ファクタリングFactoring

2023.12.05

ファクタリング会社に大企業は存在するのか?

「ファクタリングを利用するなら大企業の方が安心だよね?」
「大企業がファクタリングなんて提供しているの?」

日本国内のファクタリング会社も近年増加の傾向にありますが、いわゆる大企業に分類されるファクタリング会社というのはまだ存在しません。

しかし、大企業と呼ばれる企業のグループ会社にファクタリング会社があるというケースはあります。

ではこうした大企業系のファクタリング会社にはどのような特徴があるのか?利用すべきなのか?という点に関して解説していきたいと思います。

ファクタリング会社の中にも大企業はある?

ファクタリングというサービス自体が比較的新しいサービスであり、ファクタリング業を専業にしている会社の中で、いわゆる大企業と呼ばれるような会社はほぼありません。

もちろんこれから日本国内でファクタリングという資金調達法が一般的になり、利用する企業が多くなれば、大企業と呼ばれるようなファクタリング会社が出てくる可能性はありますが、現状はないというのが正確なところでしょう。

大企業のグループ会社はある

ちなみに日本国内で「大企業」に分類されるのは、従業員数が1,000人を超える企業です。日本国内における大企業の割合は0.3%程度と言われており、この中にファクタリング会社はありません。

しかしこうした大企業のグループ会社であるファクタリング会社というのは存在します。ファクタリング会社自体が大企業というわけではありませんが、関係性が深い会社であれば存在するということになります。

ファクタリング会社の分類

ファクタリング業界には大企業はありませんが、大企業のグループ会社であるファクタリング会社は存在します。

そこでまずはファクタリング会社を大きく3つに分類して考えてみたいと思います。

銀行系ファクタリング会社

ファクタリング会社の中で、大企業のグループ会社となると、この銀行系ファクタリング会社がその対象となります。

多くの銀行が系列のファクタリング会社を持っており、こうした銀行の中にはいわゆる大企業に分類される銀行が数多くあります。

みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、りそな銀行、三井住友銀行といった都市銀行はもちろん、地方銀行でも横浜銀行などは大企業に分類されており、それぞれファクタリング会社を持っています。

ノンバンク系ファクタリング会社

ノンバンク系とは、銀行と同じく金融機関に分類されるものの、預貯金などを預かることがない業種を指します。主な業種としては信販会社や消費者金融などがこのノンバンクに当たります。

ノンバンク系のファクタリング会社というのも数が多く、大企業とまではいわないまでも、ある程度後ろ盾がしっかりとしたファクタリング会社ということになります。

日本国内の大企業という概念には沿わないものの、ファクタリング業界においては、銀行系・ノンバンク系のファクタリング会社が大企業と考えることもできるでしょう。

独立系ファクタリング会社

最後に紹介するのが、銀行やノンバンクなどのグループ会社ではなく、単独で営業しているファクタリング会社です。こうしたファクタリング会社は独立系と呼ばれ、ファクタリング業界ではもっとも数が多いのがこの独立系ということになります。

大手のファクタリング会社とは違い、後ろ盾に大企業がない分知名度は高くありませんが、そんな中で顧客を獲得するため、より顧客に寄り添ったサービスを提供している会社が多いのが一つの特徴といえるでしょう。

大企業系のファクタリング会社を利用するメリット

この記事では、銀行系およびノンバンク系のファクタリング会社を、大企業系のファクタリング会社と考え、こうした大企業系のファクタリング会社に関してここから紹介していきます。

まずは大企業系のファクタリング会社を利用するメリットから紹介していきましょう。

資金面に不安がない

大企業系のファクタリング会社を利用する大きなポイントとしては、なんといっても資金面での不安が少ないという点が挙げられます。

大企業系ではない独立系のファクタリング会社の場合、利用した後にそのファクタリング会社が倒産する、ファクタリング会社の資金繰りが厳しくなるという可能性も無視できません。

その点、背後に銀行やノンバンクがある大企業系のファクタリング会社は利用しやすいといえるでしょう。

悪徳業者につかまる可能性はなくなる

ファクタリング会社の中には、一定数悪徳業者が紛れ込んでいます。こうした悪徳業者は、ファクタリング契約に見せかけて高金利の貸金契約を結んだり、厳しい取り立てを行うなど、一度関わると大きなダメージを被るケースも少なくありません。

