ファクタリングFactoring

2023.10.18

ファクタリングは債権の売買契約であり貸金契約ではない!詳しく解説

ファクタリングを、売掛債権を担保とした貸金契約であると勘違いしている方が多いようです。

これはファクタリングの仕組みを知らないものの、その流れだけなんとなく知っているからこそ起こる勘違いでしょう。

ファクタリングは貸金契約ではなく売掛債権の売買契約です。そのため借入金にはなりませんし、審査や現金化のスピードも速くなります。

そんなファクタリングの基本的な構造や利用する流れ、また利用する際に注意すべきポイントなどに関して解説していきましょう。

ファクタリングは売掛債権の売買契約

近年利用する企業が増えているファクタリングとは、企業の資金調達法の一つです。

ファクタリングの大きな特徴は、資金調達法でありながら貸金契約ではないという点でしょう。

ファクタリングにもいろいろな形がありますが、すべてに共通しているのが債権の譲渡を行う、債権の売買契約であるという点です。

当然返済の義務もないため、どんな企業でも比較的利用しやすいという特徴があります。

ファクタリング契約の流れ

ファクタリングは債権の売買契約であり、貸金契約ではありません。

そんなファクタリング契約の流れを解説しながら、ファクタリングが債権の売買契約であるという点を説明していきましょう。

売買契約したい売掛債権を持ち込む

まず、ファクタリングを利用したい企業は、手元にある売掛債権をファクタリング会社に持ち込みます。

基本的にはファクタリング会社の窓口に売掛債権や必要書類を持って訪れる形となりますが、場合によってはファクタリング会社の担当者が、利用する企業のオフィスまで出張してくれるケースや、オンラインで申し込めるケースなどもあります。

持ち込む売掛債権に関しては、実在する売掛債権であり、他者に譲渡されていないものであれば、基本的に持ち込み可能と考えていいでしょう。

ファクタリング会社による審査が行われる

ファクタリング会社は持ち込まれた売掛債権に関して審査を行います。

ファクタリングの審査は一般的に甘いと言われていますが、これは金融機関などによる資金融資審査と比較すると甘いということ。これは事実です。

金融機関による融資審査では、貸し付けた分を返済できるかが審査されます。

申し込んだ企業の財務状況はもちろん、長期的な経営計画、返済計画などもチェックされるため、時間もかかりますしどうしても厳しい審査になります。

一方ファクタリングは債権の売買契約です。問題となるのはその売掛債権の売掛金がきちんと入金されるかどうかという点。融資審査とは違い、長期的な視野での審査ではないので、審査自体は通りやすくなります。

ファクタリングの審査で重視されるのは、申し込んだ企業よりもその売掛債権の売掛先である取引先の信用度です。取引先が売掛金を支払ってくれれば大きな問題はないということになりますので、例え申し込んだ企業の経営が厳しい状況でも、審査に通過する可能性があるということになります。

この審査によって、債権の売買契約を結ぶのかどうか、結ぶとすれば手数料率はどのくらいかという点が決定します。

審査に通れば売買契約が結ばれる

審査に通過すると、ファクタリング会社からいろいろな条件が提示されます。

手数料率は何%なのか、売買契約に付随する内容はどうなるのかなど、細かな条件が揃いますので、この条件を確認して、問題がなければ契約という形になります。

ファクタリングにおける債権の売買契約では、必要とされる書類がいくつかあります。

この書類に関しては、契約するファクタリング会社次第、また契約の内容次第でも違いがありますので、契約前にしっかりと確認し、必要書類に不備がないように準備して契約に向かいましょう。

この売掛債権の売買契約が締結した時点で、売掛債権の所有者はファクタリング会社に変更されます。

売買契約締結後に現金が入金される

売掛債権の売買契約が締結した時点で、早ければその日の内に売掛金が支払われます。

気になるのはどの程度の金額が振り込まれるかという点でしょう。そこで、一般的な契約で手にできる金額を紹介します。

仮に額面金額1,000万円の売掛債権の売買契約を結んだとしましょう。

まずファクタリング会社は、この売掛債権に対して「掛け目」という数字をかけて計算します。

掛け目とは、売掛債権の額面金額のどの程度を買い取るかという数値です。仮に掛け目が80%であれば、ファクタリング契約の対象となるのは800万円ということになります。

