ファクタリングFactoring

2023.12.19

ファクタリングで「対抗要件」が重視される理由とは?

「対抗要件って何?」
「ファクタリング会社ってなんで対抗要件にこだわるの?」

対抗要件という単語は、主に法律関係でよく使われる言葉のため、あまり耳慣れないかと思います。もちろん字面からなんとなくイメージはつくかと思いますが、なぜファクタリング契約でこの対抗要件が重視されるのか、この点を不思議に感じている方も多いかと思います。

この記事ではそんな対抗要件という単語の意味や、ファクタリング契約で重要になる理由などに関して解説していきたいと思います。

ファクタリング契約の基本

まずは何よりファクタリング契約の基本を解説しておきましょう。

ファクタリング契約といっても、いろいろなタイプの契約があります。また、限定的な業種のみが利用できる契約方式もあります。細かく書いていくと非常に多くの契約方法が存在します。

この多彩な契約方法の中で、この記事では債権買取型のファクタリングに関して説明していきましょう。

もっともメジャーな契約は債権買取型契約

数あるファクタリング契約の中で、もっともメジャーな契約方法が、売掛債権の買取型ファクタリングです。

ファクタリングの利用を希望する企業が、ファクタリング会社に手持ちの売掛債権を持ち込み、その売掛債権をファクタリング会社に譲渡することで、売掛金を入金期日前に現金化するという契約方法で、近年利用企業が増えている資金調達法となります。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがある

債権買取型のファクタリングには、2社間ファクタリングと、3社間ファクタリングがあります。

2社間ファクタリングとは、ファクタリングを利用する企業とファクタリング会社の2社で契約する契約方法で、3社間ファクタリングはこの2社に加え、売掛先である取引先も含めた3社間で結ばれる契約方法です。

この2つの契約方法にはそれぞれ特徴やメリット、デメリットがありますが、この記事では「対抗要件」にスポットを当てたいので、細かくは触れません。買取型のファクタリングには2つの契約方法があるということだけ紹介し、次に進みたいと思います。

対抗要件とは?

では「対抗要件」とは何か?この点を簡単に説明していきます。対抗要件は正確には「第三者対抗要件」といいます。主に法律問題で使用される言葉ですので、あまり聞きなれないという方も多いかと思います。

簡単に言ってしまえば、すでに成立している法律関係、権利関係を第三者に対して証明するための要件ということになります。

これだけでは分かりにくいと思いますので、ファクタリングにおける対抗要件に関して細かく説明していきましょう。

ファクタリング契約における対抗要件

債権買取型ファクタリングとは、上でも説明した通り、売掛債権をファクタリング会社に譲渡する契約です。

売掛債権とは、売掛金を受け取る権利ですので、買取型ファクタリングの契約は、権利関係の契約ということになります。

しかし譲渡するものが「権利」という実体がないものだけに、本当に譲渡されているのかどうか、確認が難しいという点があります。もしそこに第三者が現れ、「その債権はすでに自分が譲渡されている」と主張した場合、契約を証明する物証が契約書以外ないということになります。

そんな第三者の主張に対し、契約書以外に、公的に認められるような証拠を対抗要件と言い、ファクタリング会社の多くはこの対抗要件をしっかりと確保した上での契約を望むということになります。

対抗要件を満たすための契約内容

ではファクタリング契約において、対抗要件を満たすためにはどのような条件が必要になるのか。一般的なファクタリング契約の内容から、対抗要件となるものを紹介していきます。

買取型ファクタリングの対抗要件に関しては、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで違いがありますので、その点も併せて紹介していきます。

2社間ファクタリングであれば債権譲渡登記

2社間ファクタリングにおける対抗要件となるのは「債権譲渡登記」です。

2社間ファクタリングは利用企業とファクタリング会社の2社のみで契約する方法ですので、債権が譲渡されたことを認める第三者を介さない契約となります。それでは対抗要件を満たさないために、多くの2社間ファクタリングでは、この債権譲渡登記が付随されます。

