ファクタリングFactoring

2023.10.18

ファクタリングで500万円の資金を調達することはできるのか?詳しく解説

近年はファクタリングを利用する企業も増えてきました。

しかしまだ日本国内において、ファクタリングという資金調達法はメジャーな方法とは言い難いところです。

実際にファクタリングではどの程度の現金が調達できるのか?

経営者の方の中には、50万円や100万円程度であれば、すぐになんとかできるという方もいらっしゃるかと思いますが、その金額が500万円となると簡単には用意できないかと思います。

では、その500万円をファクタリングで調達できるのか?できるとすればどのようにすればいいのか?これらに関して解説していきたいと思います。

ファクタリングで500万円の現金を調達できるか?

ファクタリングとは、手元にある売掛債権を譲渡して、売掛金の早期現金化を図る資金調達法です。結論から言ってしまえば、用意する売掛債権の額面金額次第で500万円の現金を早期に手にすることは可能です。

金融機関からの資金融資との大きな違いは3つ。

・借入金にはならない
・現金化のスピードが速い
・審査が比較的甘い

ファクタリングは貸金契約ではなく売掛債権の譲渡契約です。売掛債権を売却することで、その対価として現金を得る方法ですので、借入金とはなりません。

借入金にならないため、会社の信用情報に影響はありませんし、バランスシートがスリム化されることで、むしろ健全な経営ができていると見えるようになる資金調達法といえます。

一般的に金融機関から資金融資を受ける場合は、申し込みをして審査を受けて現金を手にするまで、早くても2週間程度、遅ければ1ヶ月以上の時間が必要です。

これに対しファクタリングでは、申し込んでから現金化まで2~3日というのが一般的。近年では最短即日入金に対応しているファクタリング会社も増えており、現金化のスピードという点では非常に早い資金調達法となります。

ファクタリングの審査は甘いとよく言われますが、これは金融機関による融資審査と比較すると甘いという意味です。

ファクタリングでは、持ち込まれた売掛債権の売掛金が入金されるかどうかという点が審査されるため、長期間にわたって返済を続けられるかどうかを審査する融資審査よりも審査が甘くなります。

そんな特徴を持つファクタリングで、500万円を手にするために、まずはファクタリングの流れやより詳しい特徴を把握しておきましょう。

ファクタリングの仕組みを理解しよう

ファクタリングは現金化が早く、借入金にもならない資金調達法です。非常に利用しやすい方法ですが、まずはその仕組みをしっかり理解しておきましょう。

ファクタリングの流れ

最初にファクタリングの基本的な流れを紹介しておきます。ファクタリングには、申込企業とファクタリング会社の2社間で契約が結ばれる2社間ファクタリングと、この2社に加えて取引先も含めた3社間で契約が結ばれる3社間ファクタリングがあります。

ここでは2社間ファクタリングの流れに関して紹介していきましょう。

・売掛債権を持ち込み、事前相談を申し込む
・審査が行われる
・審査に通過したら契約条件を確認して問題がなければ契約
・ファクタリング会社から現金が入金される
・売掛金が入金されたらファクタリング会社に送金して契約完了

まずは、ファクタリングしたい売掛債権をファクタリング会社に持ち込みます。持ち込みはファクタリング会社の窓口を訪問する方法が一般的ですが、近年ではオンラインで申し込み受付という会社も増えていますので、都合のいい方法で申し込みましょう。

申し込みが完了すると審査が行われ、この審査で手数料率など契約条件が決定します。その条件に問題がなければ、必要書類を揃えて契約という形になります。

契約が締結されるとファクタリング会社から契約書通りの金額が入金されます。申し込みからこの入金までがおよそ2~3日、最短で即日ということになります。

2社間ファクタリング契約では、売掛債権は譲渡されますが、売掛金の入金先は変更されません。そのため売掛金は申し込んだ企業の口座に振り込まれます。

申し込んだ企業は売掛金の入金を確認したら、速やかにファクタリング会社に売掛金を入金し、契約は完了となります。

ファクタリングの手数料率相場

ファクタリングを利用した場合、手数料は必ず必要になります。

この手数料率に関しては、法的な制限がなく、基本的にファクタリング会社が独自の基準で設定することになります。

売掛金の回収に問題がない債権であれば手数料率も低くなりますし、未回収のリスクが大きければ手数料率は高くなります。

手数料率に法的な制限こそないものの、一般的な相場は存在します。

2社間ファクタリングで10~30%程度、3社間ファクタリングで1~9%程度が相場です。売掛先である取引先も契約に参加する3社間ファクタリングの方が、売掛金の未回収リスクが低くなるため、手数料率相場も低くなります。

