ファクタリングに利率は存在せず、その代わりとして手数料があると考えられます。
これからファクタリングを利用するならば、利率が存在しない理由、利率の代わりとなる手数料について知っておきたいものです。
また、企業や店舗運営をする場合、利率の代わりとなる手数料はなるべく安く抑えたいのではないでしょうか。ここでは、手数料を安く抑える方法も提案します。今後の参考にしてください。
ファクタリングに存在しない利率について
ファクタリングに存在しない利率ですが、そもそも利率とはどのような数値なのか知っておきたいものです。
ここでは、以下のことについて解説します。
・利率とは借りたお金に上乗せして払う分
・金利と利率の違い
利率について正しく理解しておくことで、ファクタリングについても理解が深まります。
利率とは借りたお金に上乗せして払う分
利率とは借りたお金に上乗せして払う割合を言います。
たとえば、100万円を借りて利率が3.0%ならば、以下の計算式になります。
100万円×0.03=3万円→100万円に上乗せする分が利子です。
したがって、100万円を利率3.0%で借りると3万円の利子付きで、103万円返金することになります。
金利と利率の違い
利率と似たような言葉で金利がありますが、どちらも意味は同じです。金利も利率も1年単位での元金に対して上乗せする割合です。どちらかというと、利率より金利の方が良く使われます。
ただし、金利も利率も銀行の預金や借金で使われる言葉なので、資金調達方法の一つのファクタリングで使うことはありません。
ファクタリングには利率が存在しない
上記でも触れましたが、ファクタリングに利率は存在しません。ファクタリングは貸金ではなく、資金調達方法の一つだからです。
ここでは下記のポイントについて、詳しく説明します。
・ファクタリングは貸金ではない
・ファクタリングの手数料を利率と勘違いする場合がある
ファクタリングには利率が存在しないことを正しく理解しておくと、手数料についてもすんなり理解できます。
ファクタリングは貸金ではない
ファクタリングは資金調達方法の一つなので、貸金ではありません。そのため、貸金で使われる利率は、ファクタリングにはふさわしくない言葉です。
ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に売却して、早めに現金として受け取れるシステムです。企業や個人事業主などが、売掛金を早めに現金化したい場合に利用することが多いものです。
売掛債権をファクタリング会社に売却する際に、利率は関係ありません。
手数料を利率と勘違いする場合がある
ファクタリングに利率は存在しませんが、ファクタリング会社に払う手数料は存在します。人によっては、この手数料を利率と勘違いする場合も考えられます。
ファクタリングは、海外でよく行われている手法です。日本でも政府で奨励されているため、取り入れる企業や個人事業主は増えてきましたが、まだ浸透しているとは言えません。
そのため、ファクタリングを借金と誤解するケースもあります。そんな場合に、ファクタリングには利率があると勘違いするのでしょう。
確かにファクタリングの手数料は%で表されるので、利率と誤解されるのは考えられることです。
ファクタリングは利率の代わりに手数料がある
ファクタリングで利率と似たような役割を果たすのが手数料です。したがって、ファクタリングは利率の代わりに手数料があると考えるのは間違いではありません。
ここでは、利率と間違えやすいファクタリングの手数料についての理解を深めておきたいものです。以下に、ポイントについて解説します。
ファクタリングの手数料は会社によって異なる
ファクタリングの手数料は、ファクタリング会社によって異なります。貸金の利率も業者によって異なるので、この点は似ています。
ただし、一般的に手数料を決定する要因は以下です。
・取引先の信用度
・契約の種類
・売掛金の金額
・売掛金を受け取るまでの期間
たいていのファクタリング会社は、上記のことを考慮して、手数料を決定することが多いです。このあたりも利率と似ているかもしれません。
ファクタリングの手数料率の相場
ファクタリングの手数料率の相場は以下のようになっています。
