ファクタリングFactoring

2024.01.26

ファクタリング会社を設立するために必要な手順とは?

「新しいファクタリング会社を見つけたけど信用できる?」
「そもそもファクタリング会社ってどうやって設立するの?」

売掛債権を利用し、資金調達を行うファクタリング。このファクタリングを主な生業とする会社は、近年増加傾向にあります。

ではファクタリング会社の設立にはどのような手順が必要なのか?資格や免許・許認可申請などに関して説明していきたいと思います。

ファクタリング業者を設立する方法

近年ファクタリングを利用する企業も増え、ファクタリングサービスを提供する会社自体も増加の傾向にあります。

目立つのは銀行やノンバンク系の会社が提供するファクタリングサービスや、こういった金融機関のグループ会社であるファクタリング会社です。

しかし、中にはこうした金融機関を後ろ盾にしない、独立系のファクタリング会社があるのも事実。では、金融機関などの後ろ盾なしで、ファクタリング会社を設立するにはどうすればいいのか?この点に関して簡単に解説していきましょう。

特別な許認可申請は不要

ファクタリング会社を設立するにあたって、特別な免許の取得や、許認可申請などは必要ありません。つまり誰でもいつでも比較的簡単に設立することが可能です。

ファクタリング業とは、売掛債権を買い取り、売掛金から手数料や諸経費を差し引いた金額を利用企業に支払うことを生業とします。この手数料の部分が儲けとなりますが、債権を買い取るということはそれなりに資金力が必要になります。

資金力は必要ですが、各種免許や許認可は不要。これがファクタリング会社設立のポイントということになります。

ファクタリング業設立には直接必要のない許認可

ファクタリング業者を設立するために、必要となりそうな免許や許認可申請はいくつかあります。その中でも代表的な2つを紹介し、その2つがなぜファクタリング業者には不要なのかという点を解説していきましょう。

古物商許可

ファクタリング業では、利用企業から売掛債権を買い取ります。こうした買取業者に求められるケースが多いのが古物商の許認可申請です。

古物商とは、古物営業法に定められる古物を業として売買、交換などをする者のことを指すため、売掛債権を売買するファクタリング業者設立の際にも必要とされるイメージがあります。

古物営業法に定められる古物とはあくまでも「物品」に限られます。本や電化製品、衣類や美術品といった現物があるものが古物として認定されます。一方売掛債権とは、物品ではなく権利です。現物ではないため、古物商の範疇には収まらないものということになります。

そのためファクタリング業者を設立する場合、古物商の許認可は不要ということになります。

ちなみに、企業が持つ現物資産を換金する「在庫ファクタリング」を行うのであれば古物商の許認可が必要です。とはいえ、在庫ファクタリングは「ファクタリング」の名称こそついているものの、取引内容はファクタリングではないため、ファクタリング業者の範疇には入らないといえるでしょう。

貸金業者登録

ファクタリングは売掛債権を利用した資金調達法です。資金調達の手段としてほかに考えられるのが、金融機関からの資金融資や、ビジネスローン、商工ローンの利用、さらに手形割引などが考えられます。

ちなみにここで紹介した資金調達法のうち、ファクタリング以外はすべて貸金契約となるため、貸金業者登録が必要になります。

ファクタリングで交わされる契約は、貸金契約ではなく債権譲渡契約ですので、貸金業者登録は不要です。

貸金契約ではないというのが、ファクタリングの利用しやすさのひとつの理由であり、またファクタリング業者設立のハードルを下げる理由にもなっています。

貸金業者登録をして設立するためには?

