ファクタリングFactoring

2023.09.27

ファクタリング会社とサービサーの違いは?特徴・利用目的・手数料を比較

ファクタリングやファクタリング会社は聞いたことがあるけれども、サービサーについてはよくわからないという方は、多いのではないでしょうか。

サービサーとは債権回収会社です。ファクタリング会社同様、債権譲渡に関するサービスを行うところは、似ています。

しかし、ファクタリング会社とは異なる面も多々あり、サービサーならではのサービスも存在します。そこでこの記事では、ファクタリング会社とサービサーの違いを特徴、利用目的、手数料で見てみます。

ファクタリング会社とサービサーの特徴における違い

ファクタリング会社とサービサーそれぞれの特徴を紹介します。そして、その違いについても挙げてみましょう。

・ファクタリングやファクタリング会社の特徴
・サービサーの特徴
・ファクタリング会社とサービサーの特徴における違い
それぞれの特徴を知っておくと、どんなサービスが受けられるかわかります。そのうえで違いについても理解できるものです。

ファクタリングやファクタリング会社の特徴

ファクタリングやファクタリング会社の特徴を挙げてみました。

・ファクタリングは売掛金をスピーディーに現金化できる
・ファクタリングは取引先が倒産しても売掛金を返金しなくて良い
・ファクタリングは借金ではなく資金調達の手法
・ファクタリング会社によっては即日で現金化できる
・ファクタリングは融資より審査が早い
・個人事業主が利用できるファクタリング会社もある

ファクタリングは通常ならば現金化までに2~3ヶ月かかる売掛金をスピーディーに現金化するサービスです。ファクタリング会社が売掛債権を買い取って現金化するからです。

たとえば、赤字決算がある会社の場合、売掛金の現金化があれば、その場を乗り切れる可能性があります。また、借金にならないので、負債を増やさずに済みます。

サービサーの特徴

サービサーにはどんな特徴があるでしょうか。

・不良債権の処理のために制定されている
・サービサー法(債権管理回収業に関する特別措置法)による法人
・民間の債権管理回収専門事業者
・利用する法人は銀行、消費者金融、カード会社など
・株式会社で資本金5億円以上
・取締役には弁護士が含まれる
・反社会組織に関与していない
・金融会社の関連企業が運営することが多い
・投資ファンド系・政府系・ノンバンク系・独立系・不動産業系などのサービサーも存在する

かつてのサービサーは債権回収が業務であったため、弁護士のみが担当できました。しかし、サービサー法が施行されるようになると、法務大臣から許可を得られれば、民間の債権回収専門会社がサービサーを行えるようになったのです。

ファクタリング会社とサービサーの特徴における違い

ファクタリング会社とサービサーの特徴における違いを以下に挙げます。

・制定された目的の違い
・利用する法人の違い
・資本金が5億円以上に限定されているか否かの違い
・取締役に弁護士が含まれているか否かの違い
・サービサー法に関連しているか否かの違い

このように、ファクタリング会社とサービサーには、多くの違いがあります。どちらかというと、規定が厳しいのはサービサーの方です。

ファクタリング会社とサービサーの利用目的の違い

ファクタリング会社とサービサーの利用目的による違いも紹介します。

・ファクタリング会社の利用目的
・サービサーの利用目的
・ファクタリング会社とサービサーの利用目的による違い

両社の利用目的を理解しておくことで、どのような時にどちらを利用すればいいのか理解できます。

ファクタリング会社の利用目的

ファクタリング会社の利用目的の例を挙げてみました。

・会社の資金繰りが厳しいため、早めに売掛金を現金化したい時に利用する
・収入が不安定な個人事業主が早めに売掛金を現金化したい時に利用する
・売上が安定しない商店主が、当面の赤字を乗り切るために売掛金を利用する

