ファクタリングは売掛債権の譲渡契約であり、売掛金の入金期日より早く現金を入手できるという資金調達法です。
一般的なファクタリングの申し込みは、ファクタリング会社の窓口に出向く、もしくはファクタリング会社の担当者を自社に招いて申し込み、審査、契約を行う形になります。
しかし近年ではネット完結に対応するファクタリング会社も増えています。こうした会社の場合、申し込みから審査、契約まですべてネット完結で完了できるため、非常に利便性の高い方法といえます。
今後もネット完結に対応するファクタリング会社は増えると予想されるため、ネット完結のポイントやメリット・デメリットを解説していきましょう。
ネット完結型ファクタリングのポイント
ネット完結型のファクタリングが、これまでのファクタリングと違うポイントを中心に、ネット完結型ファクタリングの特徴を紹介していきましょう。
2社間ファクタリングのみ対応がほとんど
ネット完結型のファクタリングに関しては、原則2社間ファクタリングのみ対応というケースがほとんどです。
ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。3社間ファクタリングはファクタリングを申し込む企業とファクタリング会社に加え、売掛先である取引先も契約に参加する方法です。
3社間ファクタリングは、売掛先にも契約に参加してもらうという手間がありますが、売掛金未回収のリスクが下がるため、手数料が安くなるというメリットがあります。
しかし、ネット完結のファクタリングではこの3社間ファクタリングには対応していないのがほとんど。申し込みに関しては2社間ファクタリングとなりますので覚えておきましょう。
日本全国どこからでも申し込みOKが中心
ネット完結のファクタリングは、申し込みから審査、契約まですべてネット完結できますので、日本全国どこからでも申し込めるというメリットがあります。
ファクタリング会社は近年全国的に増加の傾向にありますが、やはり人口や企業が多い都市部が中心であり、地方部にはそこまで数が多くないのが現状です。特に地方部の企業の方は、利用したくても近隣にファクタリング会社がないというケースもあるでしょう。
こうしたケースでも利用できるのがネット完結の大きなメリット。どんな企業でも気軽に利用できるファクタリングといえるでしょう。
多くは24時間入金対応というわけではない
ネット完結型のファクタリングで、ひとつ覚えておきたいポイントが、入金まで24時間即時対応というわけではないという点です。
ネット完結のファクタリングの中には、24時間365日申し込み可能なケースもあります。こう書いてあると、契約が完了すれば24時間いつでも入金されると考えてしまう方も多いかもしれません。
しかし、入金に関してはファクタリング会社の事情ではなく、利用している銀行の都合もあり、24時間対応ということにはならないことがほとんどです。
また、申し込みが週末や祝日など、銀行が営業していない日なども、即時入金はできないということになります。
ネット完結型ファクタリングのメリット
すでに上でもいくつか紹介していますが、ネット完結型のファクタリングにはいろいろなメリットがあります。
そんなメリットに関していくつか紹介しておきましょう。
自社や自宅から申し込みが可能
ネット完結型は日本全国どこからでも申し込み可能というメリットを紹介しましたが、さらに申し込みを自社内や自宅からできるというメリットもあります。
例え都市部の企業であっても、ファクタリング会社の窓口まで出向くのは時間的な意味でも負担が大きいということになります。また、申し込みに行ったときに、必要書類が足りないなどがあると、一度帰社して改めて窓口を訪れるなど、二度手間にもなりかねません。
こうした面倒な事態が発生しないのがネット完結の大きなメリットといえるでしょう。
手数料が安くなる傾向にある
もうひとつ大きなメリットが手数料に関してです。
ネット完結のファクタリングは、人件費がかからないという特徴があります。申し込みの受付に担当者が立ち会う必要がなく、また審査に関しても人が関わらない形が中心となります。
ネット完結のファクタリングの場合、審査はAIが行うケースが多いという特徴があります。申し込みにも審査にも人が必要ないとなれば、その分は手数料に還元されます。つまり手数料が安くなるということです。
ファクタリング契約において手数料は大きなポイント。それが安くなるというのは大きなメリットといえるでしょう。
ネット完結型ファクタリングのデメリット
ネット完結のファクタリングにはメリットは多いものの、デメリットがあるのも事実です。メリットとデメリットを両方把握し、それでもメリットが大きいという場合は利用推奨ということになります。
そんなデメリットを確認しておきましょう。
審査が画一的になる可能性がある
ネット完結のファクタリングでは、審査をAIが行うケースが多いと上でも紹介しましたが、それがマイナスに働くケースもあります。
審査を行うのが、過去のデータを学習したAIですので、審査がどうしても画一的になってしまうというデメリットが発生します。
担当者が存在するファクタリングの申し込みの場合、いろいろな事情などを担当者と話し合い、担当者はこういった事情を加味して柔軟な対応をしてくれます。
申し込みごとに違う細かな事情まで考慮し、それを審査に反映させることができるため、担当者が介在するファクタリングの方が、審査に通過しやすいという特徴があります。
ネット上の意見を見ると、ネット完結で通過しなかった売掛債権が、対人の申し込みで審査に通過したというケースもあるようです。
必要書類などを画像データ化する手間がかかる
ネット完結でのファクタリング申し込みの場合、提出すべき書類に関してもネット上で提出する形になります。そのためには必要書類を画像データ化する必要があります。
多くの場合、ネット完結に対応しているファクタリング会社は、独自の申し込みフォームを持っており、そのフォーム上で必要書類の画像をアップすることになります。
そのフォームに合わせて必要書類を画像化する必要があります。
画像化の方法は、必要書類をスキャンする、スマホなどで撮影するなどの方法がありますが、画像が不明瞭の場合申し込みが受け付けられないケースもありますので、スキャンするのがベストです。
ファクタリングの申し込みに関しては、必要書類を集めるだけである程度の手間がかかる上、ネット完結の場合は画像化という手間もかかりますので、その点は覚えておきましょう。
ファクタリング・ネット完結のまとめ
ファクタリングは売掛債権をファクタリング会社に持ち込み、審査を受けて契約をするというのが一般的な申し込み方法でした。しかし、近年は申し込みから審査、契約まですべてネット完結で済ませられるファクタリング会社も増えています。
ネット完結のファクタリングは、日本全国どこからでも、自社内、自宅などから気軽に申し込めるというメリットに加え、手数料が安くなる傾向にあるというメリットがあります。
一方審査が画一的になってしまったり、必要書類の画像データ化の手間がかかるなどのデメリットもありますので、このあたりをしっかり把握しておきましょう。
これからファクタリングの利用を考えている方は、ネット完結と対人申し込みの双方に対応しているファクタリング会社がおすすめ。ファクタリングを利用し始めの頃は、いろいろと不安な点や不明な点があるかと思いますので、丁寧に対応してくれる対人式の申し込みがおすすめです。
ファクタリングに慣れてきたら、ネット申し込みに変更して手軽に利用できるようにすれば、より快適にファクタリングを利用できるでしょう。