「ファクタリングを利用してみたいけどどのタイミングで利用すべきか分からない」
「ファクタリングはいざという時の最終手段として、利用するタイミングを知っておきたい」
そんな経営者の方もいらっしゃるかもしれません。
ファクタリングは手軽な資金調達法ではありますが、もちろんリスクが一切ない方法ではありません。
適切なタイミングで利用できればこれほど心強いサービスはありませんが、間違ったタイミングで利用してしまうと、単に損しただけで終わってしまう可能性もあります。
そんなファクタリングを利用すべきタイミング、すべきではないタイミングに加え、ファクタリングを利用する上で意識しておきたいタイミングなどに関しても解説していきましょう。
ファクタリングを利用するタイミング
新しい資金調達法として浸透しつつあるファクタリング。
そのファクタリングの特性を考えると、利用すべきタイミングと利用すべきではないタイミングがあります。
まずは利用すべきタイミングに関して解説していきましょう。
急な出費が必要になった
企業経営をする中で想定外の出費、もしくは想定はしていたものの、想像以上に現金が必要になるタイミングがあるかと思います。
こういったときこそ、ファクタリングを利用するベストタイミングといえるでしょう。
急な出費の理由は、企業ごとにいろいろなケースが考えられます。
原油価格の高騰や光熱費の値上げ等で、一時的に支払いに窮してしまうというのはよくあるケースです。
ほかにも事業を行うための設備に故障や不備があった場合の修繕費用、運送業では車両の修繕・買い替えの費用なども含まれます。
生産業においては、生産するための原材料費の高騰や、円安・円高、ドル円相場の変化なども急な出費の要因となり得ます。
そんな想定外の事態に対応する場合は、現金化のスピードが早いファクタリングがおすすめとなります。
資金融資を受けるのが厳しい
すでに融資を受けている、債務超過の状態に陥っているなど、これ以上金融機関から資金融資を受けるのが難しいという場合は、ファクタリングで現金を確保するという方法が考えられます。
ファクタリングにおいても契約を前に審査は行われます。
審査があること自体は金融機関などからの融資と同様ですが、その審査の内容が緩いのがファクタリングの特徴です。
また、ファクタリングの審査で重視されるのは売掛先である取引先の財務状況。
そのため、例え債務超過に陥っている企業であっても、取引先に問題がなければ審査に通過することも珍しくありません。
近く事業拡大を考えている
近く事業拡大を考えているものの、急に出費が必要となった場合などもファクタリングは有効です。
例え事業拡大のための資金をある程度確保しているとしても、緊急対応で支払いを行うと、事業拡大のタイミングが遅れるということも考えられます。
企業にとっての事業拡大は、タイミングが非常に重要です。
急な出費の対応のために、事業拡大のタイミングを逸してしまうと、それこそ今後の業績に大きな影響を与えるかもしれません。
そこで利用したいのがファクタリングです。
ファクタリングは借入金とはなりませんので、事業拡大のために資金融資を考えているタイミングでも利用可能です。
ファクタリングの利用は信用情報に直結しませんので、金融機関による審査にも大きな影響は与えません。
開業間もない企業の資金調達
特に開業1年未満の企業は、ほとんどの場合金融機関からの資金融資を受けることができません。
開業1年未満ということはまだ決算報告を行っていないということ。
業務実績が数字となって表れていないと、金融機関はなかなか融資をしてくれないものです。
その点ファクタリングの審査では、重視されるのは取引先の情報です。
例え申し込む企業が開業間もない企業でも、取引先が信頼できる企業であれば、審査を通過する可能性は高くなります。
ファクタリングが特に必要ないタイミング
ファクタリングというシステムを知り、一度利用してみたいと考えている経営者の方もいらっしゃるかと思います。
ファクタリングというシステム自体は、今後もどんどん伸びていくシステムと考えられますので、一度経験しておくのは悪い選択ではないと思います。
しかし、タイミングによっては単純に損失を被るという可能性もありますので、利用するタイミングは慎重に考える必要があるでしょう。
ここでは特にファクタリングの利用がおすすめできないタイミングをいくつか紹介していきます。
資金が十分に確保できている
企業としての経営が順調に進んでおり、特に資金面で問題がないというタイミングでは、ファクタリングの利用はおすすめできません。
