事業者が保有する売掛債権を、決済前に早期現金化できる資金調達方法がファクタリングですが、昨今運送業の事業者のファクタリング利用率が上がっていると言われています。

運送業は元来キャッシュフローが安定的で、倒産リスクの低い事業として知られていますが、昨今のコロナ渦やロシアウクライナの紛争による燃料費の値上げなどに伴い、不安定な状況が続いています。

この記事では、そんな運送業とファクタリングの相性に関して詳しく解説していきます。
この記事をご一読頂いている運送関係の事業者様や、ファクタリングを検討されている事業者様は是非この記事をご一読ください。

運送業の昨今の資金繰り悪化の背景

冒頭で解説した通り、運送業の資金繰りを悪化させているその背景には、運送業特有の様々な特徴が起因しています。
物流は人々の生活を守る上で欠かせない産業であり、運送業も物流分野になりますので、本来は仕事が途絶えることはなく、安定的に収益を得ることが出来る事業体です。

昨今のコロナ渦の影響により、本来であれば以前よりもさらに収入を増やしていきやすいと言えるはずです。
しかしながら、ニーズが高い事業でありながら運送業には資金繰りを悪化させやすい状況にあると言えるのです。

これは、運送業が抱える「運送コストが不安定」な点と「収入が安定しにくい」点、「利益率が低い」点が原因と言われています。
運送業は燃料費の上昇の影響を受けやすいのですが、そんな中で昨今の運送報酬は2007年をピークに下落している傾向にあり、利益率を圧迫している状況が続いています。

運送業が抱える資金繰りのお悩み

前述の通り、運送業はニーズ自体は高い仕事であり、仕事量的には安定的なものの、資金繰りの面では様々な悩みがある業種と言えます。

本稿ではそんな運送業が抱える資金繰りの悩みを詳しく解説していきます。
主な運送業の悩みとしては、下記になります。

・支払いサイト
・固定費
・燃料費
・出費リスク

では、一つずつ解説していきます。

支払いサイト

運送業は支払いサイトが長期化する業界として知られており、手元の資金が不足しやすい業界とも言えます。
下請法の規制により、売掛金が入金されるまでの長さは最長で60日ですが、運送業は基本的にこの規制ギリギリで期日の設定がされていることがほとんどです。

更に、仮にこの期日から入金が遅れれば、ますます資金繰りを悪化させることになるのですが、業界的に手形が用いられることはほとんどなく、基本的に掛け取引になりますので、支払いサイトは長くなりがちです。

固定費

運送業にとって事業を継続させるためには、法改正や規制の強化に対して柔軟に対応するための固定費が必須です。
例えば許可要件の変更や高速料金の値上げ、新制度の導入などに伴う制度変更が該当します。
又、運送業にはトラックが欠かせませんが、トラックは事故や故障のリスクがありますので、保管費や修理費、新しい車両の購入費なども確保しておかなければなりません。

運送業自体は特別な参入資格などがありませんので、新規で参入しやすい業界ではありますが、不確定要素による出費の機会も多い業界になりますので、固定費の悩みはつきものです。

燃料費

運送業は、燃料費などの輸送費の変動による打撃を受けやすい業種です。
トラックを稼働させるための軽油やガソリンの燃料費は、国際情勢の変化により大きく影響を受けます。

特に事業用の大型トラックはほとんどが軽油を用いるのですが、軽油は値動き自体がかなり大きいため、想定していたよりも燃料費が掛かり、利益率に大きく影響してしまいます。

軽油やガソリンの燃料費が高騰したため、従来の運送料では赤字になるケースも多々あるものの、価格の高騰自体が一時的なケースも考えられますので、簡単に値上げしてしまう事で競合他社に乗り換えられてしまうリスクも伴います。
したがって、簡単に運送料を値上げすることもできず、燃料費の高騰分は運送業者が負担するケースも多いです。

出費リスク

運送業は主にトラックを使って商品を運ぶ仕事になりますので、不慮の事故が発生することも考えておかなければなりません。
対人での事故などの場合は、トラックの修理費から、載せていた商品の損害分の支払い、被害者の方への賠償金など、大きな出費が発生します。

修理代や賠償金などが、一件の事故で多く発生すれば、それだけで事業の継続が難しくなり、倒産に追い込まれるケースも少なくありません。

運送業に資金繰りを解決できるのがファクタリング

そんな運送業なのですが、このような資金繰りのリスクを解消できる資金調達方法がファクタリングです。
ファクタリングは最短即日で資金調達が可能ですので、運送業が抱える資金繰りのお悩み解決に直結する資金調達方法と言っても過言ではありません。

