「まだ起業して間もないんだけどファクタリングって利用できる?」
「ベンチャー企業だからと言われて資金融資が受けられなかったんだけど…」
ベンチャー企業を立ち上げ、事業を展開してみたものの、なかなか資金繰りが難しいといったベンチャー企業の経営者の方も多いかと思います。
そんな経営状況を改善させるためには、運転資金の確保、資金調達が重要になります。そんな資金調達法として考えられるのがファクタリングです。
では、ベンチャー企業でもファクタリングは利用できるのでしょうか?また利用できるとして気を付ける点はあるのか?そのあたりに関して解説していきます。
ベンチャー企業でもファクタリングは利用できるのか?
新たに起業したベンチャー企業の中で、5年以上事業を継続できるのはほんの一握りであるとも言われています。それだけ企業経営は難しく、継続して利益を出し続けるのは簡単ではないということになります。
こうしたベンチャー企業が資金繰りに困った場合、検討できる手段には限りがあります。公的資金や銀行等の融資は審査が厳しく、また現金化まで数ヶ月単位で時間がかかるため、なかなか利用しづらいところ。
とはいえ社債や株式の発行と言っても、資金化できるまでにやはり時間がかかりますし、購入してくれる方も多くはないでしょう。
そんなベンチャー企業でも利用できる資金調達法がファクタリングです。ファクタリングは例え創業1年未満のベンチャー企業でも利用できる可能性があり、しかもメリットの大きい資金調達法です。
資金繰りに困った時にはファクタリングの利用を検討するのもいいでしょう。
ベンチャー企業でもファクタリングを利用できる理由
ベンチャー企業の多くは創業からの期間が短い企業となります。創業1年以内という企業も多いですし、他社との取引実績が少ない企業も数多くあります。
こうした取引実績の少ないベンチャー企業が、資金融資などの審査に通過するのは簡単ではありません。ではなぜファクタリングであれば利用ができるのか。その理由はファクタリングが持つ特徴を見ると分かります。
ファクタリングの特徴を紹介しつつ、ベンチャー企業でも利用しやすい理由を解説していきましょう。
売掛債権の譲渡契約だから
ベンチャー企業が資金融資を受け取るのが難しいという理由は、やはり事業の実績が少なく、将来に渡って貸し付けた金額を返済できるかどうかの判断が難しいからです。
しかし、ファクタリングの場合、手元に売掛債権があれば利用可能です。契約は債権の譲渡契約となり、貸金契約ではありません。返済の必要がないため利用するベンチャー企業のこれまでの事業実績とは関係なく利用できます。
審査で重要視されるのは取引先の信用度だから
ベンチャー企業でも比較的利用しやすいファクタリングでも、契約前には必ず審査が行われます。審査が行われる以上、当然ですが審査に落ちる可能性もあるわけです。事業実績の少ないベンチャー企業の場合、審査に通るのは厳しいと感じるかもしれません。
上でも少し触れた通り、金融機関からの資金融資審査のように、審査の対象がファクタリングを申し込んだベンチャー企業の場合、審査に通過するのは難しいということになります。
しかしファクタリングの審査で重視されるのは、申し込んだベンチャー企業の情報ではなく、売掛先である取引先の信用度となります。ファクタリング会社としては、申し込まれた売掛債権の売掛金がしっかり支払われるかどうかというのが重要。
売掛金を支払うのは取引先ですから、ファクタリング審査では取引先の信用度が重視されるわけです。
例え申し込んだのが起業間もないベンチャー企業だったとしても、取引先が信用できる会社であれば、十分審査に通過する可能性があります。
担保や保証人がいらない
ファクタリングは売掛債権の譲渡契約です。売掛債権をファクタリング会社に売却し、その売却益を得るという資金調達法です。貸金契約ではないので、担保や保証人を用意する必要がありません。
資金融資のような貸金契約の場合、契約のためには担保を用意したり、保証人を準備する必要があります。まだ事業実績の少ないベンチャー企業の場合、担保にできるような資産があるケースも少ないですし、保証人になってくれる方も多くはないでしょう。
担保・保証人不要というのが、ベンチャー企業でもファクタリングが利用しやすい大きな理由の一つとなります。
ベンチャー企業でも利用しやすいファクタリング
ファクタリングにはいろいろな種類があります。申し込む側はその中からどんな契約方法にするか選ぶわけですが、では起業してまださほど時間が経っていないベンチャー企業がファクタリングを利用する場合、どんな契約方法がいいのかを考えてみましょう。
2社間ファクタリングがおすすめ
