「ブラックリストに載っているかもしれないからファクタリングは利用できないかも」
「ファクタリングの利用ってブラックリストに残る?」
過去に支払うべきお金の支払いをしなかった、もしくは大幅に遅れた経験があるという方は、このブラックリストという言葉に非常に敏感になっているかと思います。
では、実際にブラックリストに載っている方は、ファクタリングを利用できるのか?特に個人事業主やフリーランスの方の中には気になる方もいらっしゃるかと思います。
そこで、この記事ではファクタリングとブラックリストの関係性に関して解説していきたいと思います。
ブラックリストとは?
いわゆる「ブラックリスト」とは、信用情報会社が持つ信用情報における「事故情報」のことを指します。
この事故情報とは、過去に借金をして返済が遅れたことがある、賃貸住宅の家賃を支払わなかったことがある、電気やガスや水道といった公共料金が未納だった過去があるなど、払うべきお金を支払わなかったという情報です。
また、事故情報にはほかにも自己破産や債務整理を行ったという情報も記載されるため、こうした経験がある方はブラックリストに載っている方ということになります。
ブラックリストへの掲載期間に関してはいろいろな条件がありますが、1度ブラックリストに載ると5年間ほどはその情報が信用情報会社に残るといわれています。
ブラックリストに載っている方はファクタリングを利用できるか?
ではこのブラックリストに名前が載っている方は、ファクタリングを利用できるのでしょうか?企業の経営者ということであればそこまで気にならないかもしれませんが、フリーランスや個人事業主の方は気になるポイントかと思います。
ブラックリストとファクタリングの関係に関して簡単に解説していきます。
ブラックリストに載っていてもファクタリングは利用可能
例えブラックリストに載っている方でもファクタリングの利用は可能です。
ブラックリストに載っているのは、上記の通り支払うべきお金を支払わなかったという情報。一方ファクタリングで結ばれる契約は、売掛債権の譲渡契約です。
返済する必要があるお金を借りるという契約ではないため、ブラックリストとファクタリングには関連性がないということになります。
ブラックリストは貸金業者が参考にする信用情報
ブラックリストとは、貸金業者が返済義務が生じる貸金契約を結ぶ際に参考にする情報です。過去に支払うべきお金を支払わなかった経験がある顧客に対しては、貸金業者もお金を貸したくない、貸すにはリスクがあるということを判断するための情報です。
ファクタリングはお金を借りるわけではなく、債権を売ってその対価を受け取るという契約ですので、お金が返済されないという心配は必要ないということになります。
ファクタリング契約と貸金契約の違い
ファクタリングは債権の譲渡契約であり貸金契約ではありません。では、ファクタリングと貸金契約にはどのような違いがあるのか。この点を解説していきましょう。
ファクタリングに返済義務はない
ファクタリングは売掛債権の譲渡契約です。売掛債権をファクタリング会社に売却し、その売却益を得る契約ですから、「返済」という義務は発生しません。
債権買取型のファクタリング、特に2社間ファクタリングの場合、最終的に利用企業がファクタリング会社に支払いをして契約が完了しますが、この支払いも返済ではありません。
2社間ファクタリングでは、売掛債権の所有権は利用企業からファクタリング会社に移ります。しかし、譲渡されるのは権利だけであり、売掛債権の内容までは変更されません。つまり、売掛金は譲渡前と変わらず利用企業の口座に振り込まれることになります。
形としては、ファクタリング会社が回収すべき売掛金を、利用企業が代わって回収するという形になり、代理で回収した売掛金をファクタリング会社に送金するのは、返済ではないということになります。
返済義務がないため利用しやすい。これがファクタリングの大きなメリットともなります。
審査のポイントが違う
貸金契約でもファクタリングでも契約前には必ず審査が行われます。貸金契約で審査されるのは、貸したお金がきちんと回収できるかどうかという点。そのため申し込んだ方の信用情報をチェックし、ブラックリストに載っていないかどうかがチェックされます。
一方ファクタリングの審査で重視されるのは、売掛金が入金されるかどうかという点です。つまり利用した企業ではなく、取引先が売掛金を支払えるかどうかがもっとも重視されるポイントということ。
この審査のポイントの違いも利用企業にとってはファクタリングが利用しやすいという理由の一つといえるでしょう。
ファクタリングの方が審査が甘い傾向にある
同じく審査に関して言えば、ファクタリング審査の方が甘い傾向にあります。何しろ重視されるのは利用企業ではなく取引先の情報ですから、取引先さえしっかりしていれば高確率で審査に通過するということになります。
貸金契約では、ある程度の期間継続して返済を続けていけるかどうかという点が審査されます。今現在の利用企業の財務状況だけではなく、近い将来の財務状況なども考慮したうえでの審査となりますので、どうしても審査は厳しくなるわけです。
信用情報に影響がない
ファクタリングと貸金契約の違いとしては、利用した後の信用情報への影響という点も挙げられます。
貸金契約は借入金となりますので、当然信用情報に掲載されます。また、その借入金の返済ができなければブラックリスト入りということになります。
一方債権譲渡契約であるファクタリングの利用は信用情報に影響を与えません。手持ちの資産を現金化しただけですので、当然信用情報とは関係ないということになり、利用後も信用情報はきれいなままということになります。
ファクタリングでブラックリストに載る可能性は?
ファクタリングを利用することで、ブラックリストに載ることはあるのか?この点に関して簡単に説明しておきましょう。
信用情報会社のブラックリストには載らない
ここまでこの記事を読み進めていただいた方はもうお分かりかと思いますが、ファクタリングを利用したからといって、信用情報会社のブラックリストに載るということはありません。
特に個人事業主やフリーランスの方は、ファクタリングを利用しないで公共料金を滞納することになってしまえば、その情報はブラックリストに載ります。ファクタリングを利用して支払いを行えば、ブラックリストに載ることはないということになります。
保証会社のブラックリストには載る可能性がある
ブラックリストと言っても、多くの金融機関が参照する信用情報会社のブラックリストではなく、保証会社のブラックリストに載る可能性はあります。
上で少し触れた2社間ファクタリングの契約の最後に、売掛金を送金するという作業が、期日までに行われないとなると、ファクタリング会社は保証会社から保証を受けることになります。
当然売掛金は保証会社が回収することになりますが、この情報は利用した保証会社の独自のブラックリストには載るでしょう。
この保証会社が複数のファクタリング会社と契約をしていると、支払いが遅れた企業は当分の間ファクタリング審査に通りにくくなる可能性があります。
広く一般的に使われるブラックリストとは少々意味合いが違いますが、支払いが遅れると別のブラックリストに載る可能性がありますのでご注意ください。
ファクタリング・ブラックリストのまとめ
一般的にブラックリストと呼ばれるのは、信用情報会社の事故情報です。この事故情報に関しては、ファクタリング契約には原則影響がありませんので、仮にブラックリストに載っていたとしても、ファクタリングの利用は可能です。
ファクタリングは貸金契約ではなく、債権譲渡契約ですので、返済の義務もありません。比較的利用しやすい資金調達法となります。
ただし、そのファクタリング契約の中で、支払うべきお金の支払いを怠る、遅れるといった場合、ファクタリング会社、もしくは保証会社のブラックリストに載る可能性はありますので、この点は十分注意しておきましょう。
-+9