では、先ほどの運送業のお悩みに対してファクタリングがどのように機能するのか、詳しく解説していきます。

・支払いサイトの解決
・固定費の解決
・燃料費の解決
・出費リスクの解決

では、一つずつ解説していきます。

支払いサイトの解決

売掛先から売掛金が入金されるまでの期間を、ファクタリングによって短縮化することが可能です。
期日までの間にも家賃や人件費、トラックを走らせるための燃料費の確保など、様々な支払いが必要になってきます。
手元資金が無ければ、これらの支払いに対応することが難しくなります。

余分な現金を手元に準備していたとしても、事故の発生や燃料費の高騰、急な仕事の請負で前払いの費用が必要になるなど、予定外の出費が発生するリスクがあります。

このような状況に対して、一時的にファクタリングで手元の資金を増やしておき、予期せぬ出費に備えることで、資金繰りの影響を最小限に抑えることが可能です。

固定費の解決

事業の拡大に伴ってトラックを増台したり、既存のトラックの維持継続のための修理費用など、運送業の設備投資資金はかなりの金額が掛かります。

しかも、元々予定していたタイミングではない時に車両の修理や増台が必要になるケースも多く、こういった際に銀行や金融機関からの融資を待っていると間に合わないことも多いです。

そんな時にファクタリングであれば、早ければ最短即日での資金調達が可能ですので、設備投資資金を早ければ即日で準備することが出来ます。

燃料費の解決

運送業にとって燃料費の高騰は大きな打撃ですので、一時的な燃料費の上昇にはファクタリングを活用して対応することで、資金繰りの悪化を食い止めることが出来るでしょう。

例えば、売り上げの一部を先んじてファクタリングしておき、燃料費が高騰して手元資金が一時的に不足した場合にも対応していく事が出来ます。

出費リスクの解決

運送業にとって、車両の故障や事故は非常に大きなリスクですので、事前に車両保険に加入している事でしょう。

しかし、事故が対物ではなく対人だった場合は、保険の対象外の出費が必要になりますし、事故を起こしたドライバーの代わりのドライバーの新規採用、調整などにも出費が発生することになります。

こういった際に、ファクタリングであれば最短即日での資金調達が可能ですので、急に大きな金額の出費が発生した場合にも安心です。
運送業は突発的な仕事の依頼や、単発の案件なども多く、こういった案件を請け負うためにも先出しでの出費が必要です。

資金の準備が出来なければ案件を逃すことにもなりかねませんので、このようなことが無いように、必要なタイミングでファクタリングを活用して、ビジネスチャンスを逃さないように対応できます。

運送業がファクタリング会社を選ぶポイント

さて、このように運送業者が抱える資金繰りの悩みは、ファクタリングを活用することで解消することが出来ます。

本稿では、そんな運送業がファクタリングを利用するためのポイントを解説していきます。
主な内容としては、下記になります。

・手数料
・3社間ファクタリングの検討

では、一つずつ解説していきます。

手数料

運送業は前述の通り、利益率が低い業界になります。
そのため、ファクタリング会社を選ぶうえで最も注意しなければならないのが手数料です。
下手に手数料が高いファクタリング会社にファクタリングの依頼をしてしまうと、自社の利益をファクタリングの手数料が相殺してしまい、早期現金化の代償として、事業計画上の利益が得られなくなる危険性があります。

3社間ファクタリングの検討

運送業界全体として、ファクタリングの利用が非常に増えてきています。
元請け企業も3社間ファクタリングに協力的な企業が多くなってきていますので、可能であれば手数料が安い3社間ファクタリングを検討してみるのも良い選択肢と言えます。

ファクタリングと運送業のまとめ

運送業が抱える資金繰りのお悩み
・支払いサイト
・固定費
・燃料費
・出費リスク

ファクタリングによる運送業のお悩み解決
・支払いサイトの解決
→早期現金化による解決
・固定費
→事前に手元資金を準備しておく
・燃料費
→一時的な高騰時の手元資金を先んじて確保
・出費リスク
→事故や故障の際に最短即日で設備投資費を準備

この記事では、運送業の資金繰りのお悩みに対してファクタリングでいかに対応できるかに関して解説してきました。

運送業は元来支払いサイトが長く、利益率が低い、ニーズは大きいが利益率は低く、急な出費が発生することも多い業界です。

これらの資金繰りの悩みに対して、ファクタリングのメリットを有効活用して、資金繰りを安定させていきましょう。