ファクタリングFactoring

2023.08.24

与信管理にも活かせるファクタリングの上手な活用方法とは?詳しく解説

企業経営をする中で重要な単語が与信です。自社が取引先に与えるという与信も重要ですが、取引先の与信管理というのもなかなか手間がかかる作業になります。

この与信管理にファクタリングが利用できることはあまり知られていません。

ファクタリングと言えば、急ぎで現金が必要になった企業の資金調達法というイメージですが、ファクタリングを利用することで、簡単に、しかも正確な与信情報を入手することも可能です。

では、ファクタリングを利用してどのように与信管理を行うのか、その方法などに関してまとめていきましょう。

与信と与信管理

企業経営を行う上で重要になるのが与信です。与信とは読んで字のごとく、「他社に与える信用」という意味があります。企業経営で考えるべき与信は、自社の与信と、取引先の与信です。

日本国内の経済活動では、「掛け取引」が中心です。事前に商品やサービスを提供し、その対価となる売り上げを後に請求するというのが掛け取引。この際発生するのが「売掛金」です。

売掛金とはすでに納品している物に対する対価ですので、未回収の売り上げということです。この売掛金が入金されるかどうかが企業経営に大きな影響を与えます。

売掛金未回収のリスクを避けるために必要になるのが与信管理です。取引先がどのような財務状況かなどを把握し、その取引先に合わせた金額で取引を行うようにすることで、未回収のリスクを軽減するために行う必要があります。

とはいえ、中小企業の場合、この与信管理まで手が回らないというケースも少なくありません。与信管理をする以上、人員や費用など、ある程度のリソースが必要となりますが、経営がよほどうまくいっていないとそこまで余裕がないというのが経営者の方の本音でしょう。

与信管理はある程度必要であり、やるべきと分かっていてもなかなかできない。そんな経営者の方におすすめしたいのが、ファクタリングを利用した与信管理の方法となります。

ファクタリングを利用した与信管理

ファクタリングとは、売掛債権を譲渡し、売掛金の早期現金化を図る資金調達法です。イメージとしては、資金繰りが厳しい企業や、急遽現金が必要になった企業が利用するものと考えがちですが、与信管理という点でも優秀なのがこのファクタリングです。

ファクタリングを利用した与信管理に関して、紹介していきましょう。

債権買取型契約を利用した与信管理

特に初めて取引する取引先の場合、取引先の財務状況まで正確に把握するのは簡単ではありません。

そんな時に利用できるのが買取型のファクタリングです。ファクタリング会社に債権を譲渡することで、ある程度手数料は必要となりますが、売掛金の大部分は確実に現金として入手することができます。

しかも現金化されるのは売掛金が入金されるよりも早くなりますので、会社としての資金状況が悪くなることはないでしょう。

新規の取引先や、与信管理が難しい取引先との取引の場合、最悪の事態を回避する方法として、債権買取型のファクタリングは、有効な方法といえるでしょう。

保証型ファクタリングを利用した与信管理

ファクタリングにはいろいろな契約方法があり、その中の一つに保証型のファクタリングというものがあります。

保証型ファクタリングとは、手元にある売掛債権に対する保証金をファクタリング会社に支払うファクタリング契約です。契約を結んだ時点では、売掛債権の名義は変更されず、利用企業は債権者のままという形になります。

売掛金の入金期日までに、取引先から入金があればそれで契約は完了です。もし、入金期日までに売掛金が入金されなかった場合、その時点で売掛債権はファクタリング会社に譲渡され、利用企業はファクタリング会社から売掛金を回収できます。

ファクタリング会社は新たな債権者となり、取引先に売掛金の支払いを請求するということになります。

保証型ファクタリングは、保証金を支払うことで、売掛金未回収のリスクを軽減する契約です。取引先の与信管理が難しいという企業としては、非常にありがたい契約となります。

ファクタリングにも与信限度額が存在する

ここまでファクタリングを利用することで与信管理を行うという方法について紹介してきました。しかし、そのファクタリング契約にも与信は影響しており、ファクタリング契約においては与信限度額というものが存在します。

掛け目とは?

