2020年以降猛威を振るった新型コロナウイルス。
この感染拡大を一つの契機に、一気に利用者が増えたのがネット通販です。
かつては特定の買い物のみネット通販という方が大半でしたが、現在では食材から日用品まですべてネット通販で調達するという方も増えています。
そんなネット通販の拡大を支えているのが軽貨物運送業の方です。
そんな軽貨物運送業の方に知っておいていただきたいのが、ファクタリングという資金調達法です。
軽貨物運送業とは非常に相性が良いとされるファクタリングの特徴に関して詳しく説明していきましょう。
軽貨物運送業にファクタリングがおすすめの理由
軽貨物運送業を営んでいる方の中には個人事業主の方も多いかと思います。
多くの方が運送業者などから業務を委託されているかと思いますが、軽貨物運送業という業種は、ファクタリングという資金調達法と非常に相性の良い業種ということができます。
そんな相性の良さの理由に関して説明していきましょう。
急な出費が多い
軽貨物運送業は、ほかの業種と比較しても急な出費が多い業種ということができます。
仕事には必ず軽貨物を運ぶ車両が必要であり、この車両に関する経費の中には、急に必要になる経費が少なくありません。
まずは燃料費。軽貨物車両である以上、燃料がなければ走れませんし、走れなければ仕事にもなりません。
電気自動車が増えつつあるといっても軽貨物の車両はまだガソリン車であることがほとんど。そのガソリンに関して、日本は国内で安定的に生産できませんので、どうしても輸入に頼るという形になります。
産油国の都合で産出量を抑えられることがあれば当然原油価格は跳ね上がり、ガソリン代も高騰します。また、産出量に関係なく、日本経済が弱くなれば円安となり、やはり原油価格は上昇します。
こうした原油価格の上昇は前兆なく突然訪れるケースが多く、ガソリン代も急に高騰するケースが多いということになります。
突然ガソリン代が上がれば、軽貨物運送業としては大きな出費ということになります。
また、仕事に使用している軽貨物車両の故障なども大きな出費の原因の一つです。
軽貨物車両の故障に関しては、前兆があるケースと突然の不調がありますし、いくらドライバーが注意して運転していても、もらい事故の被害に遭うケースも考えられます。
こうした故障の修理費用、もしくは車両の買い替え費用も大きな出費といえるでしょう。
仕事上、突然の出費が多い軽貨物運送業。そんな急な出費の対応で頼もしいのがファクタリングの大きな特徴ですので、非常に相性が良いという結論になります。
ファクタリングを利用するメリット
ファクタリングは急な出費に強い資金調達法であり、軽貨物運送業との相性が良いと書きましたが、ではなぜファクタリングが急な出費に強いのか。この点に関して説明していきます。
この理由を説明するには、ファクタリングの特徴、特に金融機関からの資金融資との違いを把握すると分かりやすいかと思いますので、資金融資との比較をしながら紹介していきましょう。
現金化のスピードが速い
ファクタリングにおいて何より心強いのが、現金化のスピードの速さです。
金融機関に資金融資を申し込んだ場合、申し込みから貸し付けまで早くても2週間、遅ければ1ヶ月以上の時間がかかるということも珍しいことではありません。
一方ファクタリングの場合、申し込みから現金が入金されるまでの平均的な期間は2~3日。遅くても1週間程度で入金されるというシステムになっています。
さらに近年では、申し込み即日に入金に対応するファクタリング会社も増えており、最短で即日現金化ということも可能になっています。
審査が比較的甘く通過しやすい
ファクタリングの現金化が、資金融資と比較して断然早い理由の一つに審査の甘さがあります。
とはいえ、審査が甘いからと不安を感じる必要はありません。
資金融資と比較して審査が甘い理由は、審査で見るポイントが違うのが大きな理由であり、決して適当な審査をしているというわけではありません。
資金融資の場合、融資後中長期的に返済を続けていく必要があります。その返済が滞ることなく行われるかという点が審査の対象となるため、金融機関は現状だけではなく将来的なことも考えて審査を行います。
一方ファクタリングは、持ち込んだ売掛債権の売掛金がきちんと支払われるかというのが最大の審査ポイント。つまり、申し込んだ方よりも、取引先が問題なく売掛金を支払うかどうかが重要視されます。
