ファクタリングFactoring

2023.06.26

ファクタリングは違法?合法?ファクタリングにおける違法契約を解説

ファクタリングとは、売掛債権を譲渡し売掛金の早期現金化する資金調達法です。

結論から書けば、ファクタリングという資金調達法は合法です。ただし売掛債権の譲渡契約という形で契約を結んでいればという注釈がつきます。

ファクタリング契約の中には、実際に違法という判例が出ている事実もあり、利用する方もこの点には注意する必要があります。

この記事ではファクタリング契約が違法となるケース、また違法とならないためのポイントなどを紹介していきます。

ファクタリングは原則合法

ファクタリングとは、手元にある売掛債権をファクタリング業者に譲渡し、売掛金を早期現金化するという資金調達法です。近年利用する企業も増えており、経済産業省も利用を推奨している方法です。

経産省が推奨していることからも分かる通りファクタリング契約は合法です。契約としては「債権譲渡契約」となり、この譲渡に関して対価が発生するという形になりますので、借入金ともなりません。

それでもファクタリングの中には「違法」と判別されるケースは存在します。続いては違法とされるケースに関して解説していきます。

ファクタリングが違法とされるケース

ファクタリング契約に関する裁判例は比較的多く、ファクタリング業者が勝訴するケースも、敗訴するケースも存在します。

では、どんな場合に裁判に発展してしまうのか。どのような契約で違法という判決が出るのかなど、代表的な例を紹介していきましょう。

契約会社の支払いが滞った場合

もっとも多いと想像されるのが、利用会社の支払いが滞ったケースです。訴えるのはファクタリング業者で、訴えられるのは利用会社という形になります。

基本的なファクタリング契約の流れを簡単に説明しておくと、利用会社はまずファクタリング業者に売掛債権を持ち込みます。ファクタリング業者はその売掛債権に関して審査を行い、問題がなければファクタリング契約を結びます。

契約が締結したら、ファクタリング業者は売掛債権の額面金額の数%を手数料として設定し、額面金額からその手数料を差し引いた分を利用会社に入金します。

後日、売掛金が取引先から利用会社に振り込まれたら、利用会社は速やかに売掛金をファクタリング会社に入金し、契約は完了となります。

違法行為となるケースが多いのは、上で紹介した流れの最後にある「利用会社が売掛金ファクタリング業者に入金する」という部分で、支払いが遅れるケースです。

ファクタリングの契約内容に問題がなければ、訴えたファクタリング業者が勝訴するのが一般的となります。

契約が貸金契約と認定された場合

ファクタリング契約は「債権譲渡契約」です。しかし契約の内容によっては、「貸金契約」と認定されるケースがあります。

ファクタリング業者と利用会社の契約が貸金契約となった場合、ファクタリング業者には2つの違法行為が考えられます。1つは貸金業登録をしていないファクタリング業者の場合、違法に金銭を貸し付けたという意味で違法となります。

もうひとつは、仮にファクタリング業者が貸金業登録をしていた場合、貸金業法によって定められている法定金利違反となる可能性があります。

ファクタリング契約が貸金契約と認定されるようなケースでは、ファクタリング業者が敗訴するケースが多いようです。

給与ファクタリングは原則違法

ファクタリングと呼ばれる契約の中に、「給与ファクタリング」と呼ばれる契約があります。これは、個人の方が自身の給与を「給与債権」として債権譲渡契約を結ぶというもの。平たく言えばファクタリング業者から給与の前借りをするようなシステムです。

給与債権を譲渡する形の給与ファクタリングは「貸金契約」とする判例が多く見受けられ、給与ファクタリングは、給与を担保とした借金であると一般的に認識されています。

給与ファクタリングが貸金契約だと考えると、契約を結べるのは貸金業者として登録をしている業者だけですし、発生する手数料(貸金契約のため実質的には金利となる)は貸金業法が定める法定金利の範囲内である必要があります。

