「請求書がないとファクタリングって利用できない?」
商取引においては、請求書が存在しないという掛け取引も存在するかと思います。ファクタリング契約では、基本的に請求書などを参考に売掛債権に関する審査が行われますので、請求書がないとファクタリング契約ができないと感じるかもしれません。
結論から言ってしまえば、請求書がなくても契約できるファクタリングは存在します。
では、なぜ請求書が重要なのか?重要な請求書がなくても契約できるのはなぜか?こういった点を中心に解説していきましょう。
請求書なしではファクタリングの申し込みはできない?
日本国内の商取引の多くは、掛け取引となります。商品やサービスを提供する企業が、先に商品やサービスを納品し、その後に請求書を発行。その請求書に記載されている期日通りに、納品を受けた企業が後日対価を入金するという流れが基本です。
この後日入金される対価を売掛金と呼び、この売掛金を回収する権利を売掛債権と呼びます。
ファクタリングとは、この売掛債権をファクタリング会社に譲渡することで、売掛金を入金期日前に受け取るという契約。
では、請求書がなければファクタリング契約はできないのか?この点に関してまずは答えていきましょう。
ファクタリング会社によって対応は変わる
請求書がなければファクタリング契約はできないのか?この問いの答えは「ファクタリング会社による」としか言いようがありません。
ファクタリング契約をする前には、必ず審査が行われます。この審査に関しては、ファクタリング会社が独自に行っているため、申し込むファクタリング会社によって必要となる書類にも差が出るということになります。
ファクタリング会社によっては請求書が必須で、請求書がなければ契約できないというケースもありますし、請求書以外の書類でも審査を受けられるというファクタリング会社もあります。
請求書がない売掛債権でファクタリングを申し込む場合は、まずは申し込むファクタリング会社がどのような書類を求めているかをチェック。場合によっては申込前に請求書がないと契約できないかどうかを、電話などで確認しておくのもいいでしょう。
請求書以外で売掛金の存在が証明できないと契約はできない
請求書がなければファクタリング契約ができないわけではないという会社でも、審査において重視されるのは、売掛金が存在するのかどうか、存在したとして期日までにしっかり支払われるかどうかという点です。
請求書は売掛金の存在を証明するための1つの書類ですが、その請求書がないという場合でも、何らかの方法で売掛金の存在が証明できなければいけません。
ファクタリング会社は、ファクタリング契約をして、売掛金を受け取ることで初めて儲けを出すことができます。そのため、売掛金が存在しない、もしくは存在しているものの、すでに他社に譲渡済であるなどというケースでは契約するわけにはいきません。
請求書の有無に関わらず、持ち込んだ売掛債権がきちんと存在しているということを証明できないと、ファクタリング契約はできないということになります。
請求書の代わりとなる書類
商取引によっては、請求書がそもそも存在しないというケースもあるでしょう。そんなケースの売掛債権でファクタリング契約をするには、請求書の代わりにどのような書類を提出すべきか。この点に関して解説していきます。
もちろん請求書がないと契約できないというファクタリング会社もありますので、ここでは請求書なしでも契約できるファクタリング会社で、請求書代わりに提出が求められることが多い書類を紹介していきます。
基本契約書
同じ取引先と定期的に取引を行う場合、基本契約書を取り交わして、納品のたびの請求書の発行を省くというケースもあるかと思います。こうした場合には、この基本契約書をもって請求書の代わり、つまり売掛金の存在証明とできるケースがあります。
基本契約書に取引に関する細かな事項が掲載されている場合は、この基本契約書を提出しましょう。
会社名義の通帳
こちらも同じ取引先と継続的な取引をしているケースで有効になる書類です。過去にどのくらいのタイミングで、どの程度の金額が同じ取引先から入金されているかを証明できれば、その取引先と継続的な取引があるという証明にもなります。
上で紹介した基本契約書と同時に提出を求められるケースも多く、また請求書があっても通帳の提示を求められるケースはありますので、通帳に関してはあらかじめ準備しておくといいでしょう。
納品書