ファクタリング業者を設立するためには貸金業者登録は不要です。とはいえ、貸金業者登録を行った方が、より顧客から信頼度が上がる、顧客に安心感を与えるという点では有利になります。

特に大きな後ろ盾を持たない独立系ファクタリング業者を設立する場合は、まずは顧客に安心感を与えるのは重要なポイント。そのため貸金業者登録を行った上で、ファクタリング会社を設立するという企業も少なくありません。

仮に貸金業者登録を行ってファクタリング業者を設立するためには、どのような条件があり、どのような手順が必要かを確認しておきましょう。

貸金業務取扱主任者の資格を取得する

貸金業者としての登録申請を行うためには、まずは「貸金業務取扱主任者」という国家資格を取得する必要があります。資格取得には試験があり、その試験に合格すると、貸金業務取扱主任者としての登録を行うことができるようになります。

試験自体はそこまで難易度の高いものではなく、また受験資格もないことから、しっかりと受験準備をすれば合格できる難易度の試験となっています。

貸金業務取扱主任者の資格を取得して、後々貸金業者登録を行ってファクタリング会社を設立する場合、従業員50人に対して1名の割合で貸金業務取扱主任者資格所有者が必要になりますので、覚えておきましょう。

純資産5,000万円以上を確保し登録を行う

国家試験に合格し、貸金業務取扱主任者資格を取得したら、貸金業務取扱主任者としての登録を行い、貸金業者としての許認可申請を都道府県に申請します。その申請のために必要になるのが純資産です。

貸金業者として登録して開業する以上、貸すためのお金が必要になります。このお金をある程度準備できているかどうかというのが、貸金業者登録の条件になっています。

必要になるのは純資産で5,000万円以上。この純資産5,000万円というのは、貸金業を営んでいる間、下回ってはいけないという条件があります。

また、貸金業務取扱主任者の資格には3年間という有効期限があり、有効期限内に更新のための講習を受講する必要があります。

貸金業者の許認可申請をした上でファクタリング会社を設立する場合には、国家資格の取得、また純資産の用意、そして許認可申請と多くの手順が必要となりますので、細かな条件を確認しつつ、しっかり準備して設立する必要があります。

ファクタリング会社の設立の問題点

ここまで説明した通り、ファクタリング会社を設立するためには、特別な免許の取得も、許認可申請も必要ありません。

比較的手軽に設立できるため、ファクタリングを利用する企業の増加に合わせて、どんどんファクタリング会社も増えているという現状もあります。

しかしそんな手軽さゆえに、問題点もあります。それが悪徳業者の存在です。

貸金業者を設立するためには、国家資格の取得や許認可申請が必要なため、悪徳業者も気軽に設立するというわけにはいきません。そのため、貸金業者登録をせず、違法な金利でお金を貸し付ける、いわゆる闇金業者という存在が多く存在しています。

しかし、近年は闇金業者の取り締まりも厳しくなり、また闇金業者から借りたお金は、元金も含め返済が不要であるという情報も広まってきたこともあり、闇金業者も活動しづらくなっています。

そんな闇金業者が目を付けたのがファクタリングです。ファクタリング会社であれば、許認可申請や資格取得の必要がなく、比較的手軽に設立できますし、提示する登録番号もありませんので、一見悪徳業者かどうか分かりにくいという特徴があります。

残念な事実ですが、現実にファクタリング会社を騙って設立された悪徳業者の会社は存在します。ファクタリング契約を装い、高金利の貸金契約を結んだり、資金繰りに困っている企業の情報を収集するなど、あくどい商売をしている業者は存在します。

こうした悪徳業者の存在が増えていけば、今後ファクタリング会社の設立にも法的な制限や、登録が必要になる可能性はありますが、現状ではこうした動きはありませんので、ファクタリング会社を選ぶ際には十分な注意が必要となります。

ファクタリング・設立のまとめ

ファクタリング会社は近年増加の傾向にあります。そんなファクタリング会社の設立には、特別な免許・資格の取得や許認可申請は必要ありません。

比較的誰でも設立は可能な状況ですので、今後もファクタリング会社は増えていくでしょう。

そうなった場合に注意したいのが悪徳業者の存在です。悪徳業者に引っかからないためにも、新たなファクタリング会社を利用する場合は、細かな部分までしっかりとチェックしてから契約するようにしましょう。

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