・2社間ファクタリング(利用者とファクタリング会社で行う):10~30%
・3社間ファクタリング(利用者、ファクタリング会社、取引先の3社で行う):1~5%
・医療ファクタリング:1~2%
・国際ファクタリング:1~2%
・保証ファクタリング:2~15%
このように、ファクタリングの種類によって手数料率が異なります。
ファクタリング会社に払う以外の手数料もある
ファクタリングには、ファクタリング会社に支払う以外にも手数料がかかります。因みにファクタリング会社に支払う手数料は、ファクタリング会社の利益です。
これから紹介する手数料はファクタリング会社の利益とは異なります。これらは利率のように%で表します。
・債権譲渡の登記費用
・事務手数料
・出張料
ただし、ファクタリング会社によっては、上記の手数料がかからない場合もあります。契約する際はどのような手数料があるのかよくチェックしましょう。
ファクタリングの利率の代わりになる手数料を抑えるには
ファクタリングの利率の代わりと考えられる手数料は、なるべく抑えたいものです。そんな手数料は、売掛金から引かれる金額なので、少額であればそれに越したことはありません。
その対策として下記の3点を挙げてみました。
3社間ファクタリングを選択する
上記でも示しましたように、3社間ファクタリングの方が、2社間ファクタリングより手数料率が低く設定されています。そのため、手数料を抑えたいのであれば、3社間ファクタリングを選択するのも賢明な方法です。
たとえば、2社間ファクタリングの場合は手数料率が10~30%ですが、3社間ファクタリングは1~5%です。利率のように%で表現されているので、その差はわかりやすいものでしょう。
仮に同じファクタリング会社のファクタリングで、A社は2社間ファクタリング、B社は3社間ファクタリングを選択したとします。この会社の手数料率は2社間ファクタリングで20%、3社間ファクタリングで3%です。
この場合、どちらも売掛金が300万円とします。
A社の売掛金取得額:300万円-60万円(手数料:300万円の20%)=240万円
B社の売掛金取得額:300万円-9万円(手数料:300万円の3%)=291万円
このように、受け取る額にかなりの差が出ます。
しかし、3社間ファクタリングは取引先を含めるため、懸念する企業も少なくありません。取引先の中には、ファクタリングを借金と勘違いする人も存在するからです。
特に中小企業の場合、今後のことを考えると取引先に誤解を与えたくないものです。そのため、あえて2社間ファクタリングを選択するケースも少なくありません。
インターネットで手数料の安いファクタリング会社を探す
インターネットで手数料の安いファクタリング会社を探す方法もあります。ファクタリング会社のホームページには手数料が載っているので、チェックすることは可能です。
比較サイトも多くあるので、探してみてください。手数料最安水準と書かれているファクタリング会社も多く見られます。ただし、実際にその数値で正しいのかは、その会社のホームページを見た方が確実です。
または問い合わせてみることもおすすめします。より確かな情報で手数料を確認しましょう。
口コミを参考に安い手数料のファクタリング会社を探す
口コミを参考に安い手数料のファクタリング会社を探すことも可能です。手数料などに関する口コミサイトは多く存在します。
ただし、口コミのみを信じるのはあまりおすすめしません。あくまでも参考のみとしてとらえた方が無難でしょう。
口コミよりも電話をかけたり、実際に出向いて話を聞いたりした方が、わかりやすいです。お客に対する丁寧さ、ファクタリングの知識がどの程度なのかなど、ご自身で確かめられます。
また、手数料の安さも大事ですが、ファクタリング会社との相性も大事なものです。
ファクタリングと利率のまとめ
ファクタリングは貸金ではなく、資金調達方法の一つなので、利率は存在しません。しかし、利率に代わるものとして、手数料が存在します。
手数料は利率のように%で表し、この分を引いた額がファクタリング利用者の手元に渡ります。すなわち、ファクタリングは売掛金がそのまま手に入るわけではありません。一部は手数料としてファクタリング会社に渡ることを押さえておきましょう。