ファクタリングFactoring

2023.06.27

ファクタリングの仕訳は必要|勘定科目や会計処理のポイントを解説!

売掛債権を売却して資金調達するファクタリングは注目されています。
債権の現金化で借入ではないので、債務を抱えるリスクもありません。
ところでファクタリングで債権を売って現金を手にしますので、これは会計処理が必要です。
この場合、勘定科目など仕訳処理はどうすればいいのでしょうか?
この記事では、仕訳方法などについて詳しくご紹介します。

ファクタリングの種類で仕訳が異なる

ファクタリングは大きく分けて買取型と保証型に分類できます。
どちらの方法で債権買取したかによって仕訳処理の方法も変わってきます。

買取型

買取型とは、売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで資金調達するアプローチです。
一般的に「ファクタリング」と言えば、この買取型を指すものと思ってください。

売掛金は後日現金を回収する仕組みです。
しかし入金までに時間がかかります。
取引先によりけりですが、1~3カ月後まで待たないといけない可能性があります。

もし売掛回収が先であれば、それまでに資金ショートしてしまう恐れがあります。
帳簿で見ると利益が出ているにもかかわらず手持ち資金がなくて破綻する黒字倒産が起きるのは、このためです。

買取型を利用すれば、実際の回収期日前に売掛債権を現金化できます。
中には即日現金化も可能なところもあるので、資金繰りに行き詰まった時などには重宝します。

保証型

保証型とは、売掛債権が何らかの理由で回収できなくなった場合にファクタリング会社が取引先に変わって債権を肩代わりしてくれるサービスのことです。
売掛債権未回収に対する保険サービスのようなものと考えていただければいいでしょう。

保証型は貸し倒れのリスクマネジメントのためにあるサービスです。
「取引先に未払いリスクがある」「取引先は特定のところに依存している」ような場合には、保証型を利用すると安心です。

もし取引先が倒産などで売掛金回収ができないと、本来手元に入るはずだった現金を失います。
そうなれば、法人経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

2社間と3社間ファクタリング

買取型ファクタリングにもいろいろな種類があります。
その中でも認識してほしいのが、2社間と3社間です。

2社間はファクタリング会社と利用者との間の直接取引です。
売掛先は関わらないので、売掛先に知られることなく債権を現金化できます。
売掛先の了承なしで手続きできるので、スムーズに現金化が可能です。
しかし手数料の相場が10~30%とやや高めに設定されているのは、デメリットです。

一方3社間の場合、売掛先も関わってくるのが2社間との違いです。
売掛債権の現金化を売掛先が承諾しないと、手続きが進みません。
3社間の場合売掛先の承諾が必要なので、資金調達するまでに時間がかかります。
しかし手数料の相場は2~10%とされているので、2社間と比較すると低めです。

買取型ファクタリングの仕訳処理

買取型のサービスを利用した際の仕訳処理についてみていきます。
買取型の場合、先に紹介したように2社間と3社間では仕訳処理が若干異なります。
どちらのサービスを利用するのかを考えたうえで、仕訳処理を進めていきましょう。
基本的に売掛が発生した段階とファクタリングの契約締結したとき、現金化したときの3段階で帳簿に付ける必要があります。

2社間ファクタリングの場合

売掛金が発生した場合には、勘定科目の借方は「売掛金」貸方は「売上」で処理するのが一般的です。
売掛金の発生段階ではこのように処理してください。

ファクタリングの契約を交わした段階では、買取はまだの場合が多いです。
この場合借方は「未収入金」貸方は「売掛金」で処理します。
未収入金とは勘定科目の一種で、営業外の取引でこの先入金されるときに使われます。

そして現金化した段階では借方が「普通預金」や「現金」など実際にどのような形でお金が入ったかに合わせて勘定科目を決めましょう。
ファクタリングは全額売掛金を現金化できるわけではありません。
手数料が発生しますが、こちらは借方で「売掛債権売却損」で処理します。
一方貸方は「未収入金」にしてください。

2社間ファクタリングの場合、売掛先の承諾なしで手続きできるので即日入金に対応しているところもあります。
この場合、契約段階の会計処理は不要です。
売掛発生時→現金化の流れで会計処理すれば問題ありません。

