ファクタリングFactoring

2023.12.20

介護の現場でも活躍する介護報酬ファクタリングとは?

「介護報酬ファクタリングって何?」
「普通のファクタリングとは違うの?」

介護事業者の中には、まだ介護報酬ファクタリングを利用したことがないという方も多いかと思います。

まずファクタリングとは、経済産業省も利用を推奨している資金調達法であり、怪しい方法ではありません。

さらに言えば、介護報酬ファクタリングは、ファクタリングの中でも利用しやすい契約方法であると言われています。

そんな介護報酬ファクタリングの特徴に関して説明していきたいと思います。

介護報酬ファクタリングとは?

介護報酬ファクタリングとは、文字通り介護事業者など、介護報酬を受け取る事業者が利用できるファクタリングサービスとなります。

ファクタリングにはいろいろな種類があり、そんなファクタリングの種類の一つと考えていただければ問題ありません。売掛債権を手にすることがほとんどない介護事業者が利用できるタイプのファクタリング契約ということになります。

介護報酬を早期に現金化可能

介護報酬ファクタリングは、文字通り介護報酬を早期現金化するファクタリングとなります。

介護事業者は、介護対象となる患者から報酬を受け取りサービスを提供しますが、この報酬は、原則保健の対象となります。そのため患者から支払われる報酬は、介護報酬全体の3割ということになり、残り7割は健康保険団体から報酬を受け取るという形になります。

健康保険団体から介護報酬を受け取ることができるのは、基本的には介護サービス提供の2ヶ月後です。この2ヶ月後のはずの入金を1ヶ月以上早く現金化できるファクタリングサービスとなります。

介護報酬ファクタリングの仕組み

介護報酬ファクタリングは、一般的なファクタリングとは少々違った部分があります。細かな違いに関してはこの後詳しく解説しますが、まずはどのような仕組みで契約が行われるのかという部分に関して解説していきます。

買取型ファクタリングの社間ファクタリングと同様のシステム

介護報酬ファクタリングは、一般的なファクタリングで言えば、買取型の3社間ファクタリング契約ということになります。

買取型ファクタリングですので、ファクタリングを申し込む介護事業者は、手元にある債権をファクタリング会社に譲渡します。また、3社間ファクタリングですから、この契約には当然取引先である健康保険団体も参加するという形になります。

介護報酬ファクタリングの流れ

ここからは具体的な介護報酬ファクタリング契約の流れを紹介していきたいと思います。

介護報酬債権をファクタリング会社に持ち込み審査を受ける

まずは介護事業者が健康保険団体に請求する債権をファクタリング会社に持ち込みます。

介護報酬ファクタリングの場合でも、当然ですが審査は行われます。とはいえ審査のポイントが一般的なファクタリングとは少々違うのはひとつのポイントでしょう。

一般的なファクタリングの場合、取引先の信用度が審査の中心となりますが、その取引先は公的機関である健康保険団体です。まず未払いというリスクはないため、審査のポイントは介護報酬がきちんと実在するものかどうかという点ということになります。

一般的なファクタリングも審査は緩いと言われていますが、それ以上に審査に通りやすいのが介護報酬ファクタリングといえます。

健康保険団体へ債権譲渡通知を行い契約

審査の結果、ファクタリング会社から契約条件が提示されますので、その条件に異存がなければ契約に進みます。

契約に関しては、取引先である健康保険団体にも参加してもらう必要がありますので、健康保険団体に債権譲渡通知を送ります。

健康保険団体は介護報酬ファクタリングというサービスを理解していますので、必要以上の連絡はせずとも問題なく契約に参加してくれますので安心です。

ファクタリング会社から1度目の入金

契約が成立したら、介護報酬債権を譲渡した対価が介護事業者に入金されます。とはいえ契約の全額が入金されるというわけではありません。このタイミングで入金されるのは、債権の額面金額の8割程度になるのが一般的です。

