サービスを依頼する業者を探す際によく行うのが相見積もりです。たとえば、引越しなどで相見積もりを依頼することはよくあります。
そんな相見積もりは、ファクタリングでも利用できるか、気になるものです。この記事では、相見積もりの重要性を紹介します。ファクタリングの相見積もりをお考えの方は参考にしてください。
ファクタリングは相見積もりが必要?
まずは、ファクタリングで相見積もりが必要かどうか考えてみます。以下の観点で相見積もりの必要性を紹介します。
・相見積もりで手数料を比較できる
・より良いファクタリング会社を探せる
この2つについて詳しく説明しましょう。
相見積もりで手数料を比較できる
ファクタリング会社を選ぶ際に相見積もりを取ると、手数料の比較ができます。ファクタリングの手数料はファクタリング会社によって異なるからです。
利用する側としては、より安い手数料のファクタリング会社を選びたいものではないでしょうか。
たとえば、手数料が高めの2社ファクタリングの場合で考えますと、以下のような差があります。
・A社:手数料10%
・B社:手数料15%
・C社:手数料20%
仮に売掛債権が200万円としますと、上記の各社の手数料と手数料を引いた売掛金の受取額は以下です。
・A社:20万円→180万円
・B社:30万円→170万円
・C社:40万円→160万円
このように、手数料のみでも10万円の差が生じ、高い手数料だと受取額が少なくなります。したがって、より安い手数料がありがたいものです。
こうした手数料による差は、相見積もりを取ることで明らかになります。
より良いファクタリング会社を探せる
相見積もりを取ることで、上記で説明した手数料のみでなく、より良いファクタリング会社を探せます。
相見積もりに関して、感じよく接してくれるか、担当者の態度やファクタリングに関する知識がどのくらいのものかなどがわかります。手数料も重要ですが、受け入れ態勢の良さも気にしたいものです。
受け入れ態勢の良いファクタリング会社は、従業員教育をしっかり行う安心できる会社と考えられます。こうした会社であれば、気持ちよく取引できるでしょう。
このようにより良いファクタリング会社を探すためにも、相見積もりは大事です。複数社に相見積もりを取ることで、会社の雰囲気がわかります。
ファクタリング会社の相見積もりを取るタイミング
ファクタリング会社で相見積もりを取るには、タイミングが大事です。ここでは、どんなタイミングが良いのか、タイミングの重要性について考えてみましょう。
・1~2ヶ月前に相見積もりを取りたい
・余裕を持って相見積もりを取るべき
・交渉する時間を視野に入れる
これらの観点を詳しく説明します。
1~2ヶ月前に相見積もりを取りたい
相見積もりは、1~2ヶ月前には取りたいものです。
たとえば、4社に相見積もりを依頼するとします。その場合は1社につき書類をそろえる、連絡を取るなどしていると、1週間以上はかかってしまいます。
より詳しく相見積もりを取りたいならば、きちんと書類をそろえて正しい内容にしたいものです。そのためには時間を惜しまない方が良いでしょう。
余裕を持って相見積もりを取るべき
相見積もりは余裕を持って取るべきです。ギリギリの段階で相見積もりを取って、各社の比較をするのはおすすめできません。慌ててしまうと、肝心なことが疎かになりがちです。その結果、知りたいことに対応できなかったなどの弊害が出ます。
一つのファクタリング会社の見積もりを取るだけでも、下調べを確実にするなど、なかなか大変なものです。それが複数となるとより多くの時間が必要です。
交渉する時間を視野に入れる
相見積もりには、交渉がつきものです。その時間を視野に入れて、相見積もりのタイミングを考えてください。
相見積もりで交渉する内容は以下のとおりです。
・他社の見積もりを見せて手数料を安くできないか
・なぜ安くしてほしいかわかりやすく説明する
このようなことを交渉するのは容易ではありません。相手をその気にさせる営業テクニックが必要なので、身に付ける努力を怠らないようにしてください。
ファクタリングの相見積もりの注意点
ファクタリング会社の相見積もりを取るには、タイミングの他に注意点の確認も重要です。ここでは、以下の3点をピックアップしました。
・悪徳業者に関わらないように
・二重譲渡をしないように
・比較する項目を絞る
これらについて、説明します。
悪徳業者に関わらないように
