ファクタリングとは、売掛金を早期現金化するという資金調達法です。近年利用企業も増え、ファクタリングサービスを提供する会社も増えています。
そんなファクタリング会社の中には、事前面談なしでも申し込める会社が増えてきました。
事前の面談なしでどのように契約を行うのでしょうか。この記事では事前面談なしのファクタリングに関して細かく解説していきたいと思います。
面談なしのファクタリングが主流になりつつある
かつてファクタリングと言えば、まずはファクタリング会社に出向き、そこで事前相談を行ってから申し込むのが主流でした。
しかし、ファクタリングという資金調達法が浸透しつつある現在、ファクタリング契約の主流は、事前面談なしに移行しつつあります。
事前に面談なしで申し込めるファクタリングとはどのようなシステムなのかについて解説していきましょう。
面談なしの場合オンライン完結が基本
面談なしでいきなり申し込めるようになりつつある大きな理由は、AIの導入によるファクタリング申し込みのオンライン化です。
近年ではファクタリングの申し込みから契約まですべてオンラインで行う、オンライン完結のファクタリンサービスが増加しています。
オンライン完結のファクタリングでは、AIが自動的に審査を行い、問題がなければそのままオンライン上で契約に進むという形が基本となっています。
面談なしでファクタリング契約するメリット
面談なしで申し込めるファクタリング契約。申し込む側としては手間が省けるため、メリットは多いように感じます。そんなメリットを紹介していきましょう。
現金化までの時間短縮に繋がる
事前面談という1つのステップが省略できるということは、時間短縮において大きな意味を持ちます。もちろん事前面談に必要な時間は短縮されますし、ファクタリング会社を訪問する移動時間も必要なくなります。
もし事前面談で書類が不足しているなどが発覚すれば、一度自社に戻り、書類を用意して再び事前面談を行うという形にもなりかねません。
事前面談なしであればこうした無駄な時間はなくなり、オンライン完結のファクタリングであれば、自社内にいながら即申し込み、契約という事も可能になります。
ファクタリングの利用を他社に知られる可能性が下がる
ファクタリング会社を訪問する、またファクタリング会社の担当者を自社に招くとなると、当然ですがファクタリングを利用していることが、他社に知られる可能性が高まります。
ファクタリング自体は非常に便利な資金調達法ですが、ファクタリングを利用しているという事実は、特に取引先にとってはマイナスのイメージとなりかねません。
面談なしのファクタリングであれば、こういったデメリットをほぼゼロにすることも可能です。これも面談なしのファクタリングのメリットといえるでしょう。
手数料が安くなる可能性がある
面談なしということは、ファクタリング会社にとってもありがたいこと。面談を行う担当者を置く必要がなくなり、その分経費もかからないということになります。
企業経営において大きな比重を占めるのが人件費です。その人件費を抑えることができれば、それだけ顧客に還元することも可能になります。
ファクタリングの場合、その還元が影響するのが手数料です。つまり面談なしのファクタリングの場合、面談ありの契約と比較すると、手数料を安くすることができるということになります。
面談なしでファクタリング契約するデメリット
面談なしでのファクタリングは、他社に知られることなく、素早く、より安い手数料で利用できるという大きなメリットがあります。
ただしメリットがあることには当然ですがデメリットもつきものです。ここからは面談なしのファクタリングにおけるデメリットに関して紹介していきましょう。
不明点を相談できない
面談なしということは、担当者と話す機会や窓口がないということになります。
ファクタリングを初めて利用する会社や、あまり利用経験がない会社の場合、ファクタリングにおける不明点や不安な点もあるかと思います。
こうした問い合わせを気軽にできる場所が事前面談の場でした。面談なしのファクタリングの場合、こうした不明点や不安点の解決が難しいというデメリットが考えられます。
AIを利用した画一的な審査に通らない可能性がある
面談なしのファクタリングでは、担当者不在で審査もAIに任せるというオンライン方式を導入している会社が少なくありません。
オンラインでの申し込みは、手間が省ける反面、審査が画一的になってしまうというデメリットがあります。