掛け目がかかるケースも

ファクタリング契約では、掛け目といわれる数字が設定されるケースもあります。

掛け目とは、売掛債権の額面金額の何%をファクタリングの対象とするかを定めた数値。仮に掛け目が80%であれば、額面金額の80%がファクタリングの対象金額となります。

掛け目に関しても、未回収リスクが低いほど高く設定されますし、リスクが大きければ低い設定となります。

手数料以外に必要となる諸経費

ファクタリングでは手数料以外に、契約に関する諸経費が必要となるケースが多く、この諸経費も計算に入れておく必要があります。

諸経費とされるのは、債権譲渡登記費用や、契約事務手数料など。一般的な契約では5万円程度の諸経費が必要になるケースが多いようです。

ファクタリングで500万円調達するには?

では、実際にファクタリングを利用して、500万円の現金を手にするために必要になる条件などを確認していきましょう。

額面金額が500万円以上の売掛債権を用意する

ファクタリングでは、手数料や諸経費、さらに掛け目の存在がありますので、額面金額500万円の売掛債権では500万円を即現金化することはできません。

多くの企業ではいくつかの売掛債権が手元にあるかと思います。その中から額面金額が500万円以上の債権を用意する、もしくは複数枚の売掛債権を用意し、額面金額の合計金額が500万円以上になるようにしましょう。

ファクタリング会社の対応金額を確認する

続いて重要になるのが、ファクタリング会社選びです。

ファクタリング会社には、それぞれ取引対象金額の上限金額と下限金額が設定されています。

額面金額1,000万円以上の高額債権しか取り扱わないファクタリング会社もありますし、1~100万円までの低額債権を取り扱う、個人事業主向けのファクタリング会社などもあります。

利用しようとしているファクタリング会社が、自身が用意した売掛債権の金額に対応しているかどうかを確認した上で申し込みを行いましょう。

手数料率と掛け目を確認する

ファクタリングで500万円を調達するためには、額面金額が500万円以上の売掛債権が必要としましたが、実際にはどのくらいの金額の債権を準備すればいいのかを計算してみましょう。

ここでは仮に手数料率10%、掛け目80%、諸経費5万円のケースで計算していきたいと思います。

まず手数料率10%と諸経費5万円が差し引かれると考えて、必要となるファクタリング対象金額を計算してみましょう。必要となるファクタリング対象金額をXとすると、以下の式で計算できます。

0.9X-50,000=5,000,000

ファクタリング対象金額から10%の手数料が差し引かれますので、Xの90%が手にできる金額となり、さらにそこから諸経費の5万円を差し引いて500万円になるという計算です。

この式を計算すると、必要となるファクタリング対象金額は約562万円ということになります。

さらに掛け目が80%ですから、額面金額の80%が562万円を超えている必要があります。これを計算すると、準備すべき売掛債権の額面金額は約702万円ということになります。もちろん複数の売掛債権の合計金額が702万円を超えていても手にできる現金は500万円を超える計算になります。

ファクタリングで500万円用意する際の注意点

上記の通り、ファクタリングで500万円を用意しようとした場合、500万円を超える額面金額の売掛債権が必要になります。額面金額500万円の売掛債権では絶対に500万円を超える金額にはなりませんので注意が必要です。

もうひとつ注意したいのが悪徳業者の存在です。

ファクタリング会社の中には、いわゆる悪徳業者が紛れ込んでいる可能性があります。ファクタリング契約に見せかけて、売掛債権を担保にした貸金契約を結ぶ会社、しかも違法な金利で貸し付けを行う悪徳業者などがいる可能性があります。

ほかと比較して明らかに条件が異なる契約を提示された場合は、その契約内容をよく精査し、また、その会社の口コミ情報を調べるなどして、悪徳業者ではないのか、正当な契約なのかをチェックしましょう。

ファクタリングで500万円調達可能かどうかのまとめ

ファクタリングで500万円の現金を調達することは可能です。

しかも、金融機関などからの資金融資と比較すると、速いスピードで現金化ができるのも間違いありません。

ただし、ファクタリングには手数料等必要な経費がありますので、500万円を調達したい場合は、額面金額が500万円以上の売掛債権が必要になります。

複数の売掛債権の合計金額が500万円以上でも問題ありませんので、ある程度余裕を持った額面金額の売掛債権で申し込むようにしましょう。

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