ファクタリング業界にこうした悪徳業者が存在する大きな理由としては、ファクタリング会社を開業する際に、許認可や免許の取得が不要であるということが挙げられます。

当然こうした悪徳業者は、大企業のグループ会社ということはありませんので独立系となります。

大企業系のファクタリング会社を選んでさえいれば、こうした悪徳業者の被害に遭う可能性はほぼ0にすることができるわけです。

手数料が安い傾向にある

大企業系のファクタリング会社の大きな特徴として、一般的なファクタリング会社よりも手数料が安い傾向にあるという点が挙げられます。その理由に関しては、この後の項目でも解説していきますが、傾向として覚えておきましょう。

ファクタリング契約における手数料とは、利用する企業にとっては純粋に損失となる部分。この損失を抑えることができるというのは大きなメリットといえるでしょう。

大企業系のファクタリング会社を利用するデメリット

大企業系のファクタリング会社を利用する場合は、メリットだけではなくデメリットもあります。こうしたデメリットをいくつか紹介していきましょう。

2社間ファクタリングに対応していない会社もある

すべての大企業系ファクタリング会社がそうというわけではありませんが、特に銀行系のファクタリング会社は、3社間ファクタリングにしか対応していない会社が中心となります。

ファクタリングには、利用する企業とファクタリング会社の2社で契約する2社間ファクタリングと、そこに取引先も含めた3社で契約する3社間ファクタリングがあります。

2社間ファクタリングの場合、取引先に知られることなく利用ができますので、その後の取引にも大きな影響は与えません。

しかし3社間ファクタリングの場合、取引先も契約に加わりますので、取引先にファクタリングの利用が知られます。

ファクタリングを利用するということは、それだけ資金繰りに困っている企業であるというイメージに繋がり、その後の取引が縮小する可能性があります。

ただし3社間ファクタリングの方が売掛金を回収できないリスクが低くなりますので、手数料は安くなります。

大企業系のファクタリング会社の方が手数料が安い傾向にあるひとつの理由が、この3社間ファクタリングが中心ということが挙げられます。

審査が厳しい傾向にある

大企業系のファクタリング会社は、総じて審査が厳しい傾向にあります。

ファクタリングの審査は、資金融資の審査と比べると緩いというのがひとつのメリットですが、大企業系のファクタリング会社は、万が一にも売掛金の未回収が起こらないように、ファクタリング審査の中では厳しい審査を行います。

こうした厳しい審査を通過した売掛債権のみが契約対象となるため、必然的に手数料も安くなります。大企業系のファクタリング会社の方が手数料が安いというもうひとつの理由がこの審査の厳しさです。

しかし、独立系ファクタリング会社と比較すると審査に通りにくいという点では、デメリットがあるといえるでしょう。

現金化スピードが遅いケースが目立つ

大企業系のファクタリング会社は審査が厳しいと書きましたが、その審査に時間がかかる、さらに3社間ファクタリングが中心ということで、現金化のスピードが遅いというのもデメリットといえるでしょう。

独立系のファクタリング会社で、2社間ファクタリングを申し込んだ場合、一般的には申し込みから2~3日中に、早ければ申し込み当日に現金化が可能です。

しかし、大企業系のファクタリング会社の場合、申し込んでから現金化までは1~2週間というのが一般的。

急ぎ現金が必要な場合には、なかなか利用しづらいというデメリットがあります。

ファクタリング・大企業のまとめ

日本国内でいう大企業という条件に合致するファクタリング会社というのは現状存在しません。

しかし銀行など、大企業のグループ会社であるファクタリング会社というのは存在します。こうした大企業系のファクタリング会社は、数は少ないものの日本全国で営業していますので、目にする機会も多いかもしれません。

大企業系のファクタリング会社には、手数料が安い、悪徳業者がいないといったメリットがあるものの、現金化に時間がかかる、審査が厳しい、2社間ファクタリングを提供していないなどのデメリットもありますので、利用には注意が必要です。

ファクタリングを利用する際は、自社の状況などを考慮し、大企業系を利用するか独立系を利用するか、冷静に判断するようにしましょう。

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