ファクタリング契約は、売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、売掛金の早期現金化を図るものです。

こう聞くと、売掛債権の額面金額から、手数料などを差し引いた現金が手に入ると考えがちですが、現実的には「掛け目」という数字があり、この掛け目に応じて手に入る現金の金額が決定します。

掛け目とは、売掛債権の額面金額に対し、どの程度の割合でファクタリングを行うかを定めた数値のことです。一般的な債権買取型の契約の場合、15~25%程度で設定されることが多いといわれています。

仮に1,000万円の売掛債権で、掛け目が20%の場合、ファクタリングの対象となるのは額面金額から20%を差し引いた800万円ということになります。この800万円に手数料がかかり、さらに諸経費が差し引かれた分が、早期現金化できる金額です。

掛け目に関しては法的な定めは特になく、ファクタリング会社が各契約ごとに独自に設定する数値となっています。ではこの掛け目は何を根拠に設定されるのか?それが利用企業と取引先の与信ということになります。

利用企業や取引先の与信が低いと、ファクタリング会社は高い掛け目を設定してきます。つまり利用企業としては早期現金化できる金額が小さくなるということです。

反対に利用企業も取引先も与信が高いと判断されれば、売掛金の未回収リスクは低くなり、それだけ掛け目も低い設定となります。

ファクタリングでは掛け目という単語で表現されますが、通常の商取引に置き換えて考えれば、これは与信限度額に相当します。ファクタリング契約も与信により契約内容の有利不利が変化しますので覚えておきましょう。

掛け目も含めたファクタリング契約の流れ

掛け目に手数料など、意外と計算が面倒なイメージがあるファクタリング契約。では実際に売掛債権を譲渡するファクタリング契約の流れに関して、掛け目なども踏まえた上で説明していきましょう。

審査の上手数料と掛け目が決定

ファクタリング会社は、売掛債権や必要書類から審査を行います。ファクタリング会社の審査はほぼ与信審査と言ってもいいでしょう。取引先が売掛金をきちんと支払うかどうか、利用企業は入金された売掛金を速やかにファクタリング会社に入金するかどうか。この2点に関して審査を行います。

審査の結果、手数料や掛け目が決定し、契約条件が利用企業に提示され、審査結果や契約内容に問題がなければ契約に移ります。契約が完了すれば、売掛債権の債権者はファクタリング会社に移り、ファクタリング会社から利用企業に対して現金が振り込まれます。

早期現金化される金額の計算方法

早期現金化される売掛金の計算方法に関して簡単に説明しておきましょう。

仮に売掛金1,000万円、掛け目15%、手数料10%、諸経費10万円のケースで考えてみましょう。

まずファクタリングの対象となる金額は、売掛金から掛け目を差し引いた金額ですので、このケースでは850万円となります。この850万円に手数料10%がかかりますので、手数料は85万円、そしてさらに諸経費の10万円が差し引かれます。

結果利用企業が早期現金化できる金額は、755万円ということに、1,000万円の売掛債権ですから、その75.5%が早期現金化されるということになります。およそ3/4といってところです。

では、現金化された後の流れを確認していきましょう。

売掛金入金後の流れ

売掛金の早期現金化を果たしたといっても契約は完了ではありません。その後、売掛金の入金期日までに、取引先から1,000万円の売掛金が、利用企業の口座に振り込まれます。

売掛金が入金されたら、その売掛金は債権者たるファクタリング会社のものですから、ファクタリング会社への入金を行います。この時に入金する金額は、売掛金から掛け目の15%を差し引いた金額。つまり850万円ということになります。

結果的に利用企業は1,000万円の売掛債権をファクタリングし、そのうち755万円を早期現金化、150万円を売掛金入金日に手にすることとなり、合わせて905万円の現金を手にする形になります。

この売掛金の入金を持ってファクタリング契約は完了という形になります。

ファクタリングの与信についてのまとめ

経営者にとって取引先が増えること自体は喜ばしいことですが、その取引先の与信管理を行うのはなかなか大変なことです。取引先が増えるたびに与信管理を行う量も増え、特に中小企業にとってはなかなか難しい業務となります。

そんな与信管理を、ファクタリングを利用して行うというのも一つの方法です。ファクタリング会社は、各企業の信用調査を行うプロですから、自社で行うよりも確実で精度の高い情報が入手できます。自社内では大変な業務も、ファクタリング会社に任せることで、経費を抑え、より確実な与信管理を行うことができるでしょう。

ファクタリングに申し込んで、手数料や掛け目が高くなるような取引先は、今後の取引を抑える、辞めるなどの判断も可能です。単に現金が欲しいときだけではなく、与信管理という目的でも、ファクタリングは有効な手段といえるでしょう。

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