自社も悪影響を受ける可能性がありますので、当然でしょう。
税金滞納をしている以上、なんとか売り上げを上げたいところですが、取引先がなければそれも難しく、やがて経営は先細り、結果倒産となるケースが考えられます。
税金滞納の場合はファクタリングがおすすめ
税金滞納となってしまった、税金滞納になりそうな状況、そんな企業にこそおすすめしたいのがファクタリングです。
ファクタリングとは内部資金調達のひとつで、手元にある売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、売掛金を入金期日前に現金化する資金調達法です。資金融資などの外部資金調達とは違い、税金滞納の危険がある状況や、税金滞納の状態でも利用が可能な資金調達法として、近年利用する企業も増加傾向にあります。
そんなファクタリングをおすすめするポイントを紹介しましょう。
税金滞納の状況でも審査に通過する可能性がある
ファクタリングは上記の通り、売掛債権を譲渡する契約です。ファクタリングは貸金契約ではなく債権譲渡契約ですので、審査のポイントが融資審査とは少々異なります。
融資審査に関しては上の項でも紹介した通り、申し込んだ企業の現状の経営状況に加え、将来的な状況も加味した審査が行われます。
一方ファクタリングの審査でチェックされるのは、持ち込まれた売掛債権がきちんと現金化されるかどうかという点。つまり、取引先が売掛金を支払うかどうかという点です。
つまり審査の中心は取引先の信用情報であり、申し込んだ企業の経営状況ではありません。もちろん申込企業に関する審査も行われますが、それよりも重視されるのが取引先の情報。そのため税金滞納の企業でも審査に通ることはあり、資金調達が可能になります。
ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあり、特に2社間ファクタリングの場合は申込企業の信用情報もある程度加味されます。2社間ファクタリングの場合、売掛債権の所有権はファクタリング会社に移るものの、売掛金の入金口座は変更されません。
つまり、売掛金は一度申込企業の口座に振り込まれ、その後申込企業からファクタリング会社に送金される形となります。
この送金が行われるかどうかを確認するために、申込企業の信用情報が審査されるわけです。この審査で落ちない限り、ファクタリング審査には高確率で通るということになります。
もちろん取引先の信用度が低いと、審査に通らない可能性がありますので、申し込む売掛債権は、取引先の信用度を加味して選ぶといいでしょう。
売掛金の早期現金化が可能
ファクタリングをおすすめするもうひとつのポイントは、現金化が早いという点です。
銀行や日本政策金融公庫などからの資金融資の場合、申し込んでから現金が手に入るまで2週間~1ヶ月以上の時間が必要です。また、申し込みには事業計画書や返済計画書などいろいろな書面の提出も必要であり、申し込みの手続き自体にも時間が必要になります。
ビジネスローンや商工ローン、手形割引などの場合、数日間で現金化も可能ですが、仮に税金滞納の状況である場合、審査に通るのが非常に難しくなります。
ファクタリングは基本的に現金化スピードが早く、申し込みから現金化まで2~3日というのが一般的。中には申し込み即日の現金化に対応しているファクタリング会社も少なくありません。
税金滞納の状況が続くと、延滞金や差し押さえという厳しい状況に陥りますので、税金滞納の状況はできるだけ早く解消するのがベスト。そのためにも審査に通りやすく、しかも現金化が早いファクタリングがおすすめということになります。
ファクタリング・税金滞納のまとめ
税金滞納の状況は、企業としてはぜひとも避けるべき状況です。最初が少額の税金滞納でも、それが積もり積もって最終的には倒産という可能性も否定できません。
とはいえ税金滞納の状況では、外部資金調達は難しいのが現実。利用するのであれば内部資金調達となりますが、不動産の売却などは、売却益を手にするまである程度時間がかかってしまうという問題があります。
そんな内部資金調達の中で、税金滞納の状況にある企業におすすめしたいのがファクタリングです。
ファクタリングは借り入れではなく債権譲渡契約のため、税金滞納の状況でも利用できる可能性が高い資金調達法。また、借り入れ契約ではないため、何度利用しても企業の債務状況に影響を与えません。
税金滞納という一時的な現金不足はファクタリングで解消し、その後も資金繰りが厳しいようであれば、税金滞納の状況を解消した上で金融機関に資金融資を申し込むのがおすすめの資金調達となります。