事前に担当者と面談を行い、そこで細かな事情を説明することができれば、審査を通過できたはずの案件も、AIによる審査では通らないという可能性があります。
AIがいくら便利になったといっても、実際の人間ほど柔軟な思考回路は持ち合わせていません。面談なしのファクタリングだから審査に通らないという可能性があることは意識しておきましょう。
悪徳業者に引っかかる可能性がある
最悪のケースとしては、いわゆる悪徳業者に引っかかる可能性があります。
ファクタリング業界には残念ながら悪徳業者と呼ばれる会社が存在します。ファクタリング契約と見せかけて、法外な金利の貸金契約を結んだり、契約書に目立たないように利用企業が不利になる条件を付けたりすることで、後に膨大な金額を請求してくるような業者です。
こうした悪徳業者の中には、面談なしでの申し込みが可能な業者も存在します。悪徳業者は、契約審査などは不要で、とにかく契約してしまえばいくらでも取り立てられると考えていますので、面談なしの契約はむしろ好都合です。
また、こうした悪徳業者は、事務所を構えていなかったり、社員教育をキッチリしていないケースが多く、面談をすることで悪徳業者であることがバレてしまうことも多々あります。
面談なしということは、契約するファクタリング会社がどのような会社かを確認しづらいというデメリットがありますので、十分に気を付けたいところです。
面談なしではファクタリング契約ができないケース
面談なしでファクタリング契約ができるケースは増加の傾向にあります。とはいえ、それでも面談なしでは契約できないというケースも存在しています。そんなケースに関して紹介しておきましょう。
売掛債権の額面金額が高額のケース
まずは売掛債権の額面金額が高額なケースです。
売掛金が億単位になるなど、高額の売掛債権の場合、実際に面談をしてその債権が実在するのか、取引先はどんな会社かという点を、担当者が判断しないと契約できないケースがあります。
どの程度の金額が高額と見做されるかは、ファクタリング会社の判断によりまちまちですので、まずは利用するファクタリング会社が、どの程度の金額まで面談なしで対応できるのかを確認しておくことが重要になります。
初めて利用するファクタリング会社の場合
ファクタリングを初めて利用する、またそのファクタリング会社を初めて利用する場合などは、面談なしでは受け付けられないというファクタリング会社も存在します。
ファクタリング契約を行う際、ファクタリング会社が重視するのは、契約する相手企業が信頼できる企業かどうかという点です。初対面の企業をいきなり信用するのは難しいものです。
そこで最初の利用に関しては担当者がつき、面談をしてから契約というケースも多いので、これからファクタリングを利用しようと考えている方、またファクタリング会社を変更しようと考えている方は注意しましょう。
オンラインと対面双方に対応しているファクタリング会社がおすすめ
これからファクタリングを利用しようとしている方、またファクタリング会社を変更しようと考えている方には、オンラインと対面の双方に対応しているファクタリング会社をおすすめします。
対面に関しては実際にファクタリング会社の窓口を訪れる、もしくは担当者を自社に招くという形だけではなく、ZOOMなどオンライン通話を利用した対面方式でもいいでしょう。
いずれにせよ、しっかりと担当者とコミュニケーションが取れて、かつオンライン契約にも対応しているファクタリング会社がおすすめとなります。
ファクタリングを継続的に利用する場合、同じ会社と契約した方が契約しやすいのは事実です。一度契約をした実績があるということは、そのファクタリング会社は悪徳業者ではありませんし、また、どのような契約になるかも想像しやすくなります。
ファクタリング会社としても、契約実績のある顧客は信用しやすいというメリットがあります。信用しやすいということは、審査に通りやすい、さらに手数料が安くなる可能性が高いなど、メリットも少なくありません。
新たに契約するのであれば、オンラインと対面、双方に対応している会社を探しましょう。
面談なしのファクタリングについてのまとめ
ファクタリング契約といえば、まずは事前面談というのがこれまでの流れでした。
しかし近年では面談なしでも申し込めるファクタリング会社は増えています。
ただし、面談なしでのファクタリング契約にはある程度デメリットもありますので、この点は抑えておきましょう。また、初契約や高額債権の場合、面談なしでは申し込めないケースも考えられますので、注意してください。