「どうしてもすぐに現金が欲しいので審査に絶対通るファクタリング会社を知りたい」
そんな緊急事態に陥っている経営者の方もいらっしゃるかと思います。
ファクタリングは売掛債権の譲渡契約。
この契約を結ぶ際には、必ず事前審査が必要となります。
事前に審査をするということは、当然ですが審査に通らない可能性があるということ。
では、ファクタリングの審査はどこに注目されるのか?審査に通る可能性が高いファクタリングとはどのようなものかという点を解説していきたいと思います。
絶対通るファクタリングは「ない」
最初に断言しておきますが、ファクタリング契約において、「絶対通る」ということはありません。
どんな売掛債権だろうと、どんなファクタリング会社でも、100%審査に通るということは考えにくく、常に通らない可能性があるのがファクタリングです。
なぜそうなるのか。その理由を説明していきましょう。
ファクタリングには審査が必ずある
ファクタリング契約において、ファクタリング会社が何を利益としているかと言えば、売掛金に対してかける手数料の部分を儲けとしています。
仮に100万円の売掛債権に対し手数料が10%だとすると、ファクタリング会社は手数料を差し引いた90万円を利用企業に振り込みます。
その後売掛金の入金期日に、100万円を手にすることで、この契約では10万円の儲けが出るということになります。
もし、売掛金が入金されずに、取引先が倒産してしまうようなことがあれば、ファクタリング会社は90万円を丸々損してしまうということになります。
こうした損害を防ぐために、ファクタリング会社は契約をする前に必ず審査を行います。
審査では、まずは持ち込まれた売掛債権が本当に存在するのかどうかをチェック。
その上で、申込企業や取引先の財務状況をチェックし、確実に売掛金が入金されるという確信を持つことができれば契約が結ばれるということになります。
審査が行われる以上、「絶対通る」と断言することはできません。
もちろん、持ち込んだ企業や取引先の財務状況からして、ほぼほぼ間違いなく通るというケースはありますが、絶対通るというわけではありませんので覚えておきましょう。
絶対ではないが通る可能性が高いケース
では、絶対ではないものの、通る可能性が高いファクタリング契約のケースには、どのようなケースがあるでしょう。
主にファクタリング会社の事情を中心に解説していきたいと思います。
手数料が高いファクタリング契約
ファクタリング契約の審査において、通るかどうか微妙な場合ファクタリング会社がどう判断するかというと、まずは手数料設定を高くするという対応があります。
手数料を高く設定することで、万が一売掛金が入金されなかった場合の損害を小さくするためです。
仮に100万円の売掛金に対し、30%の手数料をかけておけば、売掛金が未回収の場合のリスクを70万円に抑えることができます。
同じ売掛債権で契約する場合、手数料の高い契約ほど審査に通る可能性は高くなります。
売掛金の安いファクタリング契約
ファクタリング会社は、それぞれの会社ごとに、取り扱う売掛債権の上限金額と下限金額を設定しています。
この下限金額が低いファクタリング会社は、比較的審査に通る可能性が高い傾向にあります。
ファクタリング契約における審査は、売掛債権の額面金額に関係なく、同じだけの手間と人員が必要です。
つまり。1億円の売掛債権を審査するにも、100万円の売掛債権を審査するには、かかる手間は同じということ。
そう考えれば、ファクタリング会社としては、高額の売掛債権のみを取り扱っていた方が手間がかからないということになります。
そんな中で、あえて下限金額を安く設定しているのは、できるだけ多くの契約を取り、その数で儲けを大きくしたいという考えがあるからでしょう。
そのため下限金額を低く設定しているファクタリング会社は、比較的審査に通る可能性が高くなります。
もちろん絶対というわけではありませんが、参考までに覚えておきましょう。
個人授業主やフリーランス向けのファクタリング契約
上の下限金額の安いファクタリング会社と共通する部分もありますが、個人事業主やフリーランスの売掛債権に対応しているファクタリング会社も比較的審査に通る可能性が高いファクタリング会社と考えられます。
個人事業主やフリーランスは、企業などと比較すれば比較的金額の低い売掛債権を持っているもの。
こうした比較的低額の契約を中心に考えているファクタリング会社も、やはり審査に通る可能性が高い会社といえるでしょう。
ただし、売掛金が低い契約ほど、手数料は高くなる傾向がありますので、その点は注意が必要です。
