「ファクタリングの審査が激甘って本当?」
「どんな債権でも契約できるの?」
ファクタリング会社のHPなどを確認すると、審査激甘、審査通過率95%以上など、非常に景気のいい言葉が飛び交っています。
では、本当にファクタリングの審査は激甘なのでしょうか?
この記事ではファクタリングの審査が激甘と言われる理由や、本当に激甘なのかどうかという点を中心に、ファクタリングの審査に関して詳しく解説していきます。
ファクタリング審査は激甘なのか?
ファクタリング契約の前には必ず審査が行われます。
ファクタリング会社は、売掛金の未払いリスクを背負う代わりに、手数料という収益を手にする仕事です。つまり、ファクタリング会社は売掛金が本当に期日までに支払われるかどうかを審査する必要があるわけです。
このファクタリングの審査、一般的なイメージでは「激甘」かもしれませんが、実際には「激甘」というほど甘いものではありません。
では、まずはなぜファクタリング審査に激甘というイメージがあるのかという点から紹介していきましょう。
ファクタリング審査が激甘と言われる理由
ファクタリング審査には一般的に激甘というイメージがあるかと思います。ではなぜそのようなイメージとなっているのか、その理由に関して説明していきましょう。
金融機関の融資審査と比較すると激甘
資金調達の方法にはいくつかありますが、審査があるといえば、金融機関からの資金融資が思い浮かぶかと思います。
ファクタリングの審査は、金融機関による融資審査と比較すると激甘であるというのは事実であり、この印象が強調されているという点が考えられます。
金融機関による融資審査は、融資後長期間にわたって返済をしていくことができるのかという点を重視して審査が行われるため、審査基準も厳しくなりますし、審査時間も長くなります。
一方ファクタリングに関しては取引される売掛債権がしっかり現金化されるかどうかが審査の中心であり、長期的な視点での審査は行われません。そのため審査時間も短くなり、審査にも通過しやすくなるため、激甘というイメージがあるのでしょう。
財務状況が厳しい企業でも利用できるから激甘
ファクタリング審査の中心は、申し込んだ企業よりも売掛金の売掛先の信用情報や財務状況になります。もちろん申込企業に関しても審査は行われますが、そこは審査の中心ではないため、場合によっては債務超過や税金滞納など、財務状況が厳しい会社でも審査に通過するケースがあります。
申し込んだ企業の状況に関わらず通過する可能性があることが、審査激甘という評価に繋がっているのでしょう。
審査通過率が高くて激甘
ファクタリングを利用しようとネットなどでファクタリング会社のHPを見たことがあるという方はご存じかと思いますが、多くのファクタリング会社が、高い審査通過率を自社のアピールポイントとして掲載しています。
もちろんその表記にウソはないでしょうし、それだけ審査の通過率が高いということは、それだけ審査が激甘であるというイメージになるのは当然かもしれません。
ファクタリング審査が激アマではないポイント
しかし、現実的に考えると、ファクタリングの審査は激甘ということはありません。ファクタリング会社も、自社が損失を出さないため、しっかりと審査を行いますし、その結果売掛金未回収のリスクがあると判断すれば、審査に通過することはありません。
では、ファクタリングの審査で見られるポイント、また通過率が高くとも、激甘ではない理由などに関して紹介していきましょう。
ファクタリングで審査されるポイント
まずはファクタリングで審査されるポイントです。
上でも少し触れましたが、ファクタリングで重視されるのは取引先の信用情報などです。
ファクタリングは売掛債権を譲渡し、売掛金を早期現金化するという資金調達方法。そのためファクタリング契約は、取引先から売掛金が入金されればほぼ完了という契約です。
ファクタリング会社は、売掛金が期日までに支払われるか、遅れたり未払いになったりしないかという点を最重要視します。