ファクタリングで資金調達を目指すのであれば、おすすめは買取型ファクタリングの2社間ファクタリングです。
一般的な買取型ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。2社間ファクタリングは、申し込んだベンチャー企業とファクタリング会社の2社の間で契約する方法です。3社間ファクタリングはこの2社に加え、売掛先である取引先も加えた3社間で契約をします。
3社間ファクタリングの場合、ファクタリングを申し込む旨を取引先に伝え、契約に参加してもらう必要があります。ファクタリング自体は合法な資金調達法ですし、実際に金融庁もHPで利用を推奨している資金調達法です。
しかし、ファクタリングを利用するということは、それだけ資金繰りが厳しい会社であるというイメージを取引先に与えかねません。取引先としては、資金繰りが厳しい企業との取引は控えたいもの。3社間ファクタリングを利用することで、その後の取引に影響を与える可能性があります。特に事業実績の少ないベンチャー企業の場合は、その傾向が顕著になります。
後の取引に影響を与えないためにも、2社間ファクタリングを申し込みましょう。
ちなみに2社間ファクタリングの場合、ファクタリングを利用していることは取引先には知られませんのでご安心ください。
ベンチャー企業がファクタリングを利用するメリット
ベンチャー企業がファクタリングを利用して資金調達する場合、メリットとデメリットがあります。まずはメリットに関して紹介していきましょう。
現金化が早い
ファクタリングの大きなメリットは、現金化が早いという点が挙げられます。一般的なファクタリングでも、申し込んでから現金化まで2~3日というのが一般的。入金日まで1ヶ月以上ある売掛金が、申し込んで3日で現金になりますので、ベンチャー企業としても資金繰りが非常に楽になります。
また、一部のファクタリング会社では、申し込み即日の現金化にも対応。急遽現金が必要になった場合でも、利用できるということになります。
ベンチャー企業で、仮に金融機関からの資金融資を受けられるという場合でも、申し込みから数週間から数ヶ月時間がかかりますので、現金化のスピードとしては圧倒的にファクタリングの方が早いということになります。
オフバランス化が図れる
ファクタリングを利用すると、手元にある売掛債権が現金化されます。そのためバランスシートがオフバランス化されます。バランスシートがオフバランス化されると、企業としては健全な経営ができているという評価を受けやすくなります。
ベンチャー企業の場合、ある程度事業実績を重ね、更なる事業拡大を目指す場合など、金融機関に資金融資を申し込みたくなるケースもあるでしょう。
ファクタリングは貸金契約ではありませんので、いくら利用しても信用情報に影響は与えません。しかもバランスシートのオフバランス化が叶いますので、むしろ後の信用情報は良くなる可能性があり、資金融資も受けやすくなる可能性があります。
ベンチャー企業がファクタリングを利用するデメリット
ベンチャー企業がファクタリングを利用する場合には、デメリットも当然あります。そんなデメリットを紹介しておきましょう。
手数料が高額になる
ベンチャー企業がファクタリングを利用する場合のデメリットとしては、手数料の高さが挙げられます。
ファクタリング契約では手数料が設定されます。2社間ファクタリングでの手数料相場は10~30%程度ですが、その中でも比較的手数料は高くなる可能性があります。
ファクタリング契約の手数料は、売掛金の未回収リスクの大きさによって決まります。2社間ファクタリングの場合、重要視されるのは取引先の信用度ですが、申し込んだベンチャー企業の信用度もある程度審査対象となります。ベンチャー企業の場合、この信用度が低いと判断されやすく、そのため手数料が高くなるわけです。
また、起業して1年以内の企業からの申し込みは受け付けていないファクタリング会社もあり、この点もデメリットとなります。
ファクタリングとベンチャー企業のまとめ
ファクタリングとは、手元にある売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、売掛金を早期現金化する資金調達法です。この資金調達法は起業して日が浅いベンチャー企業でも利用できる資金調達法ですので、ベンチャー企業にとってはありがたいサービスといえます。
ただし、ベンチャー企業が利用する場合は、やや手数料が高くなる傾向にありますので、その点は注意して、ファクタリングの契約条件をしっかりと加味した上で契約するかどうか決めるようにしましょう。