「絶対通る」と喧伝するファクタリング会社に注意
ネットなどでファクタリング会社を探していると、「絶対通るファクタリング会社」や、「審査ナシのファクタリング会社」などと喧伝しているケースが見受けられます。
こうしたファクタリング会社は利用していいのか。
この点に関して説明していきましょう。
審査がある以上「絶対通る」はありえない
上でも説明しましたが、その会社がファクタリング契約で利益を得ようと考えているのであれば、審査に絶対通るということは考えられません。
売掛債権と言っても、その存在を証明するのは書面だけですので、作ろうと思えば架空の売掛債権はいくらでも作れるということになります。
もし、売掛金が存在しない架空債権で契約してしまえばファクタリング会社は大損失です。
また、存在する売掛金でも、到底入金が見込めないような売掛債権でも同様で、ファクタリング会社は儲けどころか大損失を被ることになります。
審査に絶対通るということは考えられず、にもかかわらずこういった文言を喧伝しているようなファクタリング会社は、まず疑ってかかった方がいいでしょう。
無審査のファクタリングは悪徳業者の可能性大
ファクタリング会社において、審査をしないという会社は考えられません。
もし存在するとすれば、それはファクタリング会社ではなく、ファクタリング会社を装った悪徳業者、闇金業者の可能性が非常に高くなります。
こうした悪徳業者は、それこそ無審査で契約を結びますが、その契約はファクタリング契約に見せかけた暴利の貸金契約であったりする場合がほとんどです。
返済できないとなれば、違法で厳しい取り立て行為が行われ、その後事業を継続することが難しくなりかねません。
ファクタリング会社の中には、いわゆる悪徳業者と呼ばれる違法業者がいるのは事実です。
ファクタリングを利用する場合は、こうした悪徳業者に引っかからないのが絶対条件です。
審査なしで契約などと言っているファクタリング会社とは絶対に契約しないようにしましょう。
絶対とは言わないまでも審査を通る可能性を高めるポイント
ファクタリング契約には審査が必須であり、審査に絶対通るということはありません。
そこで、審査に通る可能性を高くするために、利用企業ができることに関していくつか紹介しておきましょう。
信頼性の高い取引先の売掛債権で申し込む
ファクタリングの審査に通る可能性を高めるには、審査に通る可能性が高い売掛債権で申し込むことが重要になります。
ファクタリングの審査では、利用企業の財務状況とともに、取引先の財務状況が審査されます。
むしろ審査の中心は取引先の信用情報と言ってもいいでしょう。
ファクタリング会社としては、売掛金さえ入金されれば、損失を被ることはありません。
売掛金が入金されるかどうかが最大の審査ポイントとなります。
そこで絶対に審査に通ってほしいケースでは、取引先の信頼性を重視して持ち込む売掛債権を選びましょう。
支払いサイトの短い売掛債権で申し込む
もうひとつ売掛債権を選ぶ場合に意識したいのが支払いサイトの長さです。
支払いサイトとは、売掛債権が発生してから売掛金が入金されるまでの期間のこと。
支払いサイトが長いと、審査をしたタイミングから、より長い期間入金を待つことになり、この期間に取引先や利用企業が倒産するなどしてしまえば、売掛金を回収できなくなる可能性があります。
そのためファクタリング契約では、支払いサイトが長い売掛債権ほど手数料が高くなり、審査も厳しくなります。
反対に言えば、支払いサイトが短い売掛債権の方が、審査に通る可能性が高く、しかも手数料も安くできる可能性が高まります。
同じような額面金額の売掛債権が複数ある場合、より支払いサイトが短い売掛債権を選ぶことで、審査に通る可能性を高めることができます。
絶対通るファクタリングのまとめ
ファクタリング契約において、審査に絶対通るという契約は存在しません。
ファクタリング会社が、誠実に契約を締結しようと考えていれば、必ず審査は行われ、状況によっては審査に通ることができないというケースは考えられるものです。
ネットでは審査に絶対通るファクタリング会社などという記事を見かけますが、審査に絶対はありませんのでご注意ください。
特に審査がないなどというファクタリング契約は、悪徳業者である可能性が高くなりますので、絶対に契約しないようにしましょう。
審査に絶対通るということはなくとも、審査に通る可能性を高める方法はいくつかあります。
こうした方法を試しながら、より好条件でファクタリング契約できるように準備しましょう。