商品やサービスを納品する際、何をどの程度納品し、その金額がどの程度になるのかを記載した納品書があれば、その納品書を持って売掛金の存在証明とできるケースもあります。
この場合納品書に何をどのくらい納品し、その代金がいくらかがハッキリと記載されていることが条件となります。
請求書がないと契約できない理由
ファクタリング契約において、請求書がなければ契約できないというファクタリング会社も少なくありません。
ではなぜそこまで請求書が重要なのか。この点を改めて解説していきましょう。
売掛金の存在を証明できない
売掛債権を譲渡する債権買取型のファクタリングの場合、その売掛金が存在するのかどうかというのは非常に大きなポイントとなります。
ファクタリング契約を結ぶことで、ファクタリングを申し込んだ企業は、手数料を支払うものの、売掛金を早期に現金化できるということになります。一方ファクタリング会社は、売掛金の未回収リスクを背負うものの、手数料収入を得ることができるということになります。
こうしたファクタリング契約を結ぶ以上、売掛金が存在する、また必ず支払われるというのが大きな条件です。
その売掛金が存在するのか、また存在した場合、期日までにきちんと納品されるのかという点に関してファクタリング会社は審査を行います。
審査をするにあたって、必要となるのが各種書類です。その中でも請求書は重要な書類となり、請求書なしではそもそも申し込めないというファクタリング会社があるわけです。
請求書がない取引だからと言って、請求書を自社で作成するのは問題なのかという点も気になるところ。
本当にその取引が存在したとしても、請求書の偽造は文書偽装の罪に問われる可能性があります。また、存在しない取引の請求書を偽造してファクタリングを申し込めば、詐欺罪が適用されます。
いかなる理由があるにしても、請求書の偽造は違法行為となる可能性が高いため、絶対にしないようにしましょう。
請求書だけではファクタリング契約できない
ファクタリング契約において、請求書は非常に重要な書類です。とはいえ、請求書1枚あればファクタリング契約ができるのかと聞かれればそういうわけでもありません。
ではファクタリング契約ではどのような書類が必要になるのか?代表的な書類に関して紹介していきましょう。
ファクタリング契約で求められる書類一覧
ファクタリング契約では、いろいろな書類の提出が求められます。また、提出が必要な書類に関しては、ファクタリング会社ごとに差がありますので、ここで紹介するすべての書類がないと契約できないというわけではありません。
それでも提出が求められるケースが多い書類は以下の通りとなります。
・商業登記謄本
・申込者の本人確認書類
・決算書か確定申告書
・会社名義の通帳
・印鑑証明登録書
・基本契約書や請求書など
・納税証明書や社会保険納付書
まず必要となるのが、申し込みを行い貸家が存在していることを証明するための登記謄本。申し込む会社が架空の会社ではないことを証明する必要があります。
申込者の本人確認書類ですが、ファクタリングの申し込みができるのは原則その企業の代表者のみです。代表者以外の従業員が、勝手にファクタリング契約を申し込み、売掛金を横領するような事態を防ぐためです。そのために申込者が代表者であることを証明する書類を用意しましょう。
ファクタリング契約は実印で行われますので、当然印鑑証明も必要です。
ここからは売掛金の存在を証明するための書類です。請求書や基本契約書、納品書といった、取引の存在を証明できる書類を用意しましょう。継続的に取引がある取引先との取引の場合、過去にその取引先から入金されたことがわかる通帳も必要です。
決算書や確定申告書はその企業の経営を確認するため、また納税証明書や社会保険納付書は税金や社会保険の滞納がないかを確認するための書類となります。
ファクタリング・できない・請求書のまとめ
請求書が存在しないと、ファクタリング契約ができないわけではありません。しかし請求書がない場合でも、売掛債権の存在を証明する書類の提出は必須となるため、事前にファクタリング会社に確認し、どのような書類があれば申し込めるかを確認しておきましょう。
ファクタリング契約は請求書以外にもいろいろな書類の提出が求められるケースがあります。必要書類に関してはファクタリング会社ごとに定めがありますので、事前にしっかり確認し、必要な書類を準備した上で申し込むと、審査から契約までスムーズに進み、現金化も早くなるでしょう。