ファクタリングFactoring

2023.07.27

ファクタリングは通帳なしでも申し込めるのか?詳しく解説

ファクタリングとは、売掛金を早期現金化することです。手軽に利用できる資金調達法として、近年利用する企業が増えています。

そんなファクタリングの申し込みには、審査が必須です。そして、その審査において重要な情報が詰まっているのは、通帳です。

この記事では、通帳なしでファクタリング契約はできるのか?できるとすればどのような点に注意して申し込むべきか?など、ファクタリングと通帳についてまとめていきます。

通帳なしでファクタリングは申し込めるのか?

結論から言ってしまうと、通帳なしでのファクタリング申し込みは厳しいでしょう。
通帳にはいろいろな情報が詰まっており、ファクタリング会社が審査をするうえで非常に重要な書類です。その通帳なしでは、そもそもファクタリングを申し込めないことがほとんどでしょう。
もちろん通帳なしでも申し込み可能なファクタリング会社も存在します。しかし、通帳なしでの申し込みにはリスクがあるのも事実です。

ファクタリングを利用する場合、通帳は必ず提出すべき書類と考えて用意しておくことをおすすめします。

通帳なしだと申し込めない理由

では、なぜ通帳なしではファクタリングを申し込むことが難しくなるのでしょうか。この点について解説していきましょう。

解説の前に、ファクタリングにも審査は必須であることを覚えておきましょう。

金融機関などから資金融資を受ける場合には、厳しい審査を受けることになります。ファクタリングでは、こうした厳しい審査こそないものの、それでも無審査で契約になることはありません。

ファクタリングの審査でチェックされるのは、「申込企業の財務状況」・「売掛先の財務状況」・そして「売掛金の存在確認」です。
このチェックポイントにおいて、重要な情報が詰まっているのは、通帳です。このあたりに関して説明していきます。

売掛金が存在するかどうかが確認できない

通帳なしでの申し込みの場合、まずは何より売掛金の存在の確認が難しくなります。売掛債権といっても、書類だけであれば比較的簡単に偽造することは可能です。存在しない債権でファクタリングを申し込むというふていを働く輩がいないとも限りません。

そんな売掛債権の存在を証明できるのが通帳です。過去に同じ売掛先から同じような金額の入金があることについて分かれば、持ち込まれた売掛債権は存在する売掛債権であるという証明につながります。
通帳なしでは、こうした証明が難しいため、通帳なしのファクタリング申し込みは厳しいと言えるでしょう。

売掛先の支払い実績が確認できない

通帳を見れば、実際に同じ売掛先から入金されているかどうかの確認ができます。さらに、入金の日付をチェックすれば、取引のたびにしっかり入金期日を守っているかどうかの確認も可能です。

取引のたびにしっかり入金期日を守っている売掛先であれば、ファクタリング会社も安心して契約できます。しかし、毎回少し遅れて入金している、最近の取引で入金の遅れが目立ち始めた、などがあれば契約は難しくなるでしょう。
通帳なしではこの遅れたかどうかという点の確認が難しく、ファクタリング審査自体が難しくなってしまいます。

通帳なしでも申し込めるファクタリングの注意点

最初に説明した通り、通帳なしでのファクタリング申し込みは厳しいというのが現状です。ただし、厳しいだけであって、不可能ではありません。
ファクタリング会社の中には通帳なしでも申し込める会社は存在します。
通帳を見せたくないという理由で、こうした通帳なしでの申し込みに対応してくれるファクタリング会社を利用する場合、注意すべき点がいくつかありますので、ご紹介しましょう。

必要書類が多くなる可能性がある

上記の通り、通帳には多くの情報が載っています。その情報は審査をするうえで、非常に重要な情報であることが多く、通帳があることでファクタリングの審査が可能になっている部分は否定できません。

通帳なしで申し込めるといっても、その分審査が甘くなる、審査項目が減るというわけではありません。通帳の有無に関わらず、審査は同じ水準で行われますので、通帳なしで申し込む場合、通帳以外の書類が必要になるケースもあります。

必要とされる書類に共通点はありませんが、どれも審査をするうえで必要な書類です。準備すべき書類が増えることは、それだけ準備に時間がかかりますし、手間もかかります。
通帳なしでの申し込みの場合は、こうしたリスクのかかることが多くなりますので、覚えておきましょう。

審査に時間がかかる可能性がある

通帳なしでも審査ができるように、多くの書類を提出すればほかにリスクがないというわけではありません。通帳なしの申し込みの場合、審査に時間のかかるケースが多くなるというリスクも発生します。