債権譲渡登記とは、登記所に債権が譲渡された事実を登録する契約。つまり登記所という公的機関に、いつ誰から誰に債権が譲渡されたかを登記することで、対抗要件を満たす形になります。

債権譲渡登記を行っておけば、契約後に第三者が「その債権はうちの物だ」と主張してきても、誰が見ても明らかな譲渡の証拠として主張することができるということになります。

3社間ファクタリングの場合は債権譲渡通知

3社間ファクタリングの場合、債権譲渡登記は原則行われません。なぜなら契約に売掛先が加わるからです。

3社間ファクタリングを希望した場合、契約前にファクタリング会社と利用企業が連名で売掛先に債権譲渡通知を送ります。この債権譲渡通知を受け取った売掛先が、その譲渡に反対せずに、契約に賛成した場合に限り3社間ファクタリングは成立します。

そもそも売掛金を支払う売掛先が、債権譲渡を知っているということは、債権譲渡を証明する第三者がいるということ。債権譲渡通知を行い、その上で契約できれば、対抗要件を満たすということになります。

債権譲渡登記にかかる費用

3社間ファクタリングの債権譲渡通知に関しては、ほとんど費用はかかりません。費用面で大きいのが2社間ファクタリングの債権譲渡登記です。

登記所に登記するのは司法書士の独占業務となっていますので、債権譲渡登記に関しても外部の司法書士にその業務を委託することになります。

債権譲渡登記に必要な費用は、この司法書士への報酬と登録免許税7,500円です。司法書士への報酬の相場は5~10万円程度となります。

費用は利用企業の負担

2社間ファクタリングにおける債権譲渡登記に関する費用は、利用企業の負担となります。ここで知っておきたいのが、額面金額の低い売掛債権の場合、債権譲渡登記費用の占める割合が大きくなるという点です。

債権譲渡登記の費用は、その債権の額面金額にかかわらず一定です。仮に司法書士への報酬が5万円の場合、譲渡登記費用は62,500円となります。報酬5万円とその報酬の消費税が5,000円、そして登録免許税の7,500円の合計金額です。

売掛債権の額面金額が50万円、手数料が10%で譲渡登記費用が上記の通りですと、利用企業が手にできる現金は387,500円(500,000-50,000-67,500)となり、額面金額の77.5%となります。

同じ条件で額面金額が1,000万円の場合、手にできる現金は8,932,500円となり、額面金額の89.3%となります。

債権譲渡登記の費用によって、これだけ手にできる現金のイメージは変わりますので、あらかじめ理解し、どの程度の額面金額で、どのくらいの現金が手に入るかイメージしておくといいでしょう。

ファクタリング・対抗要件のまとめ

買取型ファクタリング契約は、債権譲渡契約であり、その契約の存在を証明するためには、第三者もしくは公的機関に契約の証明をしてもらう必要があります。

契約の存在を証明できるようにしておくことで、対抗要件を持つ契約となり、万が一契約上の問題が発生した場合でも、ファクタリング会社は被害を最小限に食い止めることができます。

ファクタリング会社にとって、ファクタリング契約での最大の注目点は、売掛金がきちんと自社に入金されるかどうかです。そのために必要となる条件は、すべて契約内容に含まれることになります。

2社間ファクタリングの債権譲渡登記に関しては、少なからず取引先にファクタリングの利用が知られる可能性がある条件とはなりますが、知られる可能性は限りなく低いといえますので、契約の際はしっかりと債権譲渡登記も含めて契約するようにしましょう。

また債権譲渡登記の有無で、手にできる現金額に差が出ますので、事前にどの程度の現金が手に入るのかは、しっかりファクタリング会社に確認の上契約を結ぶようにしてください。

最近の投稿

カテゴリー

人気記事

まだデータがありません。

\お電話でのお問合わせはこちらから/

0120-843-075

平日 9:00~19:00

\フォームからのお問合わせはこちらから/

お問い合わせお問い合わせ

24時間いつでも受付ております。
お気軽にお問合わせください。