これは介護報酬ファクタリングや、医療報酬ファクタリングの特徴。介護報酬債権は、すべてが現金化されるとは限らないという問題があります。健康保険団体がチェックを行い、申請に関して不備があるケースなどは報酬が支払われません。

一般的なファクタリングで考えれば、請求書の金額が全額支払われないということは起こりませんが、介護報酬債権に関しては、こうしたことが起こる可能性があるということになります。

そのためまずは全体の8割程度を目安に現金が入金されます。

健康保険団体からファクタリング会社に入金

介護報酬債権に関するチェックが完了したら、健康保険団体は直接ファクタリング会社に報酬を入金します。3社間ファクタリングの形ですので、この時介護事業者を経由することはありません。

ファクタリング会社から2度目の入金

ファクタリング会社は介護報酬を受け取ると、すでに介護事業者に入金済の部分を差し引いた、残りの金額を介護事業者に支払います。

この2回目の支払いが完了すれば、介護報酬ファクタリングの契約は完了という形になります。

介護報酬ファクタリングのポイント

介護報酬ファクタリングは原則買取型のファクタリングです。買取型のファクタリングの特徴は、売掛金(介護報酬)を早期に現金化できること、また借入金ではないため、利用した企業(介護事業者)の信用情報に影響を与えないということが挙げられます。

さらに介護報酬ファクタリングには、一般的な買取型ファクタリングとは違う特徴がありますので、この点を紹介しておきましょう。

入金は2回に分けて行われる

介護報酬ファクタリングは、上の流れの解説の部分でも紹介した通り、入金が原則2回に分けられます。理由も上記の通りで、介護報酬という特殊な債権ならではの特徴といえるでしょう。

介護報酬ファクタリングが、介護報酬の早期現金化がかなう資金調達法ではありますが、額面金額通りに全額がすぐに現金化できるというわけではありませんので、この点は覚えておきましょう。

現金化のタイミングという繋がりでもうひとつ紹介しておくと、申し込みから現金化までやや時間がかかるというのも介護報酬ファクタリングの特徴です。

一般的な2社間ファクタリングの場合、申し込みから現金化まで2~3日というケースが多く、中には申し込み即日に現金化というファクタリング会社も少なくありません。

しかし介護報酬ファクタリングは3社間ファクタリングであることもあり、申し込みから1~2週間後に現金化というのが一般的ですので、こちらも併せて覚えておきましょう。

手数料が安い

介護報酬ファクタリングの大きな特徴としては、手数料が安いという点が挙げられます。

一般的な買取型ファクタリングの場合、2社間ファクタリングで10~30%程度、3社間ファクタリングで1~9%程度が手数料相場とされています。

これに対して介護報酬ファクタリングの手数料相場は0.2~0.5%程度。一般的なファクタリングと比較すると圧倒的な安さです。

これはまず3社間ファクタリングであるということに加え、取引先が健康保険団体であるという点が大きいといえるでしょう。

健康保険団体は公的機関です。まず未払いという可能性はなく、取引先の信用度は非常に高いといえます。ほぼ確実に入金されると分かっているのであれば、ファクタリング会社としても手数料を下げても契約は可能ということになります。

介護事業者の方で、資金繰りに困っている、もしくは急に現金が必要になったという方にとって、介護報酬ファクタリングという資金調達法は非常に心強い方法であるといえるでしょう。

ファクタリング・介護のまとめ

介護の現場で活躍する企業が利用できるのが介護報酬ファクタリング。

介護報酬ファクタリングは、健康保険団体から2ヶ月後に入金される介護報酬を早期現金化し受け取れるというもの。契約に関しては審査に通りやすく、また手数料も安い設定になることが多いため、非常に利用しやすいファクタリングといえるでしょう。

ただし、ファクタリングの申し込みから現金化までやや時間がかかる、またまとめて一括で入金されないなどの注意点もありますので、このあたりを注意して賢く利用しましょう。

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