ファクタリング会社の多くは、誠実で業務に前向きな会社です。しかし、少数の悪徳業者が潜んでいることは否めない事実です。相見積もりを取る際は、そんな悪徳業者を見抜き、関わらないようにしましょう。
ここで悪徳業者を見抜くポイントを挙げます。
・手数料が相場より高いか著しく低い
・審査がない
・分割払いを提案してくる
手数料が相場より高い場合は、手数料で儲けようとしている悪徳業者の可能性が高いです。また、安すぎる場合は、一見良いファクタリング会社のように感じますが、要注意です。手数料以外の費用を要求してくる可能性があります。
審査がないことは、ファクタリング会社にとってはあり得ないことです。よほど急ぎで資金を集めようとしている可能性も考えられます。契約後に高い手数料を要求してくる悪徳業者かもしれません。
ファクタリングには、分割払いは存在しません。それを提案してくるならば、高額の手数料でお金を貸す目的の闇金業者である可能性大です。
二重譲渡をしないように
ファクタリングで二重譲渡は避けたいものです。
二重譲渡は、主に2社間ファクタリングで起こることが多いものです。たとえば、ファクタリング会社を探すために相見積もりを取っているN社があるとします。
この会社はすでにファクタリング会社W社に売掛債権を譲渡しています。しかし、それにもかかわらず、相見積もりを取ったN社と契約しようとしています。このケースが二重譲渡です。
相見積もりは認められている行為ですが、二重譲渡は犯罪です。そのため、刑事告訴される可能性があります。お気を付けください。
比較する項目を絞る
複数社に相見積もりを取る場合は、比較する項目を絞った方が良いでしょう。項目を絞らずに、相見積もりを取ると、うまく比較できません。
相見積もりで比較したい項目は以下です。
・手数料
・リコースかノンリコースか
・入金のスピードはどのくらいか
・過去にどんな取引を行っているか
最低限、このくらいの項目を比較して相見積もりを行いましょう。
リコース、ノンリコースは、万が一取引先が倒産などで売掛金を払えなくなった時に、利用者が払う義務を負うのがリコース、払わなくて良いのがノンリコースです。
たいていのファクタリング会社は、ノンリコースです。しかし、中にはリコースのファクタリング会社も存在するので、気を付けたいものです。
ファクタリングにおける相見積もりの流れ
ここからは、ファクタリングにおける相見積もりの一般的な流れを紹介します。
・ファクタリング会社に見積もりを申し込む
・見積もり・相見積もりを取る
・必要書類の提出
・審査を受ける
それぞれの項目について、詳しく説明します。
ファクタリング会社に見積もりを申し込む
見積もりの申し込みは、電話、インターネット、FAXなどで簡単に申し込めます。
申し込みの際に不明なことがあれば、メールや電話で尋ねましょう。すぐに回答がほしいなら電話がおすすめです。
見積もり・相見積もりを取る
ファクタリング会社に見積もりを依頼します。電話、インターネットなど、その会社で指定されている手段を使いましょう。その際はより正確な見積もりになるために、売掛金の金額など正確な情報を伝えてください。
見積もりは依頼してすぐに対応してくれるファクタリング会社も存在しますが、何日か待たされる場合もあります。それを想定したうえで、複数業者で相見積もりを取ります。
必要書類の提出
見積もりを取るには、審査のための書類が必要です。たいていのファクタリング会社では、以下の書類が必要になります。
・会社が実在することの証明になる法人登記簿謄本
・代表の身分証明書
・印鑑証明書
・2~3期の決算内容が確認できる書類
・売掛金を証明するもの
審査を受ける
上記の手続き後に、審査を受けます。審査が通過できたら、早くて即日、手数料を引いた売掛金が支払われます。
相見積もりを取った中で、最終的に条件の合う1社に決めましょう。
ファクタリングの相見積もりについてのまとめ
ファクタリング会社を決めるためには、相見積もりがおすすめです。複数のファクタリング会社の見積もりを取ることで、ご自身の会社に有利なファクタリング会社を見つけられます。
相見積もりを取るには、まずどんなファクタリング会社があるか情報収集することが大事です。その後、いくつかのファクタリング会社をピックアップして見積もりを取ります。
こうした相見積もりによって、各社の手数料や受け入れ態勢を把握できるでしょう。