通帳があればそこまで時間がかからない審査項目でも、通帳以外の書類を頼りに判断するとなるとどうしても時間かかってしまいます。

そもそもファクタリングの大きなメリットは、売掛金を早期現金化できる点です。この「早期」というメリットが、審査にかかる時間で少なくなってしまうことになります。
もちろん審査に数ヶ月かかるという訳ではありませんが、通帳ありで申し込んだ場合と比較すれば、確実に現金を受け取るまでの時間は長くなります。
急ぎ現金が欲しいという場合には、大きなリスクとなりますので注意しましょう。

悪徳業者である可能性がある

最後に最大のリスクについて、ご紹介しておきます。

ファクタリング会社の中には、いわゆる悪徳業者といわれる業者が存在するのです。この存在は、金融庁も認めており、ホームページで警鐘を鳴らしています。
通帳なしでファクタリングを受け付けるという会社の中には、いわゆる悪徳業者、闇金業者のような業者のいる可能性が高くなるのです。

こうした悪徳業者につかまった場合、速やかに警察や弁護士に相談しましょう。とはいえ、一度契約してしまえば、厳しい違法な取り立てに遭う可能性がある上に、自社の情報がこういった悪徳業者のネットワークに漏れてしまうという懸念があります。
悪徳業者にはそもそも近づかないのが鉄則です。そのためにも通帳なしでのファクタリング契約を希望する場合は、しっかり業者を見極めるようにしましょう。

通帳以外でファクタリング契約に必要とされる書類

ここまで、通帳なしのファクタリング契約という点について、解説してきました。しかしファクタリング契約には、通帳のようにほぼ必須となる書類がほかにもいくつかあります。もちろん必要書類は、ファクタリング会社ごと・ファクタリング案件ごとに変化しますが、契約の際、提出が求められることの多い書類を紹介していきましょう。

・決算書
・請求書
・登記簿謄本
・身分証明書
・実印
・印鑑証明登録書

実印・印鑑証明登録書というのは、契約の際に必要となるのは想像に難くないでしょう。身分証明書は、ファクタリングは、基本的に企業の代表者しか契約できないため、代表者本人であることを証明するために必要です。登記簿謄本に関しても、その会社が実在しているか、また申し込みの際の情報に間違いがないかなどを確認する上で必要な書類です。

それ以外の2点に関しては詳しく説明していきましょう。

決算書

決算書は、どの程度の範囲で提出が求められるかはケース次第です。しかし、多いのは直近2~3期分の提出が求められるケースでしょう。
決算書で見られるのは、どの程度の売掛債権を持っているのか、その売掛先の事業規模はどの程度のものかという点で、申し込んだ企業の財務状況もチェックの対象です。

とくに、2社間ファクタリングの場合、売掛金は一旦申込企業の口座に振り込まれ、その後申込企業からファクタリング会社に入金されます。この最後の入金がきちんと行われるか、売掛先からの入金が使い込まれることはないかなどがチェックされます。

請求書

基本的な債権買い取り型のファクタリング契約で取引される債権は、すでに売掛先に請求済みの確定債権です。

の請求書や発注書・納品書・契約書などの書類は、売掛債権が存在することを証明する書類として提出を求められることが多い書類です。これらの売掛債権の存在を証明する書類は、「成因資料」とも呼ばれています。どの書類の提出を求められても、すぐに提出できるように準備しておきましょう。
請求書の存在しない取引の場合は、請求書以外の成因資料を複数提出することもあります。

ファクタリング・通帳なしのまとめ

通帳なしでのファクタリング申し込みは受け付けてくれるファクタリング会社も多くなく、あまりおすすめはできません。

もちろん企業に限らず、個人事業主やフリーランスの方がファクタリングを申し込む際にも、個人名義の通帳の提出を求められることは多く、ファクタリング申し込みに通帳の提出は必須と考えておけば間違いありません。

通帳なしでファクタリングの申し込みを受け付けてくれるファクタリング会社もあります。しかし、通帳なしの場合、準備書類が増えたり審査に余計に時間がかかったりするケースが多いので、その点は覚えておきましょう。

また、通帳なしで申し込めるファクタリング会社の中には悪徳業者が紛れ込んでいる可能性もあります。契約の際、契約書をしっかりと読んで、不自然な条項が盛り込まれていないかチェックしてから契約するようにしましょう。

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