貸金業法として営業している業者は、法定金利を守った貸金サービスを提供していますので、わざわざ給与ファクタリングをサービスとして提供することはまずありません。

インターネットなどで「給与ファクタリング」を公言している業者は悪徳業者である可能性が高くなりますのでご注意ください。

違法なファクタリングを結ばないためのポイント

ファクタリングという資金調達法自体は原則合法です。しかし契約内容や契約相手(ファクタリング業者)によっては違法となってしまうケースも多々あります。

では、違法行為となるファクタリング契約を結ばないためには、どんなポイントにチェックするべきかを紹介していきましょう。

契約内容は細かくチェックする

まず大きなポイントとしておさえておきたいのが契約内容のチェックです。ファクタリングを利用したことがない方にとっては、契約のどの部分に注目すべきかという点は分かりにくい部分もあるかと思います。

注意すべき点はいろいろありますが、ポイントは「不明な点は全て解決してから契約する」という点です。

優良なファクタリング業者であれば、細部まできっちり説明してくれるはずです。逆に言えば契約内容に関して細かな説明をしない業者は悪徳業者の可能性もありますのでご注意ください。

悪徳業者に引っかからないようにする

上の項で悪徳業者という単語を出しましたが、現実にファクタリング業者の中に違法行為を繰り返す悪徳業者がいるのも事実です。

最初の部分で少し触れましたが、貸金契約を行う貸金業者は貸金業法という法律に則り営業を行っています。貸金業法では貸金業者は登録が必要であったり、金利に関しても法定金利として上限金利を設定していたり、しっかりと法律が整備されています。

しかしファクタリングに関する法律は2023年現在制定されておらず、手数料に関してもファクタリング業者に一任されている状態です。もちろんファクタリング業者としての登録制度もなく、悪徳業者でも開業できるという状況になっています。

こうした悪徳業者は、いわゆる闇金業者であることが多く、とんでもない金利で貸し付け、暴力的な取り立てを行うケースもあります。

ファクタリングを利用する場合、こうした悪徳業者に引っかからない事が重要なポイントとなります。

悪徳業者の見抜き方

ファクタリング業者の中には、残念ながら悪徳業者と言わざるを得ないような業者も存在しています。こうした悪徳業者に引っかからないために、基本的な見抜き方をいくつか紹介しておきましょう。

給与ファクタリングを行っている

上記の通り、給与ファクタリングはほとんどのケースで違法行為です。この給与ファクタリングを行っていると喧伝しているような業者は、ほぼ間違いなく悪徳業者と考えていいでしょう。

過去の判例を見ても、給与ファクタリングは貸金契約であるとした判決がほとんどです。

優良業者であれば、まず給与ファクタリングは行っていませんので覚えておきましょう。

手数料が極端に安い

ファクタリングの手数料に法的な定めはありません。とはいえ、手数料の相場というものがあります。多くのファクタリング業者は、この相場に近い手数料を設定していますが、稀に極端に安い手数料設定の業者があります。

同業他社よりも手数料設定を下げるのは、企業間競争という意味ではひとつの方法ですが、極端に安いのは何かしら理由があるということ。この安い手数料で顧客を集め、違法な契約を結ぼうとしている違法業者、悪徳業者の可能性もあります。

ちなみに2社間ファクタリングの手数料相場は10~30%、3社間ファクタリングの手数料相場は1~9%程度。この範囲に必ず収まっている必要はありませんが、極端に安い場合は疑ってかかった方がいいでしょう。

事務所を構えていない

ファクタリング契約を結ぶ場合、対面で契約書を交わすケースも多々あります。この契約の場面で、契約する場所を事務所ではなく喫茶店などで行おうとするファクタリング業者には注意が必要。

そもそも事務所を構えていない、もしくは事務所を人に見せられない事情があると推測できます。

悪徳業者の中には、闇金行為を行っている事務所でファクタリングにみせかけた違法契約を結んでいるケースも多く、こうした違法業者は事務所以外で契約したがる傾向があります。

あくまでも傾向という話にはなりますが、悪徳業者を見抜くひとつの方法として覚えておきましょう。

ファクタリングと違法のまとめ

ファクタリング契約自体は合法行為であり、経済産業省も利用を推奨している資金調達法です。しかし契約内容や契約相手によっては違法契約となってしまうケースがあります。

せっかく売掛債権の早期現金化という便利な方法を利用するのですから、こうした違法契約に引っかからないよう、ある程度の知識を持っておくことが重要。

ファクタリングを利用するタイミングは、一刻も早く現金が欲しいタイミングかとは思いますが、しっかり契約内容を見極めて、違法契約とならないように気をつけましょう。

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