ファクタリングを申し込んだ企業と、ファクタリング会社の2社間で交わされる2社間ファクタリング契約の場合、さらにファクタリングを申し込んだ企業の財務状況も審査対象となります。
2社間ファクタリングの場合、売掛債権はファクタリング会社に譲渡されますが、売掛金の入金先は変更されません。つまり、債権者はファクタリング会社ですが、入金先は申込企業の口座という形になります。
売掛金の入金期日には、取引先から利用企業の口座に売掛金が入金されますが、この売掛金を受け取る権利を持つのはファクタリング会社です。利用企業は売掛金入金後、速やかにファクタリング会社に売掛金を送金する必要があります。
この最終的な送金が行われるかどうかという点も、ファクタリング会社の審査の対象となります。そのため利用企業の財務状況や信用情報も審査対象となるため、決して激甘な審査というわけではないということになります。
審査の結果手数料や掛け目が決定する
ファクタリングの審査が激甘であると思われている理由の一つに、高い通過率という点が挙げられますが、これにもきちんと理由があります。
銀行などの資金融資や、ビジネスローン、商工ローンは、金利など融資条件があらかじめ決まっている金融商品です。こういった金融商品の審査では、顧客がこの金融商品を利用する条件を満たしているかどうかを審査します。そのため審査は厳しい印象があるのでしょう。
一方ファクタリングは、そもそも融資の条件が細かく決まっていません。手数料や掛け目などに関しては、ある程度自由に設定ができるという特徴があります。
こうした手数料や掛け目などの契約条件は、審査によって決定します。
仮に100万円の売掛債権で、審査の結果売掛金の未払いリスクが少ないとなれば、手数料5%、掛け目90%などでの契約が可能なケースもあります。反対に売掛金未回収のリスクが高ければ、同じ100万円の売掛債権でも、手数料15%、掛け目75%などでなければ契約できないというケースもあります。
つまり、ファクタリングの審査の場合、条件に合う顧客を探すのではなく、どんな条件であれば顧客と契約できるかを考えるため、審査に通りやすく、その結果激甘というイメージがついているという側面もあるかと思われます。
審査激甘のファクタリング会社に注意
ファクタリング会社の中でも、審査基準には差があります。銀行系やノンバンク系のファクタリング会社はやや審査が厳しい傾向にあり、そうではない独立系のファクタリング会社の方が激甘と言われる傾向にあります。
とはいえ、激甘審査に騙されてしまうと大変な目に遭うケースもあるので注意が必要です。それが、悪徳業者の存在です。
ファクタリング業者の中には、ファクタリング会社を名乗った悪徳業者が紛れ込んでいる可能性があり、こういった悪徳業者に引っかかると、高金利の貸金契約を結ばれたり、厳しい取り立てを受けたり、取引先にまで影響を与えることがあります。
こうした悪徳業者は、耳心地のいい宣伝文句で顧客を誘い込むのが主な手法となっており、「手数料激安」、「審査激甘」、「審査なし」などといった文言で顧客の興味を引くことが多くあります。
たとえほかのファクタリング会社で審査に落ちたからと言って、こういった極端な文言を提示しているファクタリング会社の利用するのはあまりおすすめできませんし、十分な注意が必要です。
ベストは複数のファクタリング会社に申し込みを行い、相見積もりを取って他社と比較検討すること。この時極端な条件を提示する会社は怪しい会社としてあまり近づかない方が良いでしょう。
激甘のファクタリングについてのまとめ
ファクタリングの審査自体を冷静に見れば、激甘というほど緩いものではありません。ただし、同じ資金調達法である金融機関の融資審査などと比較すれば緩く、こういった審査と比較した場合には激甘という表現も合っているかもしれません。
特にファクタリングの場合、どんな条件であれば顧客と契約できるかを考えるために審査を行う側面もあり、審査の通過率は高いという特徴があります。
ただし、審査激甘のファクタリング業者の中には、悪徳業者が紛れ込んでいる可能性がありますので、こうした悪徳業者には引っかからないように注意しましょう。