この800万円に対してファクタリング会社が手数料率を設定します。もっとも一般的な2社間のファクタリング契約の場合、手数料率の相場は10~30%と言われています。仮に手数料率が15%だったとすると、800万円の15%ですので、120万円が手数料ということになります。

ファクタリングを申し込んだ企業が受け取れる現金は、800万円から手数料120万円を差し引いた680万円。さらにこの680万円から事務手数料など諸経費を差し引いた金額が振り込まれるということになります。

諸経費に関してはファクタリング会社次第ですが、債権譲渡登記の費用も含めて3~5万円程度差し引かれることが多いようです。

つまりこのケースの場合、1,000万円の売掛債権の売買契約を結び、早期現金化できるのは675万円ということになります。

取引先から入金された売掛金をファクタリング会社に入金する

ファクタリングが売買契約ではなく貸金契約であると勘違いされる理由となるのがこの契約の最後の部分でしょう。

ファクタリングでは売掛債権の売買契約が結ばれますが、債権自体は譲渡されても売掛金の入金口座は変更されないのが一般的です。つまり、売掛金はファクタリングを利用した企業の口座に振り込まれるということになります。

とはいえ、その売掛債権の所有権はすでにファクタリング会社に移っています。形としては、債権者であるファクタリング会社に代わって、利用企業が売掛金の回収を代行するという形になるわけです。

上で紹介した仮定のケースで考えた場合、ファクタリングを利用した企業は、売掛金1,000万円の入金を確認したら、そこからファクタリングの対象となった800万円をファクタリング会社に入金することになります。

結果、ファクタリングを利用した企業は、875万円を手にし、そのうち675万円は売掛金の入金日よりも早く手にできたということになります。

ファクタリングの売買契約で注意すべきポイント

ファクタリングは売掛債権の売買契約です。

この売買契約を結ぶことで、ファクタリングを利用する企業は、売掛金の未回収や入金遅れといったリスクを回避し、売掛金の一部を早期に現金化できるというメリットを受けることができます。

ファクタリング会社としては、売掛金の未回収リスクを背負う代わりに、手数料という収入を得ることになります。

これがファクタリングという債券売買契約の基本的な構造ですが、そんな売買契約で注意すべきポイントがありますので、そんなポイントを紹介しておきましょう。

手数料率をしっかりと比較検討する

ファクタリングを利用する際、もっとも注目すべきは手数料の金額でしょう。

ファクタリングという売掛債権の売買契約を結ぶことで、売掛金の早期現金化ができるのは事実です。しかし、その売掛金の一部を手数料として支払う必要があることもまた事実です。

ファクタリングの手数料は、売掛金から差し引かれるわけですから、利用する企業にとっては単純に損失ということになります。この損失をできる限り抑えることが重要になります。

ファクタリングの手数料率には相場があります。相場はありますが、法律で定められた上限というものはありません。

貸金契約を結ぶ場合には金利が発生しますが、この金利に関しては貸金業法という法律でその上限が定められています。どんな貸金業者でも、その上限を超えた金利は設定できません。

しかし、ファクタリングの手数料率を制限するような法律は存在しません。つまりファクタリングの手数料率は、ファクタリング会社ごとに自由に設定できるということになります。

上で紹介した仮定の話では、1,000万円の売掛金に対し15%の手数料率という計算をしました。しかしこの手数料率が10%だった場合、ファクタリングを利用した企業が手にできる現金は、総額で895万円、このうち早期に手にできる現金が695万円となります。

手数料率によって手にできる金額が大きく変わりますので、手数料率に関しては慎重に比較検討することが重要です。

そのためにはいくつかのファクタリング会社に売掛債権を持ち込んで審査を受け、それぞれの契約条件をチェックする必要があります。

特にこれから新規でファクタリングの利用を考えている方は、最初の契約では特に複数のファクタリング会社から相見積もりを取るようにするのがおすすめです。

ファクタリングと売買契約のまとめ

ファクタリングは貸金契約ではなく、売掛債権の売買契約です。

そのため返済の義務もなく、借り入れではないため会社の信用情報も悪化しません。

また、申し込みから現金の入金までのスピードが速く、急ぎで現金が欲しいという状況では非常に便利な資金調達法となります。

ただし、このファクタリングには手数料が必要になります。

手数料率の設定はファクタリング会社ごとに差がありますので、可能であれば複数のファクタリング会社から見積もりを取り、手数料率などを比較してから利用するようにしましょう。

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