スタートアップ企業にとって、資金の確保は課題です。しかし、開業間もない場合は、融資を受けるのもままならないものです。
そんなスタートアップ企業の救世主になってくれるのがファクタリングです。売掛債権を買い取って現金化するので、売掛金が現金として振り込まれるのを待たずに済みます。
この記事では、そんなファクタリングがスタートアップ企業におすすめの理由や注意点を解説します。ファクタリングをうまく利用して会社を軌道に乗せましょう。
スタートアップ企業の資金調達はファクタリングでできる
スタートアップ企業にとって悩みどころとなる資金調達は、ファクタリングが活用できます。ここでは、ファクタリングでできることやファクタリングの性質について、以下の点を説明していきます。
・ファクタリングによって売掛債権を現金化できる
・ファクタリングは負債でなく資金調達の手段
まずは、ファクタリングとはどのようなことができる手法なのか理解しておきましょう。
ファクタリングによって売掛債権を現金化できる
ファクタリングとは売掛債権を現金化する手法です。資金繰りが大変なスタートアップ企業にとっては、売掛金の現金化が待ち遠しいものです。通常であれば、2~3ヶ月かかって払われるお金を早めにもらえるのはありがたいことでしょう。
ここで売掛金が発生する売掛払いについて説明します。A社がB社に自社製品を売掛払いで売却する契約を結んだとします。その場合、A社がB社に商品を提供する際にお金のやりとりをしません。
B社は期日までにまとまった金額をA社に払います。たとえば、商品の受け渡しが9月1日、B社の支払いは10月31日といった具合です。つまり、A社はすぐに商品代金を支払ってもらえないので、9月から10月末までは切り詰めないと資金繰りが厳しい場合もあります。
ファクタリングは負債でなく資金調達の手段
上記で説明したファクタリングは負債ではありません。政府でも認められている資金調達法です。そのため、負債を増やさずに済みます。
スタートアップ企業に限らず、立ち上げ時に借金しているケースは多いものです。そんな場合は、なるべく負債を増やしたくないでしょう。
スタートアップ企業にファクタリングがおすすめの理由
スタートアップ企業にはファクタリングがおすすめです。ここでは、その理由を4点挙げます。
・ファクタリングは少額でもできる
・スタートアップ企業におすすめのファクタリング会社がある
・審査が早い
・入金が早い
これらの理由について詳しく説明していきます。
ファクタリングは少額でもできる
ファクタリング会社にもよりますが、少額でもファクタリングを行えます。スタートアップ企業の場合、取引先との売掛金が少額の場合もあります。そんな時でも、ファクタリングで資金調達ができれば、その場を乗り切れるでしょう。
ファクタリング会社を探す場合、少額でも可能かどうか気にしながら探してみてください。少額でも可能なファクタリング会社であれば、その旨はホームページに記載されています。
スタートアップ企業におすすめのファクタリング会社がある
ファクタリング会社の中には、スタートアップ企業に特化したファクタリング会社も存在します。そんな会社であれば、安心して取引できるのではないでしょうか。
スタートアップ企業におすすめのファクタリング会社の特徴を以下に挙げます。
・審査・入金が早い
・審査は厳しくない
・手数料が安め
・少額ファクタリングでも可能
・相談に乗ってくれる
・スタートアップ企業に理解がある
これらのことを念頭に置いて、ご自身の会社に合うファクタリング会社を探してみてください。
審査が早い
上記でも触れましたが、ファクタリングは融資に比べると審査が早いです。それは審査がゆるい、取引先のみの審査なので早く終わることが理由です。
ファクタリング会社は、取引先を審査します。そのため、取引先が順調に経営されている会社ならば、すぐに審査は終わります。
このように、取引先のみの審査なので、利用側のスタートアップ企業が負債を抱えている、赤字経営、資金が乏しい状況でも審査は通ります。
入金が早い
入金が早いファクタリング会社は多いものです。早いところで即日入金なので、資金繰りが何とかならないか探っているスタートアップ企業にとっては、ありがたいでしょう。
融資であれば、このように即日入金というわけにはいきません。審査から入金までの道のりが長いため、今すぐにお金が必要な場合は、困ってしまいます。
スタートアップ企業がファクタリングを行う際の注意点
スタートアップ企業がファクタリングを行う際に注意しておきたい点を挙げます。
・ファクタリング会社を装った闇金業者がある
・手数料が高め
・取引先に誤解されることがある
この3点についてわかりやすく説明します。これらの注意点を理解した上でファクタリングを行いましょう。
ファクタリング会社を装った闇金業者がある
ファクタリング会社を装った闇金業者は、問題になっています。スタートアップ企業で初めてのファクタリングというと、こういった悪質な詐欺に騙されてしまうことがあります。気を付けましょう。
事例を紹介します。
・所在がはっきりしない会社
あるスタートアップ企業のSさんは、資金繰りを安定させるために売掛金を現金化できるファクタリングを始めたいと思いました。
いろいろと探すうちに即日に支払ってもらえる、手数料が安いというファクタリング会社を見つけました。
しかし、電話番号が携帯の番号で公式のホームページもありません。そして、住所もレンタルオフィスのような場所です。問い合わせてみると、これから作成するとのことでした。これから自社ビルに引っ越すと担当者は言っています。
ただ、話を聞くとおかしな点がありました。即日に現金化するけれども、担保や保証人が必要、手数料は安いけれども、即日払いのための手数料が発生するというのです。そんなこんなで計算するとかなりの額になってしまいます。
少額のファクタリングを考えていたAさんなので、この会社は断りました。あとで調べてみると、ファクタリング会社を装った闇金業者と分かったのです。断って正解でした。
このように、闇金業者は相手がファクタリングに詳しくないことがわかると、どんどん近づいてきます。そんな手口に騙されないように、ファクタリングについてきちんと勉強しておきましょう。
手数料が高め
ファクタリング会社の手数料は、一般的には高めの傾向です。ただし、会社によってかなり幅があるので、手数料を安く抑えたいならば、安めのところを探しましょう。
そもそもファクタリング会社の手数料は、ファクタリングの手法によって異なります。そのため、ファクタリングの2種類のやり方について理解しておきたいものです。
ファクタリングには、2社間ファクタリング、3社間ファクタリングが存在します。手数料は2社間ファクタリングの方が高めで10~30%くらいです。一方、3社間ファクタリングは1~9%くらいの手数料です。ただし、どちらもファクタリング会社によって異なります。
3社間ファクタリングの方が安いのは、取引先が入るからです。3社間ファクタリングは、利用者、ファクタリング会社、取引先の3社におけるファクタリング取引です。
ファクタリング会社は取引先とも契約し、売掛金はいったん、ファクタリング会社が手数料を引いた分を利用者に払います。そして、期日になったら、取引先が売掛金をファクタリング会社に返却します。
このように、確実に売掛金を返却してもらえるので、手数料は安く設定されるのです。
それに対して2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の2社間です。利用者にとっては、取引先にファクタリングを知られなくて済むので助かりますが、手数料は高めです。
2社間だと、万が一、取引先がファクタリング会社に売掛金を払わずに倒産してしまったら、ファクタリング会社は、売掛金を返却してもらえなくなるリスクを背負っています。手数料が高いのは、そういったリスクがあるからです。
取引先に誤解されることがある
ファクタリングは取引先に誤解される可能性があります。未だ、ファクタリングは多くの人に理解されていません。ケースバイケースですが、ファクタリングを借金と誤解する場合があります。
したがって、取引先の中にもファクタリング=借金と思い込んでいる人もいるものです。そのため、スタートアップ企業がファクタリングに関わっていると知れば、取引を断る可能性も考えられます。
しかし、ファクタリングが資金調達のための手法であること、国に認められていることなどをきちんと説明すれば理解してもらえるかもしれません。
ファクタリングとスタートアップ企業についてのまとめ
ファクタリングがスタートアップ企業におすすめの理由は、借金にならずに売掛金を早めに現金化できること、審査が早くゆるいこと、現金化までのスピードが速いことなどが挙げられます。
また、スタートアップ企業は資金繰りが厳しいことが多く、負債を抱えているケースも少なくありません。そんなスタートアップ企業がファクタリングを行うには、悪徳なファクタリング会社を避け、ご自身の会社に合うファクタリング会社を見つけましょう。