余裕があるからこそファクタリングを試してみたいという気持ちになるかもしれませんが、資金を十分に確保できている企業にとってファクタリングはマイナスにしかなりません。
ファクタリングを利用した場合、手数料が必要になります。
例えば100万円の売掛債権をファクタリングし、手数料が10%であった場合、手にできる現金は90万円ということになります。
つまり100万円分の仕事を納品したのにもかかわらず、手にできる収入は90万円になるということです。
手数料として支払う10万円は、そのまま企業にとっては損失ということになります。
多少の損失は出ても現金を確保しなければいけないという状況以外では、基本的にファクタリングはおすすめできないということになります。
金融機関から融資の提案を受けている
企業経営が順調に進んでいる、さらにその企業の業界が順調に成長しているという場合は、金融機関の方から融資を提案してきます。
金融機関、特に銀行からしてみれば、経営が順調な企業は問題なく金利を支払ってくれる優良顧客です。
また、融資を行うことでその企業との関係を深めていけば、企業経営者や社員の住宅ローン、教育ローンなどを請け負う可能性も高くなりますし、最終的にはメインバンクとなる可能性もあります。
金融機関から提案してくる資金融資は条件も良く、低金利であったり担保や保証が不要であったりと、企業としては有利な条件の融資となることがほとんどです。
こういった場合は、金融機関から融資を受けて、より手元の現金を厚くしておくことをおすすめします。
ファクタリングを利用する中で意識したいタイミング
実際にファクタリングする場合にも意識したいタイミングがいくつかあります。
主に入金に対するタイミングとなりますが、そのタイミングに関して解説していきましょう。
売掛金の入金タイミング
まずはファクタリングを申し込む売掛債権の売掛金が入金されるタイミングについてです。
売掛債権が発生してから、実際に売掛金が入金されるまでの期間を支払いサイトと言います。
ファクタリングにおいては、この売り上げサイトの期間が長いほど手数料が高くなる、審査に通りにくくなるという傾向があります。
ファクタリング会社から見ると、売り上げサイトが長いということは、それだけ長い期間売掛金が未回収となる期間が長くなるということ。
取引先が倒産をしてしまう、急に業績が悪化してしまうなどの事態があれば、売掛金の回収は難しくなります。
ファクタリング契約は、利用した企業が売掛金を保証する必要がない「ノンリコース契約」が基本となりますので、取引先から売掛金が入金されなかった場合のリスクは、すべてファクタリング会社が背負うことになります。
こういった事情から、支払いサイトの長い売掛債権ほど審査に通りにくい、通ったとしても手数料が高いという形になります。
同じような額面金額の売掛債権が複数ある場合、より支払いサイトが短い債権の方が有利な条件で契約できますので覚えておきましょう。
現金を手にできるタイミング
もうひとつは、売掛金を早期回収して手にできるタイミングです。
一般的なファクタリング契約では、申し込んでから2~3日程度で現金が支払われます。
とはいえこれは一般論です。
契約内容やファクタリング会社によっては、入金まで1週間程度の時間が必要となるケースもあります。
さらに言えばゴールデンウィークやシルバーウィーク、年末年始など連休を間に挟んだ場合も、入金までに時間がかかる可能性があります。
急な出費が必要な場合、支払いの期日が迫っている場合もあるかと思います。
まずは見積もりの際に、支払いのタイミングがいつくらいになるのかをきちんと確認し、必要があれば支払いを数日待ってもらうように調整するなどの対応が必要です。
近年では申し込み即日に入金可能というファクタリング会社も増えていますので、急いでいる場合は、入金のタイミングも意識してファクタリング会社を選ぶようにしましょう。
ファクタリングとタイミングのまとめ
ファクタリングは非常に便利で手軽な資金調達法です。
このファクタリングが有効であるタイミングも多く、資金調達法の一つの手段として持っておくことで、より企業経営は安定するでしょう。
反面ファクタリングの利用が推奨できないタイミングもありますので、このあたりは冷静に判断すべきでしょう。
ファクタリングを利用する場合にも意識したいタイミングはあります。
いろいろなタイミングを加味し、ベストな条件で契約できるように準備しておきましょう。