ファクタリングの審査は取引先の信用情報が重視され、また一つの売掛金が支払われるかどうかという短期的な視点での審査となるため、融資審査と比較すると非常に甘い審査ということになります。
借入金ではないので安心
最後のポイントは、ファクタリングは売掛債権の譲渡契約であり、貸金契約ではないという点です。
売掛債権を持ち込んで売掛金を早期現金化すると聞くと、売掛債権を担保とした貸金契約と感じるかもしれませんが、実際は違います。
手元にある売掛債権(請求書)をファクタリング会社に売却し、その対価として現金を受け取る売買契約となりますので、借入金とはなりません。
ファクタリングは借り入れではなく売買契約であり、審査も甘く現金化が早いというのが、急な出費に強い大きな理由です。急な出費に強いということは、急な出費が多い軽貨物運送業の方におすすめということになります。
ファクタリングの基本的な構造
ファクタリングが軽貨物運送業の方におすすめの資金調達法であることはお分かりいただけたかと思います。では実際にファクタリングとはどのような流れで行われるのか。その流れを簡単に説明していきましょう。
ここではもっとも利用者が多い、2社間ファクタリングのケースで紹介していきます。
手元にある売掛債権(請求書)をファクタリング会社に持ち込む
まずは手元にある売掛債権(請求書)をファクタリング会社に持ち込みましょう。
請求書に関しては、すでにサービス提供済みで発行済みでありながら未入金の請求書が対象となります。
基本的にはファクタリング会社の窓口に必要書類とともに持ち込む形となりますが、近年では電話での申し込み受付や、オンラインによる申し込み受付をしているファクタリング会社も増えています。
軽貨物運送業のように個人事業主の方が多いケースでは、オンライン申し込みが利用しやすいでしょう。
審査を受け契約内容に問題がなければ契約
申し込み後請求書に関する審査が行われます。この審査は比較的甘いとはいえ必ず行われます。
ネットなどでは審査ナシのファクタリング会社などを紹介する記事がありますが、こういった会社の多くは信用できない会社、もしくは悪徳業者である可能性が高いためおすすめできませんので覚えておきましょう。
審査の結果が出ると、ファクタリング会社から契約の諸条件が提示されます。手数料率や付随する契約条件などをよく理解して、契約内容に納得したら契約に進みましょう。
契約締結後現金が振り込まれる
ファクタリング会社との契約が締結されると、すぐにファクタリング会社から契約内容通りの現金が振り込まれます。
まだ先であったはずの売掛金が即現金になる。これがファクタリングの大きな特徴です。
売掛金が入金されたらファクタリング会社に入金する
2社間ファクタリング契約で、売掛債権(請求書)の所有者はファクタリング会社に移りますが、取引先と交わした契約内容に変更はありません。つまり、売掛金は軽貨物運送業者の口座に振り込まれる形になります。
売掛金の入金を確認したら、速やかにファクタリング会社に必要な金額を入金しましょう。これは返済ではなく、ファクタリング会社が受け取るべき売掛金を、軽貨物運送業者の方が代理で受け取り送金するということになります。
この送金が終わればファクタリング契約は完了です。
ファクタリングを利用する場合の注意点
軽貨物運送業者の方、特に個人事業主の方がファクタリングを利用する際、注意すべきポイントがありますので紹介しておきましょう。
個人事業主対応のファクタリング会社を見つける
ファクタリング会社は多数存在しますが、それぞれの会社がどのような顧客を相手にするか、どの程度の金額の請求書を取り扱うかなどに関して規定を設けています。
ファクタリング会社の中には、企業案件のみを取り扱い、個人事業主は申し込めない会社や、低額の請求書は取り扱わないという会社もあります。
個人事業主である軽貨物運送業の方は、まずは個人事業主も対象としているファクタリング会社を選ぶようにしましょう。
軽貨物のファクタリングについてのまとめ
ファクタリングは、手元にある請求書を譲渡することで、売掛金の早期現金化を図る資金調達法です。
その審査は甘く、現金化のスピードが速い上に借入金とはならないため、急な出費が多い業種の方におすすめの資金調達法といえるでしょう。
軽貨物運送業の方は、燃料費の高騰や軽貨物車両の故障対応など、急な出費が多い業種。つまりファクタリングと相性が良い業種といえます。
ファクタリングの仕組みや注意ポイントをしっかりと把握し、上手に利用して事業を安定させていきましょう。