3社間ファクタリングの場合

3社間の場合も、基本的には2社間と同じ会計処理をするものだと考えてください。
2社間で紹介した売掛発生時→契約締結時→現金化と同じ処理になります。

3社間の場合、即日入金はあり得ません。
取引先企業にファクタリングサービス利用の通知が行き、承諾をしなければトレードは成立しません。
この手続きにどうしても数日必要になるからです。

保証型ファクタリングの仕訳処理

保証型ファクタリングを利用した場合、仕訳処理をどうすればいいかについてみていきます。
保証型の場合、取引先が問題なく売掛金を支払ってくれた場合と何らかのトラブルで不履行になりファクタリング会社が肩代わりした場合とで処理の方法が異なります。

取引先から問題なく入金された場合

もし取引先が売掛金を滞りなく支払ってくれたのであれば、従来の方法で処理します。
すなわち借方は「現金」や「普通預金」など入金された方法の勘定科目で処理する形です。
一方貸方は「売掛金」で構いません。

ただし取引先から売掛金が支払われたとしても、ファクタリング会社に一定の手数料を支払わないといけないでしょう。
手数料を支払ったのであれば、借方は「支払手数料」貸方は支払い方法の勘定科目で処理します。
現金にて支払ったのであれば「現金」、口座引き落としであれば「普通預金」で処理するわけです。

回収不能に陥った場合

売掛先がお金の支払いができなくなって、ファクタリング会社が肩代わりした場合の仕訳処理ですが、2つの項目について記載しなければなりません。
まず売掛債権が取引先から回収不能になった会計、そしてファクタリング会社が肩代わりして売掛金を支払ったアクションに関する会計処理です。

前者の回収不能の帳簿の付け方ですが、借方は「貸倒損失」としましょう。
そして借方は「売掛債権」となります。

次にファクタリング会社からの支払いに関する会計処理を進めます。
借方は支払われた方法に関する勘定科目、つまり現金なら「現金」口座入金なら「普通預金」にします。
貸方に関しては「雑収入」という勘定科目で処理してください。

ファクタリングの仕訳処理における注意点

ファクタリングサービスを利用して、仕訳処理を行う際にはいくつか注意すべきポイントがあります。
その中でも以下のポイントはしっかり押さえておきましょう。

1.ファクタリングは消費税の課税対象外
2.決算期末をまたぐ場合には課税対象

以上どのような点に注意すればいいか、以下にまとめましたので参考にしてください。

ファクタリングは消費税の課税対象外

ファクタリングとは売掛債権の買取サービス、すなわち債権譲渡です。
債権譲渡は非課税取引に該当するので、本来なら消費税は課税されないはずです。

ところが中には悪徳業者もいて、見積もりの中で手数料の中に消費税を上積みして請求してくるケースがあります。
債権譲渡登記の手続きを司法書士にお願いする際の報酬に対しては消費税は発生します。
しかし譲渡手続きそのものに消費税はかからない点を理解しておきましょう。

決算期末をまたぐ場合には課税対象

ファクタリングに申し込んで、支払いが実行されるまでに決算期末をまたいでしまう場合もあるでしょう。
この場合、期末までにお金が入ってきていなくてもこの部分の売上は該当期で処理します。
つまり課税対象になるわけです。

ですから確定申告する際には、未回収の売掛金も売り上げとして法人税や消費税の中に盛り込む必要があります。
またお金が入っていないためスルーしがちですので、注意してください。

でんさいにおける仕訳方法を解説

手形に代わる新しい手段として、でんさいが注目されています。
でんさいは電子記録債権のことで、全銀電子債権ネットワークという全国銀行協会の設立された会社が運営するシステムです。
民間の一企業の行っているファクタリングとはその仕組みが異なります。

でんさいの仕訳方法は「電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い」が企業会計基準委員会から発表されています。
「電子記録債務」「電子記録債権」という勘定科目が新たに設定されたので、こちらに則って処理してください。

会計処理の基本は変わりません。
ただしでんさいで手数料を支払う際には、借方に「電子記録債権売却損」と記載しなければならないので注意してください。

まとめ:ファクタリング利用前に仕訳方法をマスターしよう

融資と違ってファクタリングは売掛債権売却で資金調達する方法なので、会計処理をどうすればいいかで迷う人も多いようです。
最初は戸惑うかもしれませんが、勘定科目などを覚えればそこまで複雑な仕訳処理は発生しません。
ここで紹介した内容をマスターして、スムーズに仕訳処理できるようにしておきましょう。

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