このように、法人や個人事業主がファクタリング会社を利用するのは、売掛金の早めの現金化が目的です。

ファクタリングの場合、利用者の職種はさまざまです。中小の会社経営者、商店主、自営業者、フリーランス、など幅広い職業の人がファクタリングを利用します。

売掛金の利用額は、ファクタリング会社によってですが、少額でも利用可能です。ただし、法人のみしか取り扱わないファクタリング会社も存在します。

サービサーの利用目的

サービサーは回収不能の売掛債権の処理が主な利用目的です。つまり、支払い日を過ぎ、回収できなくなった売掛債権を現金化します。

そんなサービサーを利用するのは、銀行やカード会社、消費者金融などの金融系の法人です。ファクタリングのように個人事業主は利用できません。

ファクタリング会社とサービサーの利用目的による違い

両社の利用目的の違いは、不能にはなっていない売掛債権を早めに現金化するか、不能になった売掛債権を現金化するかです。

そして、利用者も違います。ファクタリング会社は中小企業などの経営者や個人事業主といった幅広い職業の方々です。それに対して、サービサーは金融関係の法人と限定されており、個人事業主は利用できません。

ファクタリング会社とサービサーの手数料における違い

ファクタリング会社とサービサーの手数料による違いを比べます。

手数料は重要です。利用側に支払われるのは、売掛金から手数料を引いた額です。手数料の高さによって、入金額には違いが出てきます。

ファクタリング会社の手数料

ファクタリング会社の手数料の相場はファクタリングのやり方によって違います。まずは2種類のファクタリングについて説明します。

ファクタリングには、ファクタリング会社と利用側の2社で行われる2社間ファクタリング、それに取引先が加わった3社間ファクタリングの2種類があります。

手数料は2社間ファクタリングの場合は10~30%です。一方、3社間ファクタリングの場合は1~9%と安めになっています。

3社間ファクタリングの手数料が安めなのは、取引先が加わるからです。取引先は、売掛金を直接ファクタリング会社に支払います。それにより、ファクタリング会社は確実に売掛金を受け取れます。

このように、3社間ファクタリングは、ファクタリング会社にとってはスムーズに取引ができます。

それに比べ、2社間ファクタリングの場合は、利用者とファクタリング会社の2社のみです。場合によっては、売掛金がスムーズに入金されない可能性も考えられます。そんなリスクを考えて、手数料が高めに設定されているのでしょう。

ここから、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングにおける手数料と売掛金の関係を想定してみます。

仮にある自営業者が2社間ファクタリングを行ったとします。売掛金150万円、手数料10%とすると、150万円から手数料15万円がマイナスされます。したがって、150万円-15万円で利用者に入金されるのは135万円です。

同じ金額で3社間ファクタリングを行ったとすると、利用者に入金される額がいくらになるか計算してみます。この場合、手数料を3%とすると式は以下です。
150万円-4万5千円=145万5千円

したがって、利用者に入金されるのは145万5千円です。同じ金額の2社間ファクタリングより約10万円の差があります。

このように、3社間ファクタリングと2社間ファクタリングでは、手数料による大きな差があります。

サービサーの手数料

サービサーの手数料について説明します。

サービサーの手数料は一般的な額と比較するとかなり割高で、額面金額の97~98%です。つまり、回収不能債権は債権額面の2~3%で買い取ってもらえます。

たとえば、ある銀行で500万円の回収不能債権があったとします。サービサーに相談すると、97%の手数料で引き取ってもらうことになりました。

この場合、手数料のみで485万円なので、銀行が受け取れる金額は15万円です。このように、サービサーの手数料が割高なのは、回収不能債権のリスクがともなうからです。

ファクタリング会社とサービサーの手数料による違い

ファクタリング会社とサービサーは手数料に関しても大きな違いが認められます。ご覧の通り、ファクタリング会社に比べ、サービサーは手数料が割高です。

ファクタリング会社の手数料です。
・2社間ファクタリング:約10~30%→会社によって違います。
・3社間ファクタリング:約1~9%→こちらも会社によって違いがあります。

サービサーの手数料です。
・額面全額の97~98%

サービサーの手数料の高さはリスクの高さを物語っています。サービサーには弁護士が関わっています。それだけにかかる手間が尋常ではないことが考えられます。

ファクタリングとサービサーの違いについてのまとめ

ファクタリングとサービサーの違いは、以下のことがありました。

・特徴
・利用目的
・手数料

特徴として、ファクタリング会社とサービサーには、回収不能の売掛債権を回収するかしないかなどに違いがあります。

利用目的は、ファクタリング会社の場合は売掛金を早めに現金化することです。一方で、サービサーは回収不可能な売掛債権の回収という違いが見られます。

そして、手数料の違いはその割合です。比較するとサービサーの方がかなり高額に設定されています。このような両社の違いを理解してご自